勇者の過去
続き・・・やっと書けた・・・
生まれた時から、神の声、ラーフの声を聞こえていた・・・
それこそ、生まれた時から一緒だった為、俺にとっては家族の一員でもあった・・・
友達でもあり、親でもあり、友人でもあった・・・
夢の中だけしか会えなかった為、両親に紹介できなかったが、それでも俺にとっては大事な人であった・・・
そんなある日、ラーフがある事を言って来た
『カール、貴方に話しておきたい事があります・・・』
「なあに、ラーフ?」
『貴方には勇者としての力が宿っています・・・』
「勇者・・・・宿る?」
幼い俺は、勇者という言葉は解ったが、宿ると言う言葉が解らず、首を傾げる。
『簡単に言えば、貴方は勇者なのです・・・』
「えっ俺!勇者なの!!?」
『・・・ええ・・・そうです』
「本当!!」
ラーフのその言葉に俺は狂喜乱舞した・・・
物語に出てくる憧れの勇者!
それが俺がなれると聞いて俺は素直に喜んだ・・・
『だからこそ・・・カール聞いて・・・』
だから、幼い俺はラーフの後半の言葉を聞き流してしまったんだ・・・
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「なあ、俺!勇者なんだ!!」
次の日、俺は村全員にそう言って廻った、恐らく大人達は子供の戯言だと思って真剣に聞いていなかったのだろう・・・
だが俺はそんな事を気にせず、言い続けてた。
俺の村は小さかった為、すぐに全員に言い終えたが、俺は次の日も又次の日も同じように言い続けた・・・
それだけ俺は嬉しかったんだ・・・物語の主人公の勇者、それに俺がなれる事を素直に喜んだ・・・
・・・そして、運命の日・・・
家の中で両親とのんびり過ごしていると、外がいきなり騒がしくなった。
両親とどうしたんだろうか?と呑気に話していると・・・
家のドアがノックされた・・・
父さんがドアを開けるとそこには、神父服を着た男の人が居た。
「いきなりの訪問申し訳が無い、私、ラーフ様を信仰するラーフ教の信者ジュナルと申します」
そう言うと神父は深々と頭を下げた。
俺達はいきなりの神父の訪問に目を白黒させているとジュナルと言った神父が更に話し始めた。
「この度は、教会の神託で、ある人物を探す様に言われ、この村にやって来たのですが、カールと言う少年はおりますか?」
その言葉に両親は俺の方を向いた・・・その瞬間、神父の目が鋭いものになった・・・
ちなみに、俺はというと、今まで会った事が無い種類の人間に会って硬直していた・・・
村の中の人間でこんなに礼儀正しい人なんていないだろうし、する必要性何て皆無だから、俺は初めての種類の人間にはっきり言って、気後れしていた・・・だが・・・
「そうか・・・この者が・・・」
目の前の神父さんにはそんな俺の心情は伝わらなかった・・・
「申し訳ないが、私と一緒に村の外に停めてあるある馬車に来てくれないか?」
そう言って、グイグイ俺の所に来る神父・・・
(えっ本当に何?)
俺が心の中で混乱していると・・・
「申し訳ない神父様、息子が怯えております・・・」
と父さん・・・
(父さんナイス!!!)
俺が心の中で称賛を送っていると・・・
「むっ・・・申し訳ない・・・気が焦っていたようですな・・・」
そう言いながら、頭を掻く神父、少し離れてくれて、俺は安堵する・・・
「申し訳ありませんが、神父様、息子を何故探しておられていたのですか?こう言っては何ですが、この子カールは、ただの普通の村の子供・・・私達普通の村人の普通の子供なんです・・・それが何故・・?」
その言葉に俺は少しむくれる・・・何だい俺は・・・ラーフに認められた・・・ゆう・・・
「・・・貴方達、両親には残酷な言葉になるかも知れませんが・・・彼は、勇者の可能性があります・・・」
その言葉に俺は固まる・・・勇者・・・?この人・・・俺の事を勇者って言った?
俺は暫くの間目を白黒させていたが、やがて子供の俺でも少しだけ状況が解って来た・・・
この人は勇者である俺を向かいに来てくれたんだ!!そう解った瞬間俺は嬉しくなって喜びそうになった瞬間・・・
「そんな事あり得ない!!」
父さんがいきなり叫び出した・・・
「なっ何を言っているのか解ってるんですか?!!この子は私達の息子・・・!!ただの村人である私達の息子なんですよ!!」
父さんが今にも泣き出しそうな顔をしながら叫び始める・・・えっ何でそんな顔をするの?!
「私達でさえ!動物の狩り以外に生物と闘った経験が無いんですよ!!それに!!まだ子供だからその狩りの仕方すら教えていない!!・・・・それなのに・・・」
父さんの言葉が詰まる・・・母さんも目を見開いていた・・・何で・・・そんなつらそうな顔をするの?
俺勇者なんだよ!!物語に出てくる憧れの勇者なんだよ?!何で・・・今まで俺が言っても信じてくれなかったのに・・・
神父さんが言ってくれて・・・両親も信じてくれそうになったのに・・・今度はどうして・・・
「・・・・・・カールよ・・・1つ聞きたい・・・」
神父さんが俺の事をまた見て来た・・・えっ何?まだ慣れていないんだから・・・あんまり近寄らないで!!
「お前は勇者になりたいか・・・?」
「うんなりたい!!」
俺は反射的に答えた!だって、物語の勇者何て、なれるのならなってみたいと子供なら誰だって考える事だろう?
「お前・・・・」
その俺の言葉に、絶句する両親・・・俺はその意味を全く理解していなかった・・・
勇者になると言う意味がどれ程重いのか・・・
その時の俺は何も知らなかったのだから・・・
シリアス・・・まだ続くの・・・?