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私はお前らが大嫌い   作者: ヒスイ
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7話


優也視点




そうだった。

あの黒い炎が目の前に飛んできたと思ったら、

防ぐ前に攻撃を受けてしまったんだった。



「俺、気を失ってたのか…、そういえばここは?」

「人間側の国境内だよ。」

「人間側の…。」


国境内まで逃げたなら一先ず安心だな…。



そこでふと思った。




「でも、どうやって炎を消したんだ?」

「俺達もよく解らない…だが、前にルイス姫が話してくれた、勇者の加護かもしれない。」

「そうなの!凄かったんだぁ!黒い炎にゆっくんが燃やされちゃうってなった時、急にゆっくんが

ピカーって光ったら炎がブワって消えちゃったの!」

「え?」

「俺が一から説明するよ…」


その後雅人に説明して貰うと、




どうやら黒騎士から黒い炎の攻撃を受けた俺は意識を失ってしまい。

安全な場所に逃げる事にした雅人達は、風魔法を使って国境の付近の湖まで逃げ込んだ。

湖の水を俺に掛けたが炎はなかなか消えず、湖の水や水魔法の水をひたすら掛けていたら、俺の体が発光し、炎は無事消えたそうだ。




「それを、俺はルイス姫が話した『勇者の加護』じゃないかと思っている。」

「そうだったのか…。」

「でも無事で良かったー。じゃあそろそろ、結界消すね?」

「結界?」

「そうだよー、私の空間魔法を使ってね、私達の姿と魔力を誰にも感知されない様にしたの!」

「すげぇ、そんな魔法があったのかぁ。」



香奈が上を指差すので俺も上を見上げてみれば、黄色い膜の様なものが俺達の周りを囲んでいた。



「それじゃぁ、解ー」




ウァァァァァァ---




「「「!!?」」」



香奈が結界を消そうとした瞬間、湖の反対側

魔族領側から悲鳴と大きな閃光があった。



「今のは…」

「香奈、まだ結界は消したらダメだ!何かがこっちに来る。」

「判った!」



俺が呆然としてる間に雅人が香奈に指示する。

雅人のそういう冷静な判断はいつも凄いなぁ。



そう思いつつ、俺は反対側を見る。

何が着ても良い様に剣を抜く。




そして反対側から表れたのは、






黒い馬に乗った黒騎士だった。



ーーーーーーーー






黒騎士(紫穂)視点




勇者達を探して国境の境にある湖まで来たが、

居るのは人間の兵士だけ。


私の姿を見た瞬間悲鳴を上げて逃げ出す。




「ふぅ…、《黒炎》。」

「ウァァァァァァ!」



絶叫を上げ人間の兵士は灰と化した。



「勇者達は人間領まで逃げたか?誰かに殺されてないといいが…。」





この先は湖…。

そしてその先は人間領。



魔王に言われてるから人間領には行けないし…。




「よし烈火、少し湖で休憩してから魔王城に戻るか。」

「ブルルッ」



私がそう言えば烈火はゆっくり湖まで歩む。




ーーー




湖の水は綺麗で、飲み水には最適そうだ。


烈火から降りれば烈火はすぐ湖に近づき、水を飲みだす。



「ふふっそんなに喉乾いてたのか烈火?」




この近くには誰も居なさそうだ、

兜を脱いで涼むとしよう。



「ふぅ…。」



兜を脱げば、長くなった黒髪が表れた。




「紫穂…?」

「!!?」




突如聞こえた自分の名前。




誰も居なかったはずの湖の反対側、



そこには





呆然と私の姿を見る優也達の姿が会った。





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