泣き声につれられて
前回のあらすじ!
薬草探しで魔の森に入った俺!
脇道に薬草がある→やった!お金が大量に手に入る→ここどこ?
って感じで魔の森で迷った俺!
絶望しかないそんな中、何故か、魔物しか住んで居ないはずの森の中で赤ん坊の泣き声を聞いた俺は、半ばやけくそ気味にその声に向かって歩きだしている!!
はたして本当に赤ん坊は居るのか!?俺の運命はいかに!!
次回…ムウ死す!
って俺死んでんじゃん!死んでじゃダメじゃん!!というよりも!!!前回のあらすじって何言ってんだよ俺!!!!とうとうおかしくな事まで考えるようになった!!!!?
俺は頭の中で突っ込みを入れながらも周りを見渡す。
先程も言ったように、赤ん坊の泣き声が聞こえた方向に向かって俺は歩いてきた…歩いてきたのは良いのだが…
どう見ても、人なんて住んでいないとわかるほどの魔の森の奥地に俺は居る。
そう、俺はそんな…熟練の冒険者すら足を踏み入れる事は滅多にないと思われる程の場所に今居る。
…そんな、人間なんてほとんどやってこない場所に聞こえた赤ん坊の泣き声…
魔物しか居ない魔の森に何故赤ん坊の泣き声が聞こえるのか…
そう疑問を感じながらも、1週間も人に会えなかった孤独感とこの機会を逃したらもう二度と人と会える機会が訪れないのでは?と言う思いから、意を決してその赤ん坊の泣き声が聞こえる方向へ進んでいくのであった。
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…頭がおかしくなって乗り突っ込みをしてからどれ程の時間歩いたのだろう?
そんなに時間も経っていない様な気がするし、結構な時間歩いたような気がする…
それにしても、歩いた時間を気にするという事は、それだけ、泣き声が離れたところから聞こえているという事だ…
普通…泣き声が聞こえる範囲は決まっているはず…俺自身特別耳が悪いわけではないが言い訳でもない…
それなのに…どうして赤ん坊の泣き声がこうも鮮明に聞こえるんだろう?
距離が離れて聞こえるって事は、それだけ大きな泣き声って事なのか?どれだけ音量が大きんだ?
いや…それにしては、近づいてもそれほど泣き声が大きくなっていないような…?それこそ、最初に聞いた赤ん坊の泣き声と同じだけの大きさしか聞こえない…
…やっぱり、これって魔物の罠か何かじゃないよな?
方法は解らないけど、遠くまで声を届けられる魔法か何か使ってるんじゃ?
そんな疑問がわいてきた俺だが、すぐにそんな疑問は霧散する事になる。
(何だあれ…?)
疑問が霧散した理由、それは、遠目に大きな異物が見えたからだ。
まだ遠すぎて何があるのかよく解らないが、それでも巨大な何かがあることだけは嫌でもわかった。
理由は簡単だ。異物が周りの木々と同じ位大きかったからだ。
この魔の森の木々だが、普通の木より途轍もなく大きく木々の天辺すら見えない程の大木ばかりだ。
その塊はそんな巨大な大木の間から見えるのだが、そんな魔の森の大木達と比べてもその塊は大きい。
まだ、遠すぎて見えない為、泣き声が聞こえるであろう場所に何があるのかはわからない。
しかし、異常であるほど大きい何かが泣き声が聞こえているだろうという場所にある事だけは理解できた。
(何でこんな大きなものが魔の森のど真ん中にあるんだ?)
俺は不審に思いつつも、慎重にその大きな塊がある方に近づいていく。
(本当に何なんだこれ?)
大きな塊の方に近づくとさっきまで泣き声の声の大きさが変わっていなかったのに、今は近づくたびにその声が段々と大きくなっていくのが解る。
(…泣き声が大きくなっている。やはり、あの大きな塊がある辺りに、泣き声を発している何かがいるんだ…)
俺はそう確信を強めた。しかし…
(…そうなると…本当になぜ…こんな場所から赤ん坊の泣き声が?)
…泣き声が聞こえる方向からしても、大きな塊の中心に赤ん坊の泣き声を発している何かがある可能性が高い…だが、もしも中心に何かあるとして…
(得体の知れない大きな塊の中心にあるものなんて、絶対ろくでもないものしかないだろうなあ…)
はっきり言って、今している鳴き声に近づくこの行為は危険すぎる。
村に居たサバイバル術を教えてくれたおじさんだって、こんな危険な行為は絶対やめる様に言ってくるはずだ!
