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奴隷が欲しいので赤ん坊を育てた  作者: ・・・・
街へギルドへ
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決闘

フウ視点と大剣使いの視点が入ってます。


かなりの変更、戦闘部分の描写が変わります!

私は、お父様と出会ったあの日を今でも鮮明に覚えている。


周りが殺気だらけでいつも死を体感していた日々、そんな中で、出会った貴方と言う存在……


私にとって人生は、出会った瞬間、貴方が全てになった。


それは今でも変わらない…


貴方が何かを欲しいなら…それは、私の欲しいもの…貴方が何かをしたいのなら…それは私のしたい事…


だから…お父様…貴方の心を…私に下さい…


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――


精霊さんの村に住んで早、1年私はそこで、修行を続けていました。


精霊さんの修行で覚える事は沢山あって大変でしたが、それも、全てお父様の為と考えて頑張りました♪


一番つらかったことは、お父様と魔物との修行中に離れなくてはいけない事ですが、それでも何とかやり遂げました…


…そして、今日…精霊さんに最後の修行があると言われてある場所にやってきました。


そこは、いつもなら、絶対に入らない様に精霊さんに言われている所でした。


近づくにしても、周りだけと言われ、その場所には直接いかなかったのですが、そこには途轍もない魔力を持った何かが居るという事は知っていました。、


近づかなくても分かる程巨大な魔力を放っている…


…だからこそ、確信していましたそこに居る者は絶対に強いと…


そして、今日精霊さんに連れられてその場所にやって来ました。


私がその場所に行き見たのは…今までと比べ物にならない位途轍もなく大きなドラゴンでした…


…最近闘う様になったレインボードラゴンよりもきれいな鱗…


大きさが最大級とされているゴールドドラゴンよりも大きなドラゴン…


そして、何よりも…精霊さんより大きな魔力を持った今まで見たことが無い、ドラゴンがそこには居た…


「このドラゴンはディエティドラゴン‥‥世界で一番強いドラゴンだ」


そう、精霊さんは言いました。


何でも、英雄クラスという人間の冒険者の中で一番強い人達が闘って勝った事があるドラゴンで、このドラゴンに勝つ事が私の修行の完遂になるらしい。


しかも、お父様と一緒に闘う事を念頭に置くため、闘っている最中は、この周りを結界で覆い、森に被害が行かない様に、ドラゴンの攻撃を結界の外に出さない様に闘わなくてはいけないと言われました…


これだけの魔力を持ったドラゴンの攻撃です…何大抵の障壁では突破されてしまいます…


はっきり言って、結界に殆ど魔力を持っていかれて、他の魔法を使えなくなってしまうかもしれない。


「…はっきり言うぞ、今までのドラゴンとは強さが桁外れに違う程、強い…それでいて、ハンデ付き…それでも闘うんだな?」


精霊さんが私に念を押す様に言う…確かに、このドラゴンは今までのドラゴンとは桁が違う程強いだろう。


だけど、私の答えは決まっている。


「はい!絶対にこのドラゴンに勝って!お父さんと外の世界に行きます!!」


そう私は精霊さんに宣言した。


どんなに強くとも関係ない!絶対に勝って…お父様と街に行くんだ!!


そして…お父様の望みを叶えてみせる!!


「…そうか…ディエティドラゴンよ…予定通り…フウと闘ってくれ…」


そう精霊さんが言った瞬間…ディエティドラゴンは私にブレスを吐いてきた。


どのドラゴンとも違う強力なブレス…私が生まれた直後なら、このブレスだけで死んでいただろう…


だけど、私は、そのブレスを魔法で作った剣で薙ぎ払った。


(…途轍もなく強い、ブレス攻撃なの…)


ディエティドラゴンの攻撃を外に出さない為に、今この場で闘っている周りを魔法で結界を張っている、その為私は今殆どの魔法を使えない状態であった。


闘っている周りだけと言っても、ディエティドラゴンの大きさは規格外…それでいて、闘う土俵というのも、それだけの広さを要する。


はっきり言って、それだけの広範囲の結界を張る為…ほとんど、魔力を使い切っていた。


自身の身を守る結界なんて、一枚も張れない。


それ程私が強力な周囲に結界を張らない程、ディエティドラゴンの攻撃はすざましかった。


唯一まともに使えそうなのは…魔力を余り使用しなくてもいい、肉体強化のみ


…魔力はほとんど使えない…使えるのは、己の肉体のみ…だったら…


(だったら!私は!!全力で!!!ディエティドラゴンにぶつかるだけ!!!!)


