表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
奴隷が欲しいので赤ん坊を育てた  作者: ・・・・
出会い
4/118

ここはどこ?魔の森で迷って…

大金を手に入れる為に珍しい薬草である魔草の採取依頼を受け魔物が蔓延る魔の森に入った俺!


…だが、しかし、そんな死の危険と隣り合わせな場所で俺は大きな失敗をしてしまう。


そうそれは、魔の森に入ってすぐの話…


----------------------------------------


魔の森の入り口に来た俺、この場所まではいつも来ていたから何も問題はない。


しかし、これからは地図があるとは言え、未知の場所に入るのだ!気合を入れなくては!!


そう考えながら、俺は地図を広げた。


魔の森の地図には、危険が少ない安全な道が書かれている。


その為、俺はそのまま地図に書かれている通り安全な道に行こうとしていた…


しかし、森に入ってしばらくした後…何となく前方の地図に書かれていた安全な道では無く、それ以外の脇道を何気なく見た。


そこには、いつも取っている普通のポーション用の薬草が大量に生えているのが見えたのだ!


(…いつも取っている薬草に比べても多過ぎるだろう!!?ここに生えているの!!)


いつも魔の森の入り口辺りに行って薬草採取した際もそれなりの数の薬草は生えているのを見てきた。


入り口と言えど、魔の森には違いはなく、入り口辺りに低級魔物しか出ないと言ってもそこまで新人冒険者は来ない。しかし、それでも少なからず来ているのは確かだ。


その為、新人冒険者が来た際、低級魔物を倒すついでに薬草を持っていく為、俺自身もそこまでの数を手に入れる事は出来なかった。


…少し奥に入ったからと言ってここまで多くは得ているものなのか?


(こんなに多く生えているなんて…群生地ってやつか?)


俺は、余りにも量の薬草を前ににゴクリと唾をのんだ。


俺が常時依頼でいつも取っている薬草は前にも言ったように冒険者の必需品であるポーションの材料になる為、めちゃくちゃ需要がある。


まあ、この薬草は生命力が強い為、街の中でさえ量を気にしなければ手に入る為、買取額は少ないが、必要とされている薬草の数は街の中で取れている量では全然足りない。


だから、薬を作る薬剤師は冒険者に頼んで、量を確保しようとするのだが、それでも足りていないのが現状。


一度作ればある程度保存がきくようになるので、冒険者ギルドは備蓄をしたい様なのだがそれが出来ない程、ポーションは足りていない。


しかし、薬草の買い取り額を上げれば、ポーションが高くなってしまう為、それも余りできない。


何でも、あんまり高いと冒険者は買わなくなって、魔物を相手にした際、死んでしまう可能性が高くなってしまうというのが理由ってギルドの受付が言ってた。


買い取り額が少ない為、他の冒険者は魔物討伐の依頼ばかり受ける為、薬草の数が年中足りなくなっている負のスパイラルが起きていると受付の人がぼやいていたなあ。


…まあ、もし薬草の単価が上がって他の冒険者が薬草を採取しだしたら、俺なんて競争に負けてあんまり取れなくなるだろうから、今の現状の方が助かるともいえる。


だからなのだろう、これだけの薬草が放置されていたのは…


確かに、今まで採取をしていた魔の森の入り口ではコブリンしか殆どいない場所の為新人の冒険者がゴブリン討伐している片手間、少しでもお金の足しにする為に薬草を採取をする為そこまでの薬草はなかった。


しかし、少し間の森の奥に入れば、それ以上の魔物がそこ彼処に居る。俺みたいに薬草採取だけをする為に入る冒険者なんてほとんどいない。


その為、薬草を取るくらいなら、他の魔物を倒す方が儲けがいいと考えられるのが普通だ。その為、この群生地は無視されていたのだろうなあ。


薬草採取のためだけに安全な道を通るとはいえ魔物が居る中級や上級魔物が居る森に入る冒険者なんて俺以外殆どいやしない。まあ、それだけ俺自身追い詰められているとも言えるけれども…


はっきり言って、薬草採取の依頼は新人が討伐依頼の足しにするか、普通お小遣いが欲しい子供が取ってくるのが普通…


しかし、俺にとっては貴重な収入源だ。


しかも、今その薬草が大量に目の前にある。


…今まで見たことが無い程の大量の薬草が生えている…それを見た瞬間、俺は薬草に目を奪われていた。


(この薬草も採って行けば、かなりの金額になるのでは?)