(第一この場所って魔の森だよな…こんな場所に赤ん坊なんているわけがないんだよなあ)
そうだ…こんな危険地帯に赤ん坊なんている訳が無い。
だからこそ、今からするべき事は、今聞いたこと、見たことを忘れて、元来た道引き返すのが一番最良の手だろう…元来た道がわかるか解らないけど…
そう解らないのだ…元々…行こうとしていた道何てもう二度度戻る事なんてできない…それにこんな魔の森の奥深く…どこに戻ればいいんだ…?
(…もう、街に戻れるかどうかさえ…いや、今日一日生きる事さえ怪しいのに…)
魔の森の奥に来てしまった今、街に帰れる道なんて解りやしない。
最早、街に帰れる可能性は0と言ってもいいだろう…
…人と会える可能性なんてありやしない…
それこそあり得ないとしても、赤ん坊の声が聞こえる、この場所以外は人間に会える可能性はすらないのだ…
先程の魔の森の光景を思い出す…ドラゴンが飛んでいた…俺が絶対にかなわないと思われる巨大な魔物達がそこら中に歩いていた…
このままじゃあ、巨大な魔物達に丸呑みされるのも時間の問題…だったら…
(ほとんど可能性が0だとしても、赤ん坊が居る可能性があるのならその場所に行く!!)
もはや一人でいることに限界だった俺は、この場所に赤ん坊が居ると言う、あり得ない可能性にかけて、さらに、泣き声がする方に近づくことを決心した…
…周りを見渡しながら魔物が居ないことを確認し、魔物達に見つからないように、ゆっくりと…しかし…着実に赤ん坊の泣き声が聞こえる方向へ進んで歩いていく…
大きな塊に近づくにつれ聞こえてくる赤ん坊の声が更に大きくなっていく…
それに比例して大きな塊がだんだん大きくなっていき…そして、大きな塊の形が鮮明になっていく。
そうして、ある程度まで近づいていくと…その大きな塊がどういうものか見えたきた…
まず、解ったことはその大きな塊が一つだけでは無かった事。
俺が見ていたのは、巨大な塊の一つにすぎなく。周りをよく見ると、他にも巨大な塊がある事に気付く…
数?もはや数えきれないほどだ…何でさっきまで気づかなかったのだろう?
いや、それほど俺に余裕がなくて周りが見えてなったのだろう。
(…これだけの数の巨大な物体が何で赤ん坊の泣き声が聞こえる場所に?)
とにかく情報を少しでも知りたい…その思いから俺は更に先に進む。
巨大な塊の一つに更に近づいていくと…少しずつその巨大な塊が何なのか見えてきた。
…巨大な塊に…毛らしきものが生えているのに気が付く…
もっと近づく。
牙が生えているのが見える…
…手や足ももちろんある…
…もっともっと近づく…
…赤ん坊の泣き声がはっきり聞こえる場所に着いたころ…その塊の正体が分かった…
…いや、とっくの昔に解っていたはずなのだ…だけど…俺は認めたくなかったのだ…
こんな魔の森の奥に居るの何て、魔物しかいないのだから…
そう…目の前に居るのは魔物…それが倒れている。名前なんて解らない…だって、俺が知っているのは魔の森の入り口にいるような小さな魔物位だ…
中級、上級魔物かもしれない、それ位の認識ならできる…だけど、今ここに居る魔物達何て俺には何級なんて解りやしない…
それほど、馬鹿でかかった…
…それこそ、ベテランの冒険者すらも一噛みで噛み砕いてしまうのではないかというほど大きな魔物…それが俺の目の前にいた…
(…これって、もしかして危険指定魔物?)
危険指定魔物、余りにも危険なため、ある一部の冒険者または、大規模討伐以外、決して手を出してはいけない魔物の総称。
俺は薬草しか採取してない新人冒険者だ…はっきり言って魔物何て低級魔物以外詳しくは知らない。
だけど、もし、この大きな魔物が、危険指定魔物だって言われても、俺は納得するだろう…それほど大きかった。
周りを見渡す、多種多様な巨大な魔物が、数えきれないほど、同じ様に倒れていた…
下手をすれば、人間どころか巨大な獣すら一口で飲み込める程の大きさの魔物さえいた。
かみ砕くではなく、飲み込むだ!ここに倒れている小さな魔物ですら俺はその魔物の天辺すらも見えなかった。
それ程、ここにいる魔物達は巨大なのだ。
先程まで、遠目で見ていた時は、巨大な塊が何なのかわからなかった。その為、巨大な塊に近づく行為を危険だとは思っていたが、最悪の展開を考えていなかった…
いや、違う俺は最悪の展開を考えないようにしていたのだ…最悪の展開を考えなければまだ動くことが出来たから…
しかし、今は違う…さっきまでとは違う…そう、目の前に脅威が写っているのだから…
想像でも空想でもなく、現実に魔物達が目の前にいる…
…今までも少しか働いていなかった思考が停止しようとする…
(今この状態絶対にやばすぎるだろうがああああああああああ!!!)
