表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/5

プロローグのようだ。

楽しんでいただけると光栄です。

────僕の夢は、保育士になること。子どもたちが笑顔で健やかに成長できるようにすること


僕、二宮(にのみや) 真斗(まなと)は大学2年の夏に交通事故で夢を叶えることなく死んだ。……はずだった。


「ここ、どこ? 」


僕は呆然と辺りの景色を見て、立ち尽くした。

のどかな緑が生い茂り、見たこともない動物が歩いていた。


「まさか、日本じゃないよね……? 僕、夢見てる? 」


僕は、自分の頬を痛いほど抓るが、

「痛い……現実なんだ、これ。多分、異世界? ってやつなのかな? うーん。」


友人の持っているゲームや書籍などの絵とどことなく景色が似ている。


「なら、確かこんなだっけ? ウインドウ! 」と、僕は叫ぶ。


しかし何も起こらない。

「うーん、自分の情報がモニタリングされると思ったんだけどなぁ……ステータス・オープン! 」


しかし何も起こらない。


「えーと、ディスプレイ! オープンスキル! 魔法の鏡よ! 開けごま! オープンセサミ! ゲートオブ……ぜぇ、ぜぇ。ダメかぁ……ゲームや本はあんまり参考にならないなぁ」


モニタリングするのを諦めて、辺りの状況を確認する作業に移った。

それからしばらくして、辺りは暗くなり始めていた。すると、どこからか助けの声が聞こえた。いや、悲鳴だろうか?

僕は、その声が聞こえた瞬間いても立ってもいられなくなった。悲鳴の上がった場所へ走った。


「身体が軽い? 自分の身体じゃないみたいだ! 」


少しして、悲鳴の上がった場所へとたどり着いた。


「あれだけの距離を走ったのに、息ひとつ乱れない。何なんだろう。じゃなくて! 今は!」


あたりを見回すと、女の子が猪の様な化け物に襲われていた。獣は、体長3m体高は2m程の大きさで、その大きさを前に少女は、岩を背にカタカタと震えていた。


「ヒッ……ぁっ」


化け物は今にも少女に向かって突撃しそうだ。

───グゥオオウオウオオオオオオオッ!!

化け物は咆哮と共に大地を蹴り、女の子に猛進し始めた。


「なんか、デジャヴ!!でもっ、助けなきゃっ!うおおおおおおおっ!」


僕は少女を目がけ駆け出す。

だが、化け物と人間どっちが速いかは馬鹿でもわかる。

「くっそっ! ……間に合わな……ぃ、せる! 」


(諦めちゃいけない! 子供の未来を、笑顔を守るんだ! 失わせるもんか!! それが保育士だろ!! )


刹那、僕の左手が眩い光を放ち、二宮は加速した。

「あああああああっ! はっぁっ! 」


僕は、何が起こったのかわからなかった。

化け物は、岩を半壊させ、頭がハマり抜けなくなっていた。

「そ、そうだ! 女の子は!? 」

と、理解の追いつかない頭を働かせる。すると、腕の中に温もりがあった。

僕は、すっと、顔を腕の中に向ける。青い髪をした幼い少女が涙を薄らと浮かべ、気を失っていた。


「あぁ、良かった…。助けられた。」


僕は、ホッとして涙が零れてしまう。

しかし、

ズガラガラガラガラッガラガラガラッ!

大きな何かが崩れる音を聞いた二宮は、ハッと我に返る。


「そっか、死んでなかった……。逃げなきゃ、痛ッ! 」


さっきの時とは、うって変わり足が鉛のように動かず、激痛が走った。


「さっきの代償って訳か、本当にカッコつかないなぁ」


目の血走った化け物は、

────ガァァグオグオウグァァグオオオオオオ!!