強化魔法を私自身の身体全部に覆う。


(これが終われば、お父様と一緒に街に行けるんだ!!!!!)


その一心でディエティドラゴンに向かって行く!


(周囲に結界を張るのにかなりの魔力を使ったけど、強化魔法だけなら、このままでも数十時間闘える!)


後は、魔力をどの位節約して闘えるか、それだけを考えて闘い続けた。


時間の感覚が解らない程長時間…と言っても、実際闘った時間は数時間と言った長さだった…


それでも、私は何日も闘ったような感覚であった。


理由は単純、訓練時も、これ程、長く、魔物と闘った事が無かったためだ。


修行の始めでも、遅くとも、数分…速いと数秒で終わっていた。


最近では、一瞬で終わる為、精霊さんにハンデを付けて闘う様に言われている程だ。


まあ、それでもすぐ終わる為、短時間でハンデを付けた状態で何十匹の魔物を狩っていた。


お父様に早く会いたい一心で精霊さんの修行を一瞬で今まで終わらせていた為、私はこれほど長く闘ったのは初めてだった。


…だけど、これ程の長丁場の闘いを続けても私は身体の疲れを感じなかった!だって…


(絶対!お父様と旅に出るんだ!!!)


そう、これが終われば、お父様と冒険に行ける!!


私はそれだけを考えて一心不乱に闘い続けた…そして、気づいたら…


「負けだ…」


そう、ディエティドラゴンが言葉を発しました。


(へっ?)


先程まで、さまざまな種類の魔法、ブレス…さっきまで、怒涛の攻撃を繰り出していたのに、いきなり、敗北を認めれられて、私は戸惑っていました。


(えっと…私の勝ちでいいんでしょうか?)


一応、ディエティドラゴンの身体はボロボロの様ですが、喋れる体力はある様ですし、頑張れば闘えそうなのですが?


私が首を傾げていると…


「……合格だ…」


…そう、ディエティドラゴンが言ってきました…


そう言われて気づく…そうだ、これは、ただの試験であって、ディエティドラゴンを狩る為に、闘っている訳では無い事を思い出した…


(そうだ!試験だから別に相手を殺さなくてもいいんだった!!!)


いつも、精霊さんの試験内容が魔物を狩る事だって言っていたから、つい、このドラゴンも狩ろうとしていた…そうか…負けを認めさせれば良かったんだ…


(それなら…本当に合格?!)


そう気づいた時、私は飛び上がって喜んだ!!


(やった!やった!!勝ちました!!!さっきまで!!かなり無茶をして闘っていましたが!何とか勝てました!!!)


「………ここまで強くしなくてもよかったのではないか、前に勝った英雄も我と一人で何て…」


(ああ、これでやっと街に行けます!!)


「そうしなければいけなかったからな…さっき言ってた、この子が守りたいって言ってた、もう一人が、ゴブリンすら倒せるか解らない位弱いからのう…」


(お父様は喜んでいただけるのでしょうか?)


「はっ?…それは本当か?…パーティーを組むにしても、あまりにも力の差があり過ぎて問題が…」


「はあ?」


(今何を言おうとした?この腐れドラゴンが!!?本当に殺してあげましょうか?!)


「無いですね…すみません」


何かトカゲが何か言ってますが、そんなの気にしません!!


(ああ、早く森の外に出てお父様と街で二人きりになりたい!!!)


私が、この後、お父様と森の外に行く事を考えていると…


「フウ、これだけは言っておく…お前はかなり強くなった、下手をすればこの世界一強いと言っても過言ではない、だが、ムウをあやつを100%守り切れるとは言えない…」


ディエティドラゴンがそんな事を言って来た。


(…えっ?)


