別世界のフウ 望み
誰か・・・シリアスを書ける文章能力を・・・・ガフ・・・・
精霊さんを失ってから私は、世界中で暴れに暴れた・・・・
人々から、力をスキルを奪い・・・更に命を奪っていった・・・
ちなみに、勇者と聖女・・・人間達にとって、特別な力を持つ彼らは、同じ人間達によって殺されていた・・・殺した命を発した王に理由を聞いてみたら・・・・
「つ・・・強すぎる・・力は・・・我の・・・は・・・覇道に・・・邪魔になる・・・我以外の・・・い・・・生きとし・・・い・・・生ける者は・・・道具に・・・す・・・過ぎないのだ・・・好きに使って・・・な・・・何が悪い!」
と震えながら言って来たので、木端微塵に殺しておいた・・・ちなみに、精霊さんを捕まえる様に、指示を出したのも、この王だったようだが、勇者や聖女を暗殺を企てたのは、他の国の王も同じらしく・・・
どちらにせよ、この王がやらなくても、結果は同じだったのであろう・・・本当にくだらない・・・
私は、人間を滅ぼした後・・・他の種の者も全員殺していった・・・何でって・・・?
人間から奪ったスキルの中に、未来を予知する力もあって、それを見て、確認したら、どちらにしても、人間じゃなくとも、別種同士で争いになる未来が見えた為、殺したのだ・・・
スキルによる、未来は絶対では無いのだが、これだけ荒れ果ててしまった世界で、そうならない可能性は限りなく0に近い・・・まあ、こんな世界にしたのは、私自身の所為なのだが・・・
それから、私は、この世界の生きとし、生ける者を殺していった・・・
そうして、気づいたら、周りに生きる者はだれ一人・・・いや、虫、一匹すら居なくなっていた・・・
私は、奪ったスキルを成長させ、世界の因果等に干渉し・・・私が居た世界の消滅を計った・・・
もう、この世界に居ても、何も意味がない・・・精霊さんも妖精、精霊達も生き返らない・・・そう考えて・・・半ばやけっぱちに世界を消滅させた・・・・これで、安らかに眠れる・・・その時はそう考えていた・・・・
だが、世界を消滅させても、私は生きていた・・・スキルで場所を調べてみたら、ここは、神界と言う、神様が住んで居る世界だという事が解った・・・・
・・・神が居るのなら、何で、精霊さんを助けてくれなかったの?・・・そんな疑問が湧いてくる・・・何で・・・精霊さんは死ななくちゃいけなかったの・・・?
そんな事を考えていると、目の前に神らしき人物が現れた・・・
「なっ!?何でここに!現界の身体を持つ者が!!」
何だか、驚いていたようだが、関係無い!私はその隙をついて、攻撃をした・・・!
精霊さんを助けてくれなかった、神、何ていらないとそう考えたからだ・・・
だが・・・・
「舐めるな!!」
私は返り討ちにあってしまった・・・当り前だ・・・現界に住む者、神界に住む者、力の差は文字通り、次元が違った・・・
私は慌てて、別世界の現界へ逃げた・・・いつか、また、神界の外で、見るだけで、何もしなかった、神に対し、復讐をする為に・・・
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別世界に行っても、私はやる事は変わらなかった、人間達の力を奪い、文明を破壊し、最後には、世界を滅ぼす・・・そうして、力を・・・スキルを奪って行けば、いつか、神の領域まで、強くなれる・・そう信じて、私は、世界を壊していった・・・
・・・そんな事をしても、何も意味が無いのに・・・・
・・・私はある時、ふと疲れて横になると・・・夢を見た・・・
夢の中の私は、精霊さんと出会うことなく、そのまま、一人で過ごし・・・そして、その寂しさから、世界全てを滅ぼした・・・・
そして、世界を滅ぼし終わった瞬間、私は目を覚ました・・・
何だ・・?今の私は、身体が変質して、眠る必要性が無い身体になっているはず・・・なのに、何で夢を見た・・・?
