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奴隷が欲しいので赤ん坊を育てた  作者: ・・・・
出会い
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出発

文章分散させます

「お父さん見て見てーーーーーー!!!」


フウの言葉を聞き、現実に戻る俺…えっと、なんだっけ?ああ…そうだ…フウが5mの熊の魔物を見せてきたんだっけ?


…フウの容姿は身長100mの子供だ…。髪の色は黒く、目は赤いこと以外普通の子供だ…


まあ、目が赤いのは少し気になるが、俺がまだ会った事がない種族がいるのだろう、気にすることではない…


問題は…どう見ても、こんな馬鹿でかい魔物を狩れるようには見えないフウが、実際にそんな大型の魔物狩っているという事実だ!!


体格差5倍だぞ!5倍!!俺なら見た瞬間に逃げるぞ!!!


やっぱり、魔法が使えるのが大きいのか!!?そうじゃなきゃ、体格差5倍で勝てる訳が無い!!!


まあ、仮に俺自身、魔法を使えたとしても、この魔物に…勝てる気がしないが…


本当にフウは普段どんな狩りをしているのやら…


実際にフウ狩りの様子を一度も見たことが無い所為で、フウの狩りがどの様に行われるか全く解らない…


えっ、なぜフウの狩りを見たことが無いのかって?


精霊さんに村の外に出る外出許可をもらえていないからだよ!!


だって!いまだに、普通の魔法すら満足にできないんだ仕方ないだろう!!


はっきり言って嘘みたいな話だが…1年前まで、赤ん坊だったフウ…


そのはずなのに、その1年で俺が一生をかけても狩れない程巨大な魔物を狩っている事実…


フウでは無く、精霊さんが狩ってきていると言った方がまだ信憑性がある…


だけど…精霊さんが言っているんだよなあ…『フウがこの魔物達を狩っている』って…


精霊は嘘を嫌う…


理由は精霊は邪悪な心が嫌う為、嘘を付く人間を嫌っているとおとぎ話の本に書いてあった。


実際、俺が邪な考えをすると、精霊さんは嫌そうな顔をする。


その為、精霊が嘘を付くことは殆ど無いと伝えられている。


まあ、だからと言って、絶対、嘘をつかないというわけではないだろうが…


精霊さんが自分で狩った魔物をフウが狩ったと言う嘘を付く理由も無い…


そうなると、必然的にフウが1人で本当に狩ってきたのだろう。


…第一、村に居る間も俺自身使えない様な強力な魔法をドンドン使っているしなフウの奴…


今だって、大型の熊の魔物を魔法で浮かしている…


それに、大型の魔物を狩って来たのはこれが一度目ではないしなあ…


ちょっと目を離すとフウは、ドラゴンすら狩って村に戻ってくる…


いや…熊の魔物を狩ってくる頻度より、フウの場合ドラゴンを狩ってくる方が多かったような…


というより、フウが最近狩ってくるのってほとんどドラゴンだったよな…


そして、思い出す色とりどりのドラゴン達…一体だけでは無く、10体単位で狩られてくるドラゴン達…しかも、それが最近ではほぼ毎日…


なあ…俺…満足に魔法すら使えず、精霊さんには、ゴブリンする倒せるのか怪しいと言われているんだが…本当にフウの親って名乗っていいのか?


そんな事を考えていると…


「よし!ハンデを付けてもこれだけ狩れるのなら、これならムウを連れて森の外に行っても大丈夫だろう!!」


(精霊さんハンデって何ですか?!俺もうわかんない!!いや!!今までもわからなかったけどさあ!!)


俺が全力を出した所で、絶対に倒せない魔物…それをフウはハンデを付けて倒したと精霊さんが言っている…現実…


(どんなハンデ使ったの!!いや言わなくていいわ!!絶対聞きたくない!!)


そんな葛藤をしていると…フウは、5mのあろうかという熊の魔物の死体を一瞬で消した。


多分魔法で死体をしまったのだろう…


そうです。この子、魔法で、どんな大きなものでも、自由にしまったり、取り出すことが出来ます!