ディエティドラゴンの言葉に嬉しさの頂点だった私のテンションは一瞬で普通に戻りました。


「だけど、試験をやる時、この試験をやり切れば、もうお父さんを守り切れるって…精霊さんが…」


そう、精霊さんが、そう言ってくれたのだ…今日の試験を合格すれば、お父様を守れるって…


「…普通の相手ならそうだろう。英雄クラスの人間が相手でも真正面から戦えばお主は勝てるだろう…だが、他の者を守りながら英雄クラスと闘えば解らない…それほど、守りながら闘うと言うのは難しいのだ。」


「それは…」


ディエティドラゴンの言葉に私はつまります…


その言葉はよく、精霊さんに聞かされていた事なのですから…


「英雄クラスとなるとな、総合力より、一片の長所を上げる事を優先する…お主は総合力なら負けないかもしれないが、英雄クラスとなると、その長所の部分だけは勝てるかどうか解らない。それだけ、英雄クラスというのは厄介なのだ…。もし、その相手が優れているその一点がお主自身劣っていれば、それだけお主を守りたいと思っておる者が危険になる。」


そう言った、後、ディエティドラゴンは空を見上げた…


「英雄クラスは闘いのプロ、自分の長所を生かして闘うのには慣れておるはず。もし、相手の長所がお主の想定以上だった場合、お主は守りきれるか?フウよ…?ムウという男は、ゴブリンより弱いと言ったな?恐らく、万が一攻撃を受けた時、それこそ英雄クラスの弱い攻撃ですら一撃でムウという男は死んでしまうだろう。100%守り切れるわけでは無いと言ったのはその為だ。」


その言葉を聞き私は口を閉ざしてしまう…だけど…それでも…


「フウお主が、あやつを守る為に色々な試験を課してきた。そして、お主はそれを見事クリアしてきた。だがそれでも、守るという事は難しい。それも解っているな?」


精霊さんに言われて私は頷いた。


半年前にも似た様な事を言われたからだ。


だからこそ、私は必死になって様々な事を覚えてきたのだから…


「力がある者は必ず何かしら大きな出来事に出くわしてしまう。お主が本当にムウを守りたいと言うのなら、別れた方が……」


そう言われて、私は涙ぐむ…


(何で精霊さんはいつもそんな意地悪言うの…?私は…ただ、お父様のそばに居たいだけなのに…)


「…はあ、解っておる、絶対にお主があやつから離れんという事はな……本当に、どうしてこうなってしまったのか…」


そう言って、精霊さんはため息をついた。


私は、涙を拭いながら…


(何で精霊さんはいつも意地悪ばっかり言うんだろう??)


そう思って精霊さんを睨みつける…


「…お主まだ、体力余っておるな今日は熊鍋を作ろうと思うから、狩ってこい!力はいつも通りほぼ0にして魔法は使わず、体裁きの技術だけでな!」


そう言われたので私は睨むのを止めて「はーい」と返事して森に入っていく…


とにかく、修行は終わったのだ…これで…お父様と街に行ける…だけど…


『力がある者は必ず何かしら大きな出来事に出くわしてしまう』


精霊さんのさっきの言葉を思い出しながら、私はある決心をした…


お父様に私をあげる前に、その英雄クラスも倒せるくらいにならないと…


それも相手の得意分野で倒せるぐらいに…


そうしなければ、私はお父様にあげる事なんて出来ない。


私はそう決心をした…


――――――-------------------------------


そうして今、英雄の一人大剣セシルが目の前に立っている。


何でセシルの事を知ってるかと言うと、4カ月前にここに来た時に色々調べていたのだ。


1日で調べ切るのはなかなか大変だったけど、その時、英雄セシルがこの魔の森で一年に一回訓練しに来ている事を知った。


来るのも、大体この時期だって言っていたけど、絶対じゃなかったから、ギルドに行ってすぐに会えるとは思ってもみなかった。


それどころか、闘えることも出来るとは…


精霊さんからは余り英雄と関わらない方がいいって言われたけど…


せっかく英雄クラスと闘える機会…その剣術、勉強させてもらおう♪


そう思いながら私は周りを見渡す。


今いる場所はギルドの訓練所だ。


今日は人払いをして、私たち以外居ない様にしたとギルド長ギャン(この人の事も1日で調べました)が言っていた。


今日はお父様に私の戦いを近くで見てもらえる絶好の機会!


