4話
今回は紫穂(黒騎士)視点と優也視点の内容でっす!
勇者・賢者・聖女が召喚されて、早二週間。
何でも特訓をし、魔族とも何度か戦ったという噂を聞いた。
けど私は絶対負けてやったり何てしない。
『何を考えているんだ黒騎士?』
「魔王か…どこに勇者達が居るかと思ってな。」
今、私達魔族軍は魔王城から数百㎞離れた、
人間の国との国境付近に居る。
何度目かの私達魔族軍と
人間軍による戦争が始まろうとしていた。
そして今回の戦争には
勇者達も参加する。
『会いたいのか?』
「違う。勇者達は私が倒す。だから他の奴らに倒される前に見つけたい。」
『そうか。勇者を倒し無事に戻ってこい。』
「あぁ。」
人間だった私が死んだ原因の優也・香奈・雅人に光の神、
奴等に死より辛い苦しみを与えてやるつもりだ。
「よし、竜族長!」
「はっ!全軍突撃!」
指揮官は竜人である竜族の族長だ。
(私?やだよ、めんどくさいし声大きくないし。)
竜族長の号令で魔族軍は国境に向かって行く。
私は、ユニコーンと天馬の混合獣である愛馬、烈火に跨り戦場に向かう。
「翔べ、烈火!」
ヒヒィィィン
私の言葉に応える様に一鳴きした烈火は、
普段は折り畳んでいる翼を広げ空を駆け上がる。
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優也視点
俺達が異世界に召喚されてもう二週間がたった。
けれど一度も紫穂の情報は入らない。
召喚されてなく日本に居るならまだいい。
だが紫穂が俺達同様、黒い穴に飲み込まれる姿を見てしまったのだ、
この世界のどこかに居るかもしれない。
この世界で紫穂の黒髪黒眼は危険だ…。
俺があの時紫穂の手を掴めていれば離ればなれにならなかったのだろうか?
「眠れないな…」
今はもう夜だ。
だが紫穂の事を考えると眠れない。
明日は国境付近で魔族との戦争があるのに…。
外で鍛練をする事にした俺は部屋を出た。
「ふぅ…」
かれこれ一時間。
俺はこの世界で貰った勇者の聖剣を降り続けた。
そろそろ部屋に戻ろうかな…
「あの…優也様。」
「!ルイス」
部屋に戻るか否か考えていた俺の所にルイスがやってきた。
「優也様、眠れないのですか?」
「あぁ…ちょっと紫穂の事を考えててな…。」
「その紫穂さん、という方はどんな方何ですか?」
「ん?そうだな…紫穂は強くて優しくて、凄い頼りになるんだ。」
2年前のあの時、紫穂が居なかったら俺達はどうなってたか分からない。
「助けて貰ってばかりで、今度は俺が守りたいって思ううちに…。」
「優也様はその紫穂様という方が大切なのですね。」
「あぁ…一番大切な人なんだ。」
だから、必ず見つけだす
もう少しだけ待っていてくれ紫穂。