私は疑問に思いながらも、今日も、力を奪いながら、世界を滅ぼしていった・・・・
私はまた、夢を見た・・・
今度の私は、精霊さんに育てられた・・・・だが、この私は、旅に出たいと言って精霊さんに頼み込んだ・・・
最初は難色を示していた精霊さんだが、最後には私の願いに折れ、旅に出る許可を出した・・・
だが、それは間違いであったと、後になって夢の私は知る事になる・・・
・・・人間に騙され・・・罠に陥れられ、犯罪者にさせられてしまった・・・私は失意の内に、精霊さんの所に戻ると・・・精霊さんの村が、全て、焼け野原になっていた・・・・
後は、私と大体同じ・・・違うのは、精霊さんの死に際に立ち会えなかった・・・その一点・・・そして、私はまた目を覚ます・・・
私はその後、色々な夢を見た・・・人間と仲良くなる私・・・裏切られる私・・・好きな者が出来る私・・・好きな者が死ぬのを見る私・・・人間に魔物を倒して守る私・・・・化け物だと迫害される私・・・
人間と結婚する夢も見た・・・だが、最後は、裏切られるか・・・愛した人を同じ人間に殺されるかで・・・対して今までの悪夢と変わりがなかった・・・
本当に、様々な夢を見た・・・だが、最後の結末は全て、私が世界を滅ぼすか、私自身が死ぬか・・・その最後を見て、私は目を覚ます・・・
幸せになった、私はたった一度さえ夢の中ですら見ることが出来なかった・・・・
何で・・・・せめて、夢の中だけでも、夢の中の私だけでも、幸せにしてあげてよ・・・何で・・・?それを望むのも贅沢なの・・・?どうして・・・?
私は夢から覚めるたびに、涙を流す・・・それから、数十、数百、数千、数万・・・同じような夢を見た・・・もはや、夢を見ても、涙を流さなくなってきたときに・・・あの人に出会った・・・・
その夢の始まりは特殊だった・・・いつもは、私視点でしか、夢の世界を認識できないのに、その日は、人間の様子を上空から見渡している夢から始まった・・・
スキルで確認すると、私はまだ生まれていないらしい・・・夢でスキルが使える何て、おかしな話だが、もう慣れた・・・
そして、今、上空から見える、人間なのだが、どう見ても弱そうであった・・・加えて、その人間の周りには、魔物がうようよしていて、どう考えても、すぐに死んでしまう・・・そう思った・・・
だから、私は、そのまま、この夢の私を探そうとして、ふと動きを止めた・・・・
この人間をこの世界の私に会わせてみたらどう反応するのだろう・・・
普通なら考えない考え・・・第一、人間には嫌と言う程、騙され、苦しませられてきた・・・今更、赤ん坊の私に会わせたところで、怯えて逃げられるか、脅威を感じて殺そうとするか・・・
そんな事にしかならない・・・そう分かっているのに、その考え・・・赤ん坊の私と人間を会わせてみたい気持ちが頭から離れない・・・
それは、今まで、育ててくれたのが、精霊さんだけだから・・・別の人が育てたらどうなるのか、という知的好奇心からだった・・・・
精霊さんは、後で分かったのだが、私を生んでくれた、母親だったらしい・・・だから、私の事を精一杯頑張って育ててくれた・・・それは、夢の中で精霊さんに会った時もそうであった・・・
偶に、精霊さんが逃げ出したり、死んでいたり、そもそも会えなかった時もあったが、ほとんどが、私の味方であり続けた・・・
だけど・・その精霊さんでも、私の力をずっと怯えながら接していた・・・・それは、当り前だ、赤ん坊の時の私は、魔力暴走で、周りに被害を及ぼす可能性があったのだ・・・怯えない方がおかしい・・・
・・・現に夢の中の私が精霊さんを殺してしまった夢もあった・・・・
・・・それに、私自身に接していた精霊さんも、怯えながら、私と一緒に居た・・・・
・・・殆どの人が、私の力を見ると、当り前の様に怯えるのだ・・・
だからだろうか、違う人を赤ん坊である私に会わせてみたら、別の反応が返ってくるのではないか・・・?
力を見せる前・・・力を感知できない程、弱い力の人間なら・・・もしかしたら・・・
そんな淡い希望を持って、人間の因果律をスキルで操ってみた・・・まあ、恐らく、こんな事をしても無駄だとは思うが・・・
だが、それでも願わずにはいられなかった・・・私が生まれるのは、スキルで調べた所、これから、1週間後、それまで彼には生きていてもらわなければ・・・・
そうして、私は一週間、彼が死なない様に、運命を操った・・・
何で彼に固執したのか今でも解らない・・・ただ私は・・・何かにすがりたかっただけなのかもしれない、今までと違う始まり方の夢で、その中で、初めて目をした彼なら、何か変えてくれるのでは・・・?