本当に一瞬で…目を離した隙に…


…本当に何だこれ?最早驚きもしなくなったぞ…最近は…


「本当!!お父さん!!!街に行けるよ!!」


精霊さんの森の外に行っていいという言葉に喜ぶフウ…


うんそうだね…街に行ける…精霊さんとフウがそう言っている…


だけど、どうしても俺は実感がわかなかった…


だって、フウ…お父さん本当に何もしてなかったと思うよ…


…1年間頑張ったけど、何とか魔法を飛ばすことはできたけど、結局フウみたいに、精霊さんが作ってくれた的すら一度も壊せなかったよ…


「何じゃお主、喜ばないのか?」


俺が落ち込んでいると、精霊さんがそんなことを言ってくる…


(嬉しいか嬉しくないかと言ったら嬉しいさ……………だけどさあ…)


確かに、村に戻れると聞いて、嬉しいと言う感情もある…というよりもその感情の方が強い…だけど…


「素直に喜べるかーーーーーーーーーー!!!」


俺は、今までのうっ憤が爆発して叫んだ。そうだよ!!素直に喜べるか!!


1年間俺だって頑張ったさ!!魔法の才能がないっと言われたが!それでも諦めずに魔法の練習を毎日続けたんだ!!だけど…結局俺が出来た事って…


「何だよ!!!結局俺が一年間で出来た事って火の玉、水の玉飛ばせる事が出来ただけじゃねえか!!」


そう、フウが様々な偉業を果たしていた最中…俺が出来たことは火の玉、水の玉を飛ばせるようになった事だけなのだ…


本当にようやくそれが出来る様になったのだ…


それなのに…結局、精霊さんに認められたのはフウだけ…この森の外に出ていいと言われたのも、フウが強くなったからだ…


…俺が努力した意味って…


「そうは言うがな…だったらお主一人で、一年間の修行で飛ばせられたか?」


「それは…」


俺はそう言われて、口をふさぐ…


今まで俺は自己流で魔法を使ってきた。


というよりも、師が付かなくとも、村で魔法を使っている人は結構いた。


しかも、大抵は俺より魔法がうまいだらけ…と言うより魔法を使える人の中で一番弱かったのだ…


しかも、魔力が弱く、強い魔法を使えない人は体を鍛えてたりしたが、俺は筋肉が付きにくい体だったらしく、身体を鍛えてもあまり効果が無かった。


はっきり言って、俺は冒険者になるにはあまりにも非力過ぎた。


しかも、魔法の才能でさえ、薪に火を付ける為の小柄な火を出せるようになったのだって3年かかり、飲み水用の水を出せるようになったのも3年…計6年の年月が掛かっている。


それを考えれば1年で威力は低いが、火の玉、水の玉を飛ばせるようになっただけでも上出来だろう。


フウがこんなに成長しなければ、本当に素直に喜ぶことが出来た…


(なあ、今更なんだけど…フウの旅出に俺、要らなくね?というよりも、すぐに邪魔になりそうなんだけど…)


