フウの癇癪
俺ムウは、いつもの日常を過ごしていた・・・
今日も今日とてフウを膝に乗せ、5人が吹っ飛んでいくのを見ている・・・・
・・・・何かゴーレム強くなってないか?前普通に闘えてたマイルですら吹っ飛んでるんだけど・・・・
というより、最近俺ずっとフウに纏わりつかれて、何も出来ない状態なんだけど・・・
俺が家の中に入ろうとすると、フウも引っ付いてくるし・・・
ゴーレムを動かしているのフウだから、中に入る訳にもいかないし、一応中に入っても操作できるみたいだけど、きちんと近くで見させてないと、操縦間違わせるかもしれない・・・・
まあ、今もゴーレムの操作、何てそっちのけで、俺の膝に顔を擦り付けてるけど・・・・きちんと見て操縦しているんだよな?
そんな事を思っていると、門に誰かいるのを気づいた・・・・・・・・・・・
・・・ってちょっと待って!!・・もしかしてあ・・あれは・・・・・まさかいる訳が無い・・・・
「久しぶりね・・・元気してた?」
精霊さん!!何でここに居るの!!!
「そう言えば、聞いたわよ・・・奴隷を買ったそうね・・・・何で?私言ったわよね・・・奴隷制度がどれだけ悪いか・・・」
・・・・ぎゃあ、ばれてる!!!そんな事を思っていると、ゴーレムが精霊さんを攻撃した・・・そして、気づいた時には攻撃をしたゴーレムが粉々になっていた・・・ちょっと待って・・フウ?!・・・何やってるの!!
「・・・相変わらず・・・めちゃくちゃね・・・だけど、ゴーレムごときで私を倒せると思っている・・・・?」
精霊さんそう言ってますが、汗すごいですよ・・・大丈夫ですか・・・?・・・いや、本当すみません・・・
「・・・・何か用・・・?」
そんな緊迫した空気の中、フウが1カ月以上ぶりに喋った・・・ちょっと待って・・喋った・・?・・喋ってくれた!!
「フウ!!やっと喋って・・・・」
俺は喜びそうになったが、そんな雰囲気ではない事に気が付いた・・・2人共、睨み合って、一色触発の雰囲気である、あれ、これやばくね?
「・・・・あなたどうしちゃったの?魔の森では完全に感情が高ぶった時以外、魔力のコントロールが出来ていたのに・・・今は、何もしていない状態で、既に魔力が破裂しそうな状態じゃない・・・・何があったの?」
「・・・・・・・・」
精霊さんの問いに、フウは何も答えなず、精霊さんを睨む・・・ここで戦闘起きたら、どうなるんだろうなあ・・・皆頼むから、早く逃げて・・・
俺が奴隷達5人を見る・・・疲れて、全員が座り込んでいた・・・・ですよね!!いつも訓練終わると同時に全員ぶっ倒れているからね!!みんな!!!
「・・・・・・・・・・・・話さないのね・・・だったらいい・・・ムウお願いがあるんだけど・・・・・」
そう言って、精霊さんは俺を見た・・・・そして・・・
「私の村に戻ってきてほしいの・・・」
と言った・・・・えっ?
「・・・どうして・・・?」
「・・・それは・・・この子、魔力暴走しそうなの・・・魔力暴走について、授業で教えたでしょう?」
・・・えっと、確か子供の癇癪みたいに暴れる?だっけ?
「・・・大丈夫だって、ただの癇癪・・・」
「その癇癪で都市1つがぶっ飛ぶんだけど・・・」
いや、それは大げさだろう・・・大げさだよな・・・真面目な顔をする精霊さんは俺を見つめてくる・・・・だが・・・
「フウが原因なら俺はいかないぞ・・・」
それって、フウが原因だよな?俺行く必要性ないよね!
というか、前から思っていたんだが・・・もうフウ独り立ちできるよな・・・・
ずっと考えていた事だ・・・フウは本当に俺が必要なのかという事・・・はっきり言って、たった一人で、家や奴隷を買う段取りを一人でやり、一人で魔物を退治し、食べ物すら自分で調理してみせる・・・
はっきり言って、俺が居なくとも、フウは一人で生きていける・・・なのに、何で、俺に聞くんだ?フウに直接帰ってきてほしいって言えばいいのに・・・多分、俺はいらないだろうし・・・それ所か・・・フウと俺は・・・釣り合ってすらいなかっただろうしな・・・
「どうして、街が1つ無くなるかもしれないのよ!!」
だから!それ!俺に聞く必要ないだろうって!!もう・・・フウに俺は必要ないだろうしな・・
「フウの意思は聞かないのか?」
そう、何故さっきから俺にだけそれを問う?フウに了承を取らずに、何故、話を進めようとする・・・フウが気になるのなら、本人に帰ってきてほしいって言えばいいのに・・・
「それは・・・」
第一、さっきからずっと思っていたんだが・・・
「それにフウは絶対に魔力暴走何てしない・・・なあ、フウ・・・」
そうだ・・・フウは確かに最近は機嫌が悪いみたいだけど、この街に来て一度も魔力暴走を引き起こした事は無かった・・・もし、精霊さんの村に居た時の始めの時みたいに、癇癪を起しているのならまだしも・・・そう言ったのは無かったのだから・・・
今にも魔力が爆発しそうって精霊さんが言っていたが、それは気の所為なのだろう・・・だが、せっかくの機会だ、このまま一人立ちをさせてしまえばいい・・・
もうフウは俺が居なくても大丈夫・・・そう思って、先程の言葉を言い、何時もの様にフウを撫でた・・・
・・次の瞬間・・頬に痛みを感じた、痛みを感じた頬を触ってみると、血が出ていた・・・フウの方を見ると、目を見開いて体が震えていた・・・
「あっあっ・・・・」
多分フウが精霊さんの村で起こしていた癇癪を起したんだろう・・・何だか、久しぶりだなあ・・・そう言えば、癇癪を起しても、俺には攻撃してこなかった、フウが始めて俺に攻撃をして来たな・・・魔の森に住んで居た時も一度も無かったのに・・・
・・・まあ、いいや・・・そんな事よりフウを・・・
「はなれ・・・」
こんなに怯えてるんだ何時もの様に落ち着けないと・・・そう思って、俺はフウを引き寄せ撫でた・・・
「ああああああああああああああああああああああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
すげー絶叫!!と言うか、痛い痛い!!何か何時もの癇癪じゃない!!!俺すごく!!攻撃されてる!!!
ああ、もうフウは泣き止まないし・・・全身は痛いし・・・
「もうそろそろ泣き止め!!!」
そう言って、右手でフウを抱えたまま頭のてっぺんを左手でグリグリした・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・やっちゃたぜ!
こんな事したら更に暴れるよなあと思っていると・・予想と反してフウは泣き止んできた・・・・・・・・・・・・・・・まじで?と言うか自分でやって置いて何だけど何で?!
そう思っていると、フウは泣き止んで、そのまま眠ってしまった・・・・・・・
「・・・・・・・・・・・・すごいな君は・・・・・・・・・・・・・・・」
と精霊さんそう呟く、何が?そんな事を考える間もなく、周りを見渡すと・・・庭が大惨事になっていた・・・
よく見ると・・・俺とフウを中心に大きなクレーターが出来ている・・・・・・・・・・
「えっと、どうしようこれ・・・・・・・・・・」
そんな俺の呟きに答える声は無かった・・・・・