いつもは、魔の森の訓練はお父様の危険になるという事で、見せる事が出来なかったけど…今日初めて見せることが出来る!♬


気合を入れなければ!そう思って私はセシルを見ると…目をつぶって精神統一をしている姿が見えた。


向こうもやる気満々の様だ。


「ルールは何でもあり、生死についてはお互いの差加減で、勝敗は死ぬか負けを認めるまで…」


「おい、フウやっぱりやめた方が…」


「大丈夫!お父さんはどっしり構えていて!!」


お父様が心配そうに言うのを聞いて、改めて気合を入れる!


そんな心配が無い事をこの戦いで見せないといけない!


はっきり言って、訓練の時は、お父様はずっと村の中に居て見せれなかったのだから…


私の始めての闘う姿…お父様に存分に見てもらいたい!


そう思うと、自然と気分が高鳴って来る♬


「よし、始め!!」


その掛け声と共にセシルが強化魔法を自身の身体にかけ、大剣?(ドラゴンに比べたら小さいけどなあ)を振って来た。


結構速い!


まあ…ディエティドラゴンよりでは無いが、人型である為、かなり複雑な動きをしてくる!!


剣術や、体術も精霊さんから教えてもらっていたが、その動きは、精霊さんに負けず劣らず、精錬されていた…


私は咄嗟に魔法で氷の剣を作り、その剣を魔力でコーティングし強度を上げ受け止める。


(…速!)


すぐに、2撃目、3撃目…どんどん斬撃が来る!!


はっきり言って、スピード、パワー共に、強化魔法を使っている精霊さん以上の力を持っている…


しかも、私自身、身体に強化魔法を使っていない今、強化魔法を使っているセシルと素の力は負けてしまっている…だけど…


(まだダメージを受ける程ではない!)


私はそう思って全てを受け流す!!ギリギリ何とか追いつけてる!!!


精霊さんに教えてもらった武術はほとんどが、相手の力を受け流す防御型…


しかも、相手のスキを付いて、受け流した力を使い、ダメージを与えるカウンター型‥‥


簡単に言えば、今闘っている、セシルが攻撃型とすれば、真逆の闘い方をしている。


(…そう言えば、何で、精霊さん魔法が主体のはずなのに、剣術や体術の技術も知っていたんだろう?)


謎だ…まあ、おかげで、今役に立っているから物凄く助かっているけど…


この武術のいい所は、相手と同レベルの技術さえ持っていれば、油断をしなければ、致命傷を受けない所だ…しかも、最低限の体力で…


…精霊さんから教えてもらったこの武術、相手の癖や打ち合うタイミング、そういったものが解れば、解る程、強さを発揮する…


簡単に言えば。相手が闘う時間をかければ、かける程、相手の隙や急所を狙えるという事だ…


だけど…それは、相手が時間を掛けて攻撃してくれればの話…敵はそんな事を待ってくれはしない…


現に今、相手はドンドン切り込んでくる!


私自身、今は強化魔法を使っていない…だが、相手は強化魔法を使っている…その差は大きい…


強化魔法を使えば、普段の5倍から10倍の身体能力が上がる…私の場合、それ以上の倍率で強くなるらしいが…それほど、強化魔法を使っている状態とそうで無いのは、違う。


その結果、全てにおいて、それこそ、反射神経のスピードすら、相手の方が上という状態に今陥っています。


その為、気づいたら相手が後ろに居た何て何度もあった。


だけど、私はすぐに気づいて対応して受け止める。


何度も、ひやりとする場面が続く…


しかも、恐らく、相手は本気を出していない…まだ、相手は余裕を持って動いているのが見て取れていた…


だけど…私が教えてもらった武術は…時間を掛ければ、掛ける程、相手の癖や隙を見つける事が出来る。


それは、スピードを上げても変わらない…いや、スピードを上げれば、それだけ、相手は、癖に気を回すことが出来なくなる。


この数合剣を打ち合ったが、それだけで、ある程度、癖を発見することが出来た。


精霊さんは…


『…お主…何でそんなに早く覚えられるんじゃ…?…この武術の創設者ですら、この武術は何十年…いや、それ以上の年月をかけて習得したと言うのに…』


と言っていたけど…これ、そんなに凄い事なのかなあ?