先程も言ったように常時依頼で、しかも必需品とは言え、1つあたりの薬草単価は物凄く安くなっている。


だが、ギルドで支払れる1つあたりの薬草の依頼料は安くとも、数は少ない為、受け取り拒否はされないはず、だから、これだけの量を持っていけば、結構なお金が手に入る!


今している依頼の依頼料と合わせれば、どれだけのお金が手に入るのだろうか…もしかしたら、金貨に届くかもしれない…


(もし、この薬草と今している依頼の薬草を手に入れたお金が手に入れば、宿屋のお金の心配がなくなるだけじゃなくて、貯金もできるかも!夢のハーレム生活に一歩近づけるのでは!!)


そう考えた俺は、その薬草をとる為に、脇道に入った。


それが、運命の分かれ道だったと知らずに…


---------------------------------------


俺が薬草を採っていると、脇道の奥にも薬草があった…


俺は意気揚々とその奥にあった薬草も手に取る、そして、もってきていた袋に入れた…


魔草を取りに来た俺だが、他にも珍しい採取物が手に入るかもしれないと思い、かなり大きめな袋を用意していた。


薬草自体1房当たりそこまでかさ張らない為まだまだ袋には余裕がある…


そして、目の前や奥にはまだまだ薬草が生えている。


(買った魔の森の地図代を魔草採取の依頼料で補填しようと思っていたけど、これだけの量なら、薬草採取で手に入るだけで地図代が補填できるかも!!)


そう、地図を買った為、ほぼ一文無しになっていた俺は、ここで、薬草を大量に手に入れてお金を更に手に入れる事しか考えていなかった…


その為、俺はどんどん、薬草を求めて、更に脇道にそれていった…


地図も見ずに、薬草がある場所だけを見て…更に、奥に進む…


また別の道にも薬草があるのを見つける…それを見て、更に脇道に行き、薬草を採取する…その道の奥にも薬草がある…


さっきまでの歩いていた道を放棄して更に別の道の奥へ入っていく…


そして…袋が一杯になりさて帰ろうとした際、俺はここがどこか完全にわからないことに気付いた。


そう、俺は完全に魔の森で迷ってしまったのだ…


薬草をとるのみ夢中で何度道を曲がったのかさえ全然覚えていない…


地図を見る…現在地がどこか全くわからない…下手すると、地図に書かれて別の道に来ている可能性すらある。


俺の買った地図は全財産を出して買ったとはいえ、余り詳しく書かれてはいない…普通の魔の森の地図なら金貨を出さないと買えない程高価なのだ。


その為買えた地図には希少な薬草があるまでの範囲しか書かれていない…それでも魔薬を取る為には十分なはずであった…それがこうなるとは…


地図以外の道に迷い込んだら、帰れる可能性はほぼゼロになる…そう、何度もギルドの人に言われたはずなのに…


周りを見る…地図を見る…どう見ても、地図に書かれているような道では無い…当たり前だ俺が脇道にそれまくったのだから…


完全に地図の範囲外に居るのだろう…そう気づいた俺は…・


(NO---------------------!!!!)


心の中で絶叫した!!!


大声を出さなかった俺をほめてくれ!!!


もし万が一声に出して絶叫していたら一瞬で魔物が寄ってくる!!!!


ここ魔の森だぞ!!!魔物が来たら速攻で死ぬわ!!!!!


(やべーよ!やべーよ!!!)