…ドラゴンを倒せるフウに、ゴブリンする倒せるか怪しい俺が着いていくのって…余りにも場違いすぎる気が…


「…お主が今考えている事はその顔を見れば大体解る、だが、お主はこの子の親なのじゃ、その辺は自覚してほしい…」


「無理だって、俺、最近誕生日来たけど、まだ16だよ、お父さんになるなんて経験値不足だよ…」


俺が、自信なさげにそういう‥‥いや、本当に、何で俺、フウの父親の立場になったんだろう…絶対可笑しいだろう…


「…はあ、お主は…」


精霊さんがため息をつくと、フウが俺の袖を引っ張ってきた。


「お父さん、フウのお父さん辞めちゃうの?」


そう言って俺の事を覗き込んでくるフウ。


いつもはこの目を見てしまうと、罪悪感でなあなあにしてしまうが、今日はそうはいかない、というより街に行く前にこれは確認しておかなくてはいけない。


…俺は意を決してフウに尋ねる。


「なあ、街に着いたら、別れるか?」


そう俺は言った…


「えっ?」


驚くフウ、恐らくいつもの様になあなあで終わらそうとしたのだろうが、今回ばかりはそうはいかない…


だって、これからの生活が懸かっているのだから…


俺の…そして、なんといってもフウ自身の…


「だって、今のお前ならもう大丈夫だろう、知ってるぞ、お前もうすでにこれから行く街について勉強で教えてもらってるんだろ?」


そう、このフウ多分まだ1歳(本当に1歳だよな?!)のはずなのに、もうすでに精霊さんの授業で人間社会について学んでいる。


何でも、精霊さんは前に人間と契約していたらしく、人間社会についてかなりの事を知っていた。


冒険者の知識から始まり、貴族、はたまた王族についても教えていたらしい。


対して俺はそんな勉強についていけず、授業はほとんど寝ていたのだが…。


はっきり言ってフウと俺でそう言った知識の面に対しても負けているのだ…


これだと、俺が保護者では無く、どちらかと言うと介護される側である。


まあ、森だけは抜けたいから、そこまでは、フウに護衛をお願いするけど、街に着いたら俺はいない方がフウにとってもいいだろう、というかフウの生活に邪魔だろうがどう考えても!!俺‼


このままいくと…というより、俺と同じ冒険者にフウがなるとしたら、どう考えても、フウだけが活躍して、俺が足を引っ張る未来しか見えない…


確かに俺は奴隷によるハーレムを目指していたが、もし、一緒に依頼を受けるんだとしたら、これじゃあ、完全におんぶにだっこ…


というより、俺が冒険者で資金を稼いでいるのって奴隷を買う為の費用を作るためだろうが‼


もし、一緒に依頼を受けてたとして、依頼料をもらったとしても、そんな、赤ん坊に稼がせたお金で奴隷なんて買えるか!!


フウを奴隷にする教育はどうしったって?


精霊さんに教育を任せた時点で出来る訳ないだろ!


はっきり言って、奴隷制度は悪っていう教育を精霊さんは徹底的に行っていたからな…


今からフウに奴隷にする為の教育をしたとしても、ただ嫌われるだけだ…


はは…今考えると酷い作戦だよな…赤ん坊のころに奴隷教育を行おう作戦…いや本当にひどいなこれ…


…フウ…もうお父さん劣等感で死にそうなんだよ…


まあ、村に居た時でも序列下の下だったけどな、はは…


そんな事を考えていると…


「やだ……」


フウが一言呟いた。


(フウ?)


そして、次の瞬間、フウがなぜか光り出した。


(って、へっ?何で光って?)


というより、何だか、周りがすごい風が吹き出しているし…いったい何が起きて…


「やだーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」


すげー突風が精霊の町を襲った。


(何だこれ?!何だこれ?!!)


やべーって、これやべーって!!


「ああもう!!」


俺は咄嗟に抱き寄せる。ものすごい突風が村の中で吹いてるはずなのに何故か俺にはその突風が当たらない、どちらかというと風が俺の周りだけ避けているようだ…


(何故だ?)


まあ、おかげでフウの近くまで行けたけど…


「落ち着け!!」


俺が慌てて、フウを抱きしめると、突風が止んだ…やっぱりこれ、フウが出したのか…まあ、今更か…


そんなことを考えていると…


「ぐず…お父さんいなくならない?」


そういって、涙声で俺に問いかけてくるフウ…


「…はあ、何で俺なんかに構う」


そうだぞ、多分お前と一緒に居たら多分俺ヒモになるぞ、しかもとびっきりの…


それどころか、お前の金で奴隷すら買うかも知れんぞ。


完全にクズ人間だよな俺。


「お父さんだから…」


たく…理由になっていないぞ、それじゃあ…


「はあ、まあいいや解った暫く一緒にいるよ・・・」


…考えてみたらこいつはまだ赤ん坊なんだよな。


そう考えると、まだ甘えたり無いだろうしなあ。


…甘えたり無い子供が、ドラゴンとか狩ってくるもんなのだろうか?