怒りの咆哮をあげた。


「この子だけでも何とかっ! 」


ぐぐっ、力を足に入れるが動かない。

獣は突進の体勢にすでに入っている。


「動けよ! くっそォッ! 」


ズドンッ化け物が地を蹴った音が聞こえた。

巨体は弾丸のように向かってくる。僕は、女の子をぎゅっと抱きしめた。


「神様! いるなら、僕の命ならくれてやる! この子だけは! 守らせてくれェェェッ! 」


その瞬間、少女が目を開いて呟いた。


「思い出して、さっきの感覚を……きっとあなたなら……」


「さっきの感覚? 」


問い返したが、少女は目を再び閉じてしまった。そっと、少女を草の上に寝かせる。


「さっきの感覚。さっきの感覚……」


僕は、目を閉じる。僕の中に眠る激情を思い出す為に。そして、


「守る。絶対に救ってみせるんだ! 僕は二度と失わない!! 」


左手が熱くたぎり、光輝き始め甲の部分に赤黒い文様が浮かび上がる。そして、右手に大きなラトル、赤ちゃんのよく持っているガラガラが現れた。


「これは……。武器なのかな…?ラトルはこうやって使うものじゃないんだけど……でも…これでっ!はぁあああぁぁぁぁぁぁッ!!」


長さ80cm厚さ30cmのラトルを向かってくる獣に縦に振り切った。

ガラガラガラガラッ!大きな音を立てながら、化け物の頭部に当たり、あの巨体を叩き伏せた。


────グゥゥゥォォォォオオオオォォグ!!


化け物は、絶叫してそのまま動かなくなった。

「はぁ、はぁ……。やった。」


僕は、へたりと座り込んでしまった。


「腰抜けた……。うん。でも、守れたな」


僕は、清々しい気持ちで倒れた獣を見た。

すると、獣が光の粒子になって夕暮れの空へ消えていった。

僕は、その幻想的な光景に目を奪われていた。

しばらくして、


「何を、してるの?お兄さん」


「うぇっ!? 」


突然、声を掛けられて変な声が出てしまった。


「……びっくりした」


「あ……ごめんなさいっ」


少女は、泣きそうになりながら謝る。

(何だか、さっきの戦闘の時とイメージが違う? 気のせいかな)


「あ、ごめんね? 怒った訳じゃないんだ。ただ少し驚いただけで。それでどうしたの? 」


僕は、怖がらせないようにありったけの優しい声で少女にいう。


「う、うん。 その、、じゃなくて世界を救ってほしいの!」


僕は、少女が喋っている間目が赤くなっていたのが気になっていた。

(いま、目が赤くなったけど、なんだろう)

暫くの沈黙を経て、


「うん、いいよ」


「ほんと……に!? 」


少女は、満面の可愛らしい笑みを浮かべた。


「うん。僕の作った二宮10か条にも、『子どもの願いはなるべく断らない! 』っていうのがあるからね。僕のできる範囲で頑張るよ」


少女はその言葉を聞き、今まで我慢していたのか大きな声泣き出してしまった。


「ありゃ、 よしよし大丈夫? 」


僕は、頭を撫でようする。が、


「ひぃっ! 」


少女は、腕で頭を守る体勢に急に入った。まるで、ぶたれると思ったかのように、


「あぁ、ご、ごめんなさい。許してください……許してください……」


少女は口早に許しの言葉を乞う。

「ッ……。これは、虐待された子どもの特徴……」


ギリッ! 歯を強く噛み締めた。

僕はそっと少女を抱きしめた。それから、ゆっくりとした動きで頭を撫でる。


「大丈夫、大丈夫だから。ね? 僕は、怒ってないから……いいこ、いいこ」


「グスッ……うん、うん。あったかいです……」


少女は、落ち着いたのか僕に抱かれたまま眠ってしまった。


「今度は救えるかな……」


きゅーっと、お腹がなる。


「そう言えば、何も食べてなかったな。でも、今からじゃ厳しいなぁ。とりあえず、寝ようかな……いたっ! ふぅ、寝るのも一苦労かも」


僕は、空腹と痛みに耐えながら、近くの木を背にして寝ることにした。


こうして、異世界? での一日目が終了した。

どうも、かたかなきんぐです。

プロローグを最後まで読んでいただきありがとうございます。

プロローグがプロローグじゃないと、友人から突っ込まれましたがプロローグです。はい。

初投稿ということで、色々と設定が曖昧なところがあると思います。ごめんなさい。ぜひ、ご指摘お願いします! これから、ゆっくりと続きを載せていこうと思います。よろしくおねがいしますね!


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