パ二クリながらも、辺りを見渡すと…


…大きな狼が目に入った。


目をこする…大きな狼は消えない…どうやらこれは俺が見ている幻ではない様だ…


(…これって…確か、ガウルと言う魔物だよな?図鑑で見た事がある…)


ガウル、狼の魔物でゴブリンよりは強いが低級魔物である…


普通の冒険者なら雑魚と呼ばれている分類の魔物だが、俺はゴブリンすら倒せない男…


しかも、 並の冒険者には雑魚とは言われているが、それは、冒険者基準…平民並み…いや!それ以下の力しかない俺には絶対勝てない!


そう、こいつは低級魔物と言われているがゴブリンよりもはるかに強い!はっきり言って格が違うのだ!


俺はガウルを見るや否や…一目散に逃げた!


だが、逃げた瞬間、ガウルが俺の後ろを追ってくる!!


ガウルという低級魔物という事もあり魔物は攻撃力と防御力は低い…(普通のゴブリンより強いが)


しかし、こいつ…足の速さだけだったら、低級魔物の中でもかなり速い!!しかも、スタミナそれなりにある!!


いつもなら、魔の森の入口で薬草を採っているため、ガウルみたいな魔物も発見をしたら、すぐに森の外にすぐ逃げていた為今までも何とかなっていた…


魔物は、テリトリーにしている領域以外余り出てこない、それは、ゴブリンみたいな頭が悪い魔物も例外ではない、その為、魔の森の外に行けば、魔物はあまり出てこないのだ…


その為、俺が魔の森の森の外にさえ出れば、すぐに魔物は追ってこなくなる。


だが、しかし今回はその手は使えない!だって!今いるここは、魔の森の奥深くだ!!この森全てが全部が何かしらの魔物のテリトリーだ…はっきり言って逃げ場はない!


唯一例外だったのが地図に書かれていた冒険者がよく通る道だったのだが…それすらも、今はどこにあるのかわかりやしない!!


だけど、それでも!!逃げきるしかない!!!それしか、生き延びる方法が無いから!!!!


(追って来るなよ!!)


そう、心で思いながらも、逃げる!逃げる!!逃げる!!!


ガウルから逃げている間も…俺は更にドンドンと森の奥に入っていくのであった…


そして…幸運にも俺はガウルから(・・)は逃げきれた…だが…


…茂みに身を隠しながら周りを見る…他の魔物がうようよしている…


…先程、相手にしていたガウルより上の魔物である中級魔物…それすらも俺の周りにのっそのっそと歩いているのであった…


―――――--------------------------------


それからも俺は、迫りくる魔物達から逃げて!逃げて!!逃げまくった!!!


格上から逃げ切れるなんて俺凄くね?!なんて思いつつ何とか俺は生きていた!!!!!


まあ変わりに逃げる度に俺は魔の森の奥に入っているみたいだったけれど…だって!どっちが帰り道かわかんないんだ!しょうがないだろう!!


…そして、魔の森に入り込んで一週間後…


俺は生きていた…代わりに周りには地獄が広がっていた…


上を見ればドラゴンが飛んでおり…周りを見れば、人が米粒にしか見えない程の大型の魔物が歩いている…


…ああ…母さんドラゴンが飛んでいても今日も空は青いです…


(って!何でこうなるんだ!!!というより、よく今まで生きてこれたな!!!俺!!!すごいぞ俺!!!)


そう俺は一週間、奥に入ったら、ベテランの冒険者すら死ぬといわれている魔の森に生き続けていた。


それもこれも…


(村でサバイバルで生き残るすべを教えてくれた村のおじさんのおかげだ!!本当にありがとうおじさん!!)


村のおじさん…無口で余り喋る事をしなかった…名前すら名乗らなかったおじさんだが、村になじめなかった俺に色々教えてもらった。


小動物の狩り方(魔物じゃない普通の生き物の方)、罠の作り方、食べられる草、キノコ、果実の見分け方の知識…


そして今回一番役立った魔物から逃げきる方法と村から出る時におじさんから餞別にもらった、煙幕や爆竹、爆弾といった様々な道具…


俺はこのおじさんから教えてもらった知識と道具を駆使して何とか今まで魔物から逃げ切っていたのだ!!!