叫びそうになりながらも、口を押えながら声を出すのを必死に堪える!
何故倒れているのか解らないが、もし寝ているだけだとしたら、この魔物が起きてしまう!それだけは絶対に阻止しなければ!!
こんな巨大な魔物達を俺は絶対に倒すことは出来ない!!
万が一、億が一の奇跡が起きたとしても倒す事なんて不可能!!そんな魔物達が目の前で所狭しと倒れている…
というより!この魔物って本当に人類が倒せるのかこれ!?
凶暴そうな魔物…熊型、虎型…そう言った獣系の魔物それが何匹も倒れている…
何でこんな魔物が倒れているのか解らなかったが、魔物を認識をしてからいや、この場所に近づく度に俺の頭の中ではずっと警報が鳴り響いていた。
(これはやばいって急いで引き返さないと…)
生きているのか、死んでいるのかは解らない!だけど、もし生きていたとしたら、この魔物達が起きた瞬間俺は死んでしまう!
自分の中の警報が鳴り止まらない。
危険を察しする感は今まで外した事が無い、だからこそ、今まで魔の森の入り口やこの一週間生きて来れたのだ!
(やっぱり、来なければよかった…今からでもいい!!この警報に従って今すぐにも逃げるんだ!!)
…帰ろう…そう思う俺だが…赤ん坊の声はずっと聞こえているのだ…
(ああ…もし赤ん坊が居るとしたらやっぱり、魔物達が倒れている中心だよな?)
もし、万が一居る(ほとんどあり得ないが)赤ん坊を救うのなら、自分の警報を無視してその魔物が倒れている場所に行かなくてはならない…
俺は思考が停止しそうな頭を必死になって働かせる…
(絶対にこれは怪しい…)
この死んでいるのか生きているのか解らないが、この魔物達が倒れている原因が、他の魔物が仕留めた獲物だったとしたら、ここに居るのは、その赤ん坊の泣き声を擬態をして仕留めた魔物の可能性が高い。
獲物を捕らえる為に、獲物の食料になる動物や魔物の赤ん坊の泣き声を発して、獲物を誘導し仕留める魔物それがこの先に居る可能性が非常に高いはず…だけど…
魔物しか殆どいない場所で人間の赤ん坊の泣き声?
そこまで、必死になって考えて、俺はふとある疑問が湧いてきた…
(擬態するにしても、何故俺達人間の赤ん坊の泣き声を真似しているんだ?)
この森は魔の森、擬態するなら、他の魔物や動物の赤ん坊の泣き声を真似をするのが通り…
魔物の赤ん坊の泣き声はそれなりに特徴がある。
魔物の群れに合わないように村に居たおじさんが簡単に教えてくれたこともあった。
しかし、今聞こえてくる泣き声はおじさんから教えてもらった獣系の魔物の泣き声ではなく、人間…いや、人型の人種の赤ん坊の泣き声しか聞こえなかった。
このドラゴンが徘徊している森の中、人間なんてほとんど来ないだろうに…
魔物なら、何故?動物の鳴き声では無く、人間の赤ん坊の泣き声を真似ているのか…
(それに、捕食する為なら、この数は多すぎる…)
捕食が目的なら、これだけ獲物が引っ掛かったのなら、泣き真似を止めて、この魔物を捕食するのが第一のはず…
それなのに…なぜ泣き続けるのか…保存食として、加工するすべでもあるのか…あるいは、ここに倒れている魔物以上に大きい為、この量でも足りないのか?
…そこまで、考えた俺だがそこでこの考えること自体にに意味がない事を気づいてしまう。
(…もし、これが本当に魔物の罠だとしても、俺…結局死ぬよな!?)