そんな淡い期待を持ちながら、彼を見守り続けた・・・
そして、運命の日、彼は、赤ん坊の私と対面をした・・・
だが、彼は、私の近くに来た時、周りに死んでいる、魔物達に怯え始めた・・・私が、無意識に魔力や生命力を奪って殺してしまったのだろう・・・
(・・・魔物に怯えるのなら、それを殺した、私なんて、恐怖で近づきもしないに違いない・・・)
そう私は結論付けて、溜息を付く・・・本当に、何で、こんな人間に期待を寄せたのだろう・・・こうなる事は、目に見えていたのに・・・
だが、その考えは、目の前で、覆された・・・・
何と、さっきの人間が、おっかなびっくりだが、私に近づいていく・・・私はそれを、信じられない様な目で見ていた・・・・
何で・・・どうして・・・?怖くないの・・・?私の魔力暴走で死ぬかもしれないんだよ・・・?そんな様々な思いが頭の中で掛け捲る・・・そして・・・彼は・・・私を抱きかかえた・・・・
そして、さっさと、そこから立ち去って行った・・・私を抱きながら・・・・
私はその光景をただただ、信じられないと言う思いで・・・後ろから見ていた・・・
それから先の事も、驚きの連続であった・・・どういった経緯かは解らないが、女性になった彼女は、人間にフウと名付けられたのだが、その驚くべき事とは、強さだ・・・・!
始めに、驚いた事は、精霊さんに魔法を教えてもらったのだが、その習得スピードが速すぎた・・・気づいた時には、もう、精霊さんの魔法レベルを優に超えていた・・・・
次に、ディエティドラゴン・・・このドラゴンは神の使いと人間達に呼ばれ、その強さも、現界の中で最強である・・・
私自身も、世界中のスキル、魔力、生命力をかき集めて、闘い・・・何とか倒したドラゴンなのだが・・・
何とフウは1年でそれを成し遂げてしまった・・・・
その後も、驚きの連続だ・・・人間達の思惑すらも、全てはねのけ・・・ただ、ただ、ただ一人の人間の為に従事する彼女は・・・誰よりも強く・・・誰よりも迷いが無かった・・・
一度、人間の王の記憶を覗いた時に、精神が壊れかけた時があったが、それを、人間が・・・・フウがお父様と慕う者が直して見せた・・・
・・・その後、その夢の世界に魔界から魔王軍の進攻があった・・・
しかも、その時の魔王は、今まで出会った事もない程、強い魔力を発していた・・・今まで、夢の中で魔王と闘った事は何度もあった・・・だが、今回は、それすら遥かに上回る程の強さを持っていた・・・・しかも、100万の兵士をつれての進攻・・・どう考えても勝ち目がなかった・・・
今回の、私も、死ぬ・・・そう、覚悟していたのだが、彼女の強さはその上をいった・・・何と、魔王と100万の軍勢相手に、真向で戦い抜き、追い返して見せたのだ・・・
私は、その光景を見て、ただただ、驚いていた・・・・
しかも、その後、魔界にフウはお父様と一緒に向かい・・・その強い魔王を倒してみせた・・・
その闘いの最中魔神ドーラという、今まで、夢の中ですら、相対すらしなかった、神が魔王の身体を媒体に復活を果たしたのだが、それすらも、彼女は倒した・・・
あり得ない・・・その言葉が頭をよぎる・・・だって、彼女が魔王を・・・いや、魔神ドーラと呼ばれる、神を倒したのが、生まれてたった2年という事実に私は驚愕したのだ・・・
神と闘う・・・それを成し遂げる為に、今私は世界を滅ぼし、力を溜めている・・・それは、長い年月をかけて行っている事なのだが・・・
それを、彼女は、2年という、月日でやり遂げたのだ・・・
例え、本物の魔神ドーラでは無く、紛いものの神だったとしても、本来勝てる相手では無かったはず・・・それに勝ってしまった・・・
恐らく、彼女は、これから、末永く、お父様とずっと過ごしていくだろう・・・例えどんな障害があっても、彼女は、お父様の為に鍛えた力でそれを守り抜く・・・・
そう判断した瞬間、私は目を覚ました・・・その日の夢の目覚めは、初めて気持ちのいいものであった・・・
駄目だ・・・シリアスを書くと、手が震える・・・まじで・・・・