ある時は、爆弾で魔物を怯ませ、ある時は、煙幕や爆竹で攪乱させ…匂い玉で鼻が利く魔物を追っ払った時もあった…


とはいえ、もはやおじさんから貰った道具も爆弾といった有能な道具は既に手元にない。


あるのは煙幕や爆竹の様な、魔物を少し攪乱させる様な道具位しか手元に残っていない。


爆弾もそこまで高威力では無かったから倒すことは出来なかったが、直接魔物を怯ませることが出来る道具として重宝していたのだが…


それも最早手元にないのだ。


(これまでだろうな…)


今まで、俺は、道具と知識、そしてものすごい幸運で生き延びていた。


だが、それも今日一杯だろう。


(…物凄い幸運と言ったが、こんな魔の森の奥深くまで来ている時点で、途轍もなく運が悪いよな…まあ、半分以上は薬草に目をくらんだ自分が悪いんだけど…)


そんな絶望的な状況で、これからどうするかを考えていると…


(~~~)


何かの声が聞こえた…


(何だ?)


頑張って耳を澄ませてみる…


(~~~~~~~~~~~~~~)


なんだ、赤ん坊の声らしき鳴き声が聞こえる…


(何で、赤ん坊の泣き声がこんな場所で聞こえるんだ?疲れで幻聴まで聞こえてきたみたいだ…)


幻聴…そう思いながらも…俺は、泣き声のする方に無意識に歩いていた。


普通に考えれば、この赤ん坊の泣き声は俺の幻聴の可能性が高い。


もし、幻聴でなかったとしても魔物の罠の可能性ですらある。


村のおじさんから魔物の生態について教えてもらった際、言われたことがある。


何でも、人間に化けたり、人間に似た声を出して、騙し討ちをする魔物がいるという事を…


『もし魔物の生息地で人に会っても、少しでもおかしいと思ったら絶対に近づくな…もし関わるにしても、街に戻りギルドの人か職員に助力を求めてからにしろ…お前は弱いのだから絶対に無理をするな…』


そう言っていた。その言葉を思い出し足を止める。


…魔の森で赤ん坊の泣き声が聞こえる…その時点で異常だ。


だが、おじさんに言われた様に助けを呼ぼうにも街に帰れる手段がないのだ、そうなるとこれは俺自身が対応するしかない。


そう考えれば、今聞こえる泣き声を無視して、立ち去るのが一番の最良な手段だろうなあ…


だけど…無視したとして…その後はおれはどうする?ここで無視をしたらこの後、他の人間なんて会えるのか?


そんな事を考える…


(そうだ…最早、生きていけるかどうかなんて解らないんだ…)


一週間も格上の魔物…それどころか、ドラゴンからも身を隠しながら逃げてきた俺…最早精神何て完全にすり減っていた。


(…もしかしたら、本当に赤ん坊が居るかもしれない…)


そんなあり得ない想像をする…だけど、完全にすり減っていた精神はそんな想像するだけでも人のぬくもりを欲してしまう…


(…もう、ドラゴンすら周りにいる状況なんだ!いつ死ぬかわからないんだ!幻聴でも魔物の罠だって良い!!というより魔物の罠だったとしても死ぬのが少し早まるだけだ!そん時はそん時!!もう何でもきやがれ!!!)


半分投げやりになりながら赤ん坊の泣き声が聞こえる場所に行くことにした。


もはや、ムウは限界であった…肉体は運よく食べ物を手に入れることが出来ていたためそうでもないが、精神は周りが格上の魔物だらけでもはや正常な判断が出来ない程に参っていた。


(それに、万が一…いや!億が一赤ん坊が居るんだったら会いたい!!はっきり言って!こんな場所を一人でうろうろするのはもう嫌だ!!!)


そんなあり得ない希望的観測を信じ…ムウは進んでいく…赤ん坊の泣き声が聞こえる方向へ…


(…もう本当、赤ん坊でもいいから、誰かに会いたい…(´;ω;`)byムウ)

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