そんな事を考えていると・・・


「…話は纏まったか…ふう…ひやひやさせおって、もう少し遅かったらこの町無くなっておったぞ…」


何それ怖い。


「いや、精霊さんの魔法で何とかなったんじゃないか?」


お前フウの先生だろ。


「なるかーーー!!!!こやつの強さはもう既に上から数えた方が速いくらい強くなっとるわ!!」


はっはっは、精霊さんも可笑しなこというな!まだフウ一歳だぞ!


「冗談だよな…?」


頼む冗談だって言ってくれ!!


「…残念ながら本当じゃ、昔の英雄と呼ばれた者達と差しで戦えるぞ!」


…はあ?何でそんなに強くなってるの?


「仕方ないだろう!!お主が思ったより強くならなかったんじゃ!!!」


ぐさ!


「普通ならゴブリン位簡単に倒せる位強くなっているはずが、倒せる事すら微妙…」


ぐさ!ぐさ!!


「逃げ足がうまくても一撃で殺されるお主を守るとしたらこの位強くしなくてはいけなかったんじゃ!!!」


ぐさ!ぐさ!!ぐさ!!!


そんなに言わなくてもいいじゃないか!??俺だって一年間努力したんだぞ!!


「だが安心せい、フウはもう既に英雄クラス以外ならお主がおっても倒せる」


ちょっと待て!英雄クラスって勇者と肩を並べる冒険者だよな…それ以外なら倒せるって…どんだけ強くなったんだよフウ…


だったら猶更…


「だったら、俺いらないんじゃ…」


「あの子が何故ここまで頑張ったのか解らないのか!!!」


そんなの解るわけがな…


「お父さん…」


フウが俺の手を握ってくる。


「はあ…これは言うつもりは無かったのじゃが、お主と同じこと私も言ったのだ、もうお主は既に独り立ちできると…」


何でも精霊さんはフウに4カ月前にこう言っていたらしい。


お主の力は既に一人だけで闘うだけなら殆どの者には負けないと…


その言葉にフウは


「それで、お父さんは守れますか」


と言ってきたらしい。


精霊さんは嘘を言ってもしょうがないと思い、本当の事を伝えた。


今のままじゃ、ある一定の水準までなら守れるが相手のレベルがギルドで言う上級以上だとムウを…俺を守り切れるか、解らないと…そう言うと


「解りました。絶対に守れるまで強くしてください」


そう、はっきり言ってきたらしい…


俺は手を握っているフウを見る、フウは俺の顔をじっと見ている。


なでなでしてみると、嬉しそうに笑う。


こうしてみるとただの子供にしか見えない。


実年齢は赤ん坊のはずだけど…本気でそんなこと言ったのか?


「信じる信じないは貴方の勝手だ、ただ、この子の思いの原動力…と制御は貴方が中心になっているのを忘れないでくれ」


ここまで頑張ってこれた思いの原動力…そして、制御が…俺に…


(…って!?へっ制御?!!)


「この子の暴走だけど、何も今日だけじゃないのは解っているだろう、まあ、その時は、大体私が貴方に悪口をいった時なんだがな…」


…確かにそうだ、偶にフウがおかしくなりそうになったのを俺は覚えている。


そういった時は大体頭をなでたり、抱っこしたり、手を繋いだりすると、元に戻っていたから気にしてなかったけど…あれって暴走になりそうだったの??!


「…とにかくこの子の暴走はあなた次第だ…」


「大げさな…」


多分、思春期になればすぐに離れるようになるだろう、それまで…


いやちょっと待て逆に言えば思春期になるまでは離れないという事だよな…


それまで奴隷ハーレムお預け…ってそんなの嫌だ!絶対嫌だ!!!


…よし、こうなりゃ、街についたら上級冒険者にフウを預けよう!


そっちの方がフウも幸せだろうしな……


そうして次の日、街に行くことになった俺達は眠りについたのであった。
























(逃がしませんから…お父様)

読みやすいでしょうか?

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