そうこうしている内に、何度も、剣で受けとめている内に段々と相手のスピードも慣れて来た。


(今の状態なら、相手が本気のスピードやパワーを出しても対応できるはず!!)


そう思いながら、剣を打ち合っていると…セシルがいきなり、止まった…


「…私の負けだ…」


そう言ってセシルは大剣をしまう…


って、えっ?


(…っへ?ちょっと待って!!?)


まだ貴方本気出してないでしょう!!?


確か英雄クラスって!スキルと呼ばれる!奥の手を持っているのが殆どだって精霊さんが言ってました!!


せめてそのスキルを出して!!これじゃあ、何の為に闘ったのか解らない!!


「待って!!まだ貴方本気出してないでしょう?」


お父様を守る為にも、英雄クラスの本気を打ち倒さないと私はお父様に…顔向けが出来ないの!!


「…だとしても、本気を出す理由も無いし、この場所で使ったら訓練所何て吹っ飛んでしまう」


…本気でやると周りに被害がいくのが嫌なの!!?だったら!!


私は、急いで訓練所を四方八方結界で覆った!!


これなら、大丈夫なはず!!


お父様にはこの結界より強い結界を三重にかけてかけているから、大丈夫のはず。(街に入って今までずっとつけています!!)


「結界を使って試合します。これなら、周りに被害が無いでしょう?」


そう挑発的に言ってみる!


だって、せっかく英雄クラスと闘えるのに、本気を出させないで終わらせるなんて…それじゃあ、私が闘った意味がない!


英雄クラスがどれ位の強さなのか知らないといけませんし…


訓練所が壊れるてしまうかどうかの心配もこの結界で大丈夫なはず!


問題は…ディエティドラゴンの時と同じ結界を使った為、私自身ほとんど魔法が使えなくなった点ですが…


「…これだけの魔法を使えばお主はもう他の魔法を使えないんじゃないか?」


…いや、確かにほとんど、使えないですが、全く使えないわけでは無いですよ…?


それに、この人も、魔法を強化魔法以外使ってこなかった様な?


「貴方だって、強化魔法以外魔法を使っていないじゃないですか?」


「俺は、強化魔法以外、魔法を覚えていない…だから、使える魔法はこれだけだ」


…強化系の魔法以外使えない…でしたら…


「…だったら、私は素手で相手します!」


そうだ!私は相手の得意分野で勝つと考えていたのだ!!


氷の剣も結局は魔法だ。


魔法を使わず、セシルに勝たなくては、この戦いに挑んだ意味がない!


「本気か…?」


「ええ!」


私がそう言うと、彼は大剣を振りかぶった。


「後悔するなよ!!!」


そう言って大剣を振り下ろした。


私は咄嗟に私自身の身体全体に強化魔法をかける。


精霊さんから教わった、体裁きを使い、何とか剣の矛先を変える!


だが、少し変えた所で剣に纏われている衝撃波が私を襲う!


ディエティドラゴンの咆哮を食らった時と同じ程の衝撃が私を襲う…


…強化魔法を最低限しかかけなかったとはいえ…少しダメージを受けてしまいました…うう…


セシルの剣術見切れると思ったから、最低限の強化魔法で対応したんだけど…


…やっぱり、体裁きだけじゃあ、ダメージを全部、吸収できなかった…


セシルの本気を出した剣術に私の体術の技術だけで、対応しようと思ったのが間違い…思ったより、衝撃が強かったです…


(さっきとは、比べられない程、身体能力が上がっていました…一応油断はしていなかったんだけど…ここまで、実力を隠していたなんて…びっくりしました)


最初から、このスピードだったら、私自身こんなにも油断をしなかったんですが、セシルがここまで力を隠していたとは…


(…本当は、ノーダメージで終わらせたかったけど、やっぱり無理だったかあ…)


お父様にかっこいい所を見せ続けたかったのに、油断をしてかっこ悪い所を見せてしまいました…


だけど、これから反撃です!!


そう思ってセシルの方を向きますと…何故かセシルは構えを解いていました。


そして…


「…完敗だ…」


そう言って、大剣セシルは私の後ろを向いて…そのまま出口へと歩き始めました。


(…って!ちょっと待って!!)


「まだ、終わってないけど?」


(これから、本当の勝負でしょ?お父様にもっと私のかっこいい所を見せないといけないんだから!!)