…そう、例え、魔物の罠だと気付いたとしても、俺には闘える力が無い…
第一、この罠にかからなかった所で、俺にはこの魔の森で生き続けられる可能性が殆どない事を思い出した…
(…もうどうでもいいや…)
俺は、結局、これが、魔物の罠だろうがどうだろうが、どうでも良いと言う結論に達する。
…当り前だ…魔の森の奥深くに居る時点で、俺自身、もう、半分死んでいるのも当然なのだから…
(このまま、魔の森で彷徨って死ぬんだったら、いっそ、近づいて、真相を確かめてから死のう…)
俺はそう考え…赤ん坊の声に近づくことにした。
…最早、俺の精神は限界を超えていた…
…ドラゴンが上空に居て他の魔物ですら俺の倍以上の大きさが当り前の森に居るのだ…
そんないつ死んでもおかしくない状況の中で一人でいる事に、俺は正気を保つ事すら限界だった…
(…もう、これ以上状況が悪化しようが、あんまり変わりようがない!)
もう、最悪と言ってもいいこの状況が変わるのなら、死ぬ可能性が高いとしても、とりあえず泣き声が発している場所に近づいてみようと思い至ったのだ。
…それが如何に危険な行為だったとしても…最早俺には関係無かった。
(うん!!はっきり言ってドラゴンがいる場所に居る時点で俺もう半分死んでる状況だし…これで死んでも早いか遅いかの話だ!!もしかしたら、本当に赤ん坊が居るかもしれないしな!!)
――俺はもう完全にヤケになっていた―――
とりあえず、倒れて動かない魔物が俺の手に触れる所まで近づいた。
(…これだけ近づいても、やはり動かないな…)
俺は意を決して、その魔物の胸の辺りに手に当てる。
息による肺の上下運動すら感じない。
体温も冷たい。
(…これってやっぱり、完全に死んでいるよな…)
大きな魔物が死んでいる事実を確認した俺…
いきなり現実に戻されたような気がした俺の心臓は大きく鳴り始めた。
(落ち着け!!落ち着け!!)
死んでいる可能性が高いって自分でも解っていたじゃないか!!
赤ん坊の泣き声が聞こえ続けている状態で、大型の魔物達がこれだけいるのに、全員が、微動だにしないで寝ているなんて、あり得ないのだから…
…だから、魔物達は、寝ている訳じゃなくて、死んでいるんだ…
そして、それを殺した犯人はこの先にいる泣いている赤ん坊?らしきもの…
そこまで、考えて俺は背筋が凍った…
(…これだけの魔物をどうやって殺したんだよお…)
今まで考えないようにしていたが…どんな方法かは知らないが、鳴き声を発しているのはこの魔物達を殺せる方法があるという事…
どんな方法か俺は見当もつかない…毒なのか、魔法なのか…もしかして物理的に殺されたのか…
(それだけやばい相手なのだろう…だけど…)
そこまで考えてもなお…俺は不思議と引き返そうという気持ちにはならなかった。
だって…
(もう、一人で、魔物から逃げ回るのは嫌だ!!)
…朝、昼、晩…魔物達から、隠れ続けた俺だが、もはや、一人で逃げ回る事に体力的にも、精神的にも俺は追い詰められていた。
(…どうせ、遅かれ、速かれ…魔物に食われるんだ!!だったら、少しでも、人間に似た魔物に食われたい!!)
…最早、殺される可能性が高いとわかっていても、俺の歩みは止まらなかった。
だって、もう、このまま死ぬことが決まっているのなら、僅かにでも人間がいるかもしれないという希望を持たせてくれた魔物なら食われてもいいやとすら考えていた…
意を決して、泣き声の中央に進んでいく。
近くに大きな魔物が倒れている…その合間を縫って俺は進む。
大きな魔物達…種類は大きな熊の魔物、狼の魔物、それどころかドラゴンさえも居る…
その全てが死んでいるのだろう…
だけど、俺はそれすらも意に返さず進んでいく…
いや、思考を停止しているのだろう…黙々と泣き声がする方向へと向かっていく…
中心に向かっていく程、倒れている魔物達は大きく更に狂暴そうになっていく…
…それは、数さえも増えていった…俺が通れたのはある意味奇跡だったのだろう…
何故か、人一人分通れる隙間があったのだ。
まあ、その所為で死んでいる魔物を至近距離で見ることになったのだが…それでも進むことはできた。
そして、泣き声の方向に更に進んでいくと‥‥そこには…
木の繊維で編まれた籠…それが置かれていた。
必死に書き直し中…待っている皆さん!すみません!