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〜 突然の神様 〜

サブタイトルつけるのってとても難しいです……。

僕は、空腹で目を覚ました。


「お腹空いたなぁ……ん、そういえば身体が痛くない。昨日あんなことがあったのになぁ」


「ん……おにー、ひゃん?おはよぉ~ごじゃいましゅ~」


「ぷっ、あはは。ごめん、起こしちゃったね。おはよう」


女の子は、自分が抱き抱えられて、寝言を言ってしまったことにハッとする。


「あ、すみません! すみません! 私、いまだらしない所を! 」


「落ち着いて? 大丈夫、僕は怒ってないよ。」


にこやかになだめる。


「ほ、ホント……ですか? 」


「うん。それで、聞きたいことがあるんだけどいいかな?ご飯ってこの世界ではどう取るの?」


「え、えっと。あの……す、すみません!あまり参考にならないとは思いますが……お店で買い物をするか、えっと、モンスターを狩って消えてしまう前に肉を剥ぎ取るか、そ、その、食べられる植物を採るというのがいいと思います」


僕は、女の子の言葉にずっと違和感を覚えていた。


(こんな、窮屈な会話を子どもにさせるなんて、ね。)

「ありがとう、大丈夫だよ。助かった」


僕は、笑顔で女の子を抱きしめた。(可愛いから仕方ないよね?)


「にゅ~っ!?」


女の子は、最初は硬直していたがゆっくりと身体を預けてきた。


「これ……落ち着くんです。暖かくて、嫌なことを忘れられます……んっ」


女の子は突然呻いたと思うと、

黄色い暖かい色に女の子が淡く光り始めた。


「えっ? 」


光が収まると、少女の髪が青色から深紅の赤に変わり目も同様な赤に染まった。


「あなたにお会いするのはこれが二度目ですね。あの時は、時間が無くあまり長い時間話すことは出来ませんでしたが今なら話すことができるでしょう」


発光が収まって、少女は先ほどの様子とはうって変わり、はっきりとした口調で話しかけてきた。


「君は……。うんそっか、世界を救ってと言ったのは君か。あの子にしては、あざといなと思ったんだよ」


彼女は、顔を少し赤くして、


「え、えっと、気づいていたのですね……。あの、少女ではないことを」


「うん、まぁね。それにしても、さっきの女の子のモノマネ? 可愛かったよ」


更に、顔を赤くして、


「う、ありがとうございます…… こ、こほん。えっと、私は、レリウス・オウルフィードと申します。お気軽にレリウスとお呼び下さい。私の存在は、貴方様の世界でいう神様というものですね。正確には神様では無いですが。」


「僕の元いた世界を知ってるんだ? 」


「はい、私が僭越ながら召喚させていただきましたから、多少は理解しております。」


レリウスは、僕から離れて片膝をつき、頭を垂れた。

「え、ちょっと、なんで僕なんかにそんな遜っているんですか!? 」


(やっぱり、転生したみたいだね。僕は。)


「いえ、貴方様にあの場面を救っていただけなければ、この少女諸共消えてしまいましたから。これぐらいの態度は当然です」


(とても、神様とは思えないなぁ)


「うん。どういたしまして。えっと、まずは顔をあげてね」


レリウスは、顔をあげる。

(改めて見るけど、綺麗だなぁ。おめかししてあげたいなぁ)


「そうだなぁ、ちょっと失礼かもしれないけどいいかな? あの、全然神様には見えないんだけど? 神様でなくとも偉い人だったんだよね? 」


僕は、単純な疑問をぶつける。

レリウスは目を伏せ、


「そうですね。神であったと言うべきでしょうか。私は、子どもの象徴である神でした。しかし、他の神から『お前は必要ない。子どもを守る為だけの神など必要ない』と私は消されかけましたのです。私が消えれば、子どもへの加護がなくなり子どもたちは必要無いものとして様々なものによって殺されてってしまいます」


(この世界では、神様が全てで住人は影響を大きく受ける。守ればいいだけじゃ無いみたいだね。根本的に変えなくちゃいけないのかな)


レリウスは閉じていた目を開ける。そこには、大粒の涙が溜まっていた。


「ぐすっ……そ、れを避けるべく、神の体を捨てこの娘の身体を……ぐすっ……お借りしたのです……。そうして、あなたをお呼びしまし、た。子どもに未来を与えてくれる方を……! 世界を救っていただける力を持つ方に……! 」


ボロボロと涙を流しながら、言いきった。


「うん、うん。よく頑張ったね。レリウス。もう、1人じゃないからね。大丈夫、大丈夫」


僕は、微笑むみながら、彼女を撫でた。

(レリウスもひとりで頑張っていたんだね。これは、僕もがんばらなくちゃなぁ)

「さてと、レリウス。僕は、世界を救う。これは、決定事項なんだけど。その前に、この力の正体を知りたいんだ。」


そうして、赤黒い模様を見せる。


「それは……」


「これのおかげで君たちを助けられたんだ。レリウスがこの力をくれたの? 」


レリウスは悲しそうな顔をして、


「それは……私たちのような存在になる為の証です。」


「証? 」


僕が聞き返すと、レリウスはわかりやすいように説明してくれたので、それを僕なりに解釈してまとめてみた。


・レリウス達は神聖人と呼ばれるもので、世界の安寧の為に特殊な力が与えられた者であること。


・神聖人には一人ひとりに何かの象徴役割が与えられること。レリウスで言えば、子どもの象徴。他にも、大人の象徴の神聖人、植物の象徴など様々なものがある。


・力は、世界の根源と呼ばれるものから、与えられている。(世界の根源とは、この世界を形成するための核で自我を持っているらしい)


・この手の模様は、神聖人になる資格のあるものに現れ、試練が課せられる。そして、僕がそれに選ばれたこと。


・僕の力の性質が分からないこと。レリウスの力の性質は一種のエンハンスのようなものらしい。あの怪物との戦いも陰ながらに掛けてくれていたようだ。


・神聖人は、幻魔人と呼ぶものと戦わなくてはいけないということ。幻魔人とは、強大な力を持った敵である。(幻魔人について、細かいことはわからないらしいが、モンスターもこれに属するものとの事だ)


「ありがとう。レリウス」


そう言って、レリウスの顔を見るとうつらうつらとしていた。


「レリウス。お疲れ様、休んでていいよ 」


レリウスは頭を横に振る。


「いえ、貴方様が休まないのなら私もついて行きます」


「だめだよ。ちゃんと、休むんだ。その体は君だけのものではないんだから。それから、遅くなっちゃったけど、僕の名前は二宮真斗。マナトって呼んでよ」


「はい……分かりました……。申し訳ございません。マナト様。お先に失礼いたします」


すーっと、少女の髪の毛は、綺麗な青色にもどり、目も同様に戻っていった。



最後までお読みいただきありがとうございます!

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