「…奥の手を防がれてこれ以上闘えねえよ、もし闘い続けたとしてもこのままじゃあどちらか死ぬしな…」


そう言ってセシルは訓練所から出て行ってしまいました…


私はそのまま呆然とボー立ちをしていました。


(ええ、結局英雄クラスの実力解らなかったの…)


…はっきり言って、あの攻撃をずっとされてたら私もどうなってたか解らなかった…


最初に本気を出していないとは解ってはいたけど、あれだけの実力を隠し持っていたとは…


もし、それに加えて、精霊さんが言っていたスキルを使われていたら、私自身勝てるかどうかわからなかった…


スキル別名奥義とも呼ばれる力…それを英雄クラスの冒険者が持っていると精霊さんは言っていた。


奥義って言うからには、本当に途轍もないもので、ディエティドラゴンも一撃で倒せる様な攻撃なんだろうけど、そんな技は一度も打ってこなかったの?


(うーん?やっぱり、結界を張ったとはいえ、訓練場…もとい、街の中ではスキルを使いたくなかったのでしょうか?)


私が悩んでいると…ギルド長が私とお父様の方にやってきました。


「悪かったな、付き合ってもらって、ほれ!!約束のお金と後、これは新しいギルド証だ」


そう言って、ギルド長が、お金が入った袋とギルド会員証をお父様に渡してきました。


「…このギルド会員証Aクラスって書いてますけど…」


(あっ!お父様Aクラスになったんですか?!)


昇級試験も兼ねていると言っていたけど、Fランクから一気にAランクに上がるとはさすがお父様です♪


「そりゃそうだろう、最高クラスのSSクラスに勝ったんだ。本来ならそのクラスに上げなきゃいけないんだが、ギルド長権限でもこれが精一杯だ、勘弁してくれ…」


(うん!うん!!ギルド長は解っています!!)


私が心の中でギルド長に称賛していると…


「それをもらうなら、フウが貰った方が…」


とお父様がギルド長に対しAランクのギルドカードを私が貰う様に言おうとしてきました。


(何を言っていますか、お父様は!お父様あっての私なんですから、私の実力の評価はお父様の評価です!)


お父様の評価が上がる事、そっちの方が私にとっては嬉しい事!いくら私の評価が高くなろうと、お父様の評価が低いままだったら、私はその方が許せません!!


「ちなみに、フウは、ギルドの登録できる年齢になるまではギルド証が発行できん!実力は申し分はないが、本当に1歳ならギルドの条約上渡すことができない…出来ない」


(うん!ギルド長はよく分かっています♬)


そう、私がここまで強くなったのはお父様の為なのです、だから、私の評価=お父様の評価は等しいです♪


それに、お父様がどんな相手と闘う事になっても、その前にその相手を代わりに全て私が倒します♪


だから、お父様の実力=私の実力と言っても過言では無いですので、お父様がAランクになるのはなにも可笑しくありません♬


だから、私はお父様に言いました。


「構いませんよ♪私なんかより、お父様のランクが上がる方が私にとっても嬉しい事です♪」


と…心の底からそう言いました。


ああ…今日は本当についている日みたいです♪


英雄クラスに曲がりなりにも勝つ所をお父様に見せることができ…


英雄クラスに勝つ事でお父様に私をあげられる自信も手に入れてました♪


まあ、全力を出してくれたかどうかは解りませんが、それでも、


加えて、お父様のギルドの評価も上げられることもできるなんて♪


そう!お父様は私にとって絶対無欠な存在なんだ…


お父様が居るから、私が居る…お父様が居なければ、私の存在なんて意味がない…


だから、私の評価が上がることなんかより、お父様の評価が上がっていただく方が私にとって幸せなの♪


「…そう言ってもらえると助かる…それではな…」


そう言ってギルド長が訓練所を出て行った。


…?そういえば、1週間前は金貨100枚ですごく喜んでいたお父様ですが…今回白金貨20枚も貰ったのに、ものすごく静かですけど…どうしたのでしょうか?


…お父様?何だか、目の焦点あっていませんが、大丈夫ですか?


お父様!!!!

フウのお父様呼びは心の中だけです。まだ…

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