12話
今回の優也視点は9話の雅人視点の後の出来事でっす。
優也視点(湖での後)
湖での出来事の後、俺は部屋に籠もって考えた。
…別れ際、紫穂が言った言葉を忘れて。
コンコンッ
「ゆっくん…居る?」
「香奈?」
扉を開け中に入ってきた香奈。
その顔には何かを確信したと言う顔だった。
「どうしたんだ香奈?」
「ゆっくん…私ね、湖でのしーちゃんの行動…、私なりに考えたの。」
「!!香奈もか…。実は俺も何だ。」
「そうなんだ…。それでね、私思ったの…あんな事、しーちゃんがする訳無いって。
きっとしーちゃんは…悪い悪い魔王に操られてるんだって!」
「!!?」
そうか…魔王なら…魔王が紫穂を操って、自分の代わりに戦わせてるんだ。
それなら紫穂があんな事したのも納得できる!
くそっ何でそんな事に気付かなかったんだよ俺…。
「そうだよな、紫穂があんな事する訳無いもんな!よしっ、そうと決まれば特訓しよう!
紫穂をこれ以上、悪事に荷担させたり何てしない!俺達で紫穂を助けようぜ香奈!」
「うん!やろうゆっくん!皆で、しーちゃんを助けて一緒に帰ろう!」
「ああ!」
「帰って皆でお祝いだね!」
「ああ!」
「んでゆっくんはしーちゃんに告白の続き、言わないとね!」
「ああ…って!////」
そうだった…まだ告白出来てなかったんだ…。
そう思ったら突然照れくさくなって来たな…////
「私もまーくんもずっーと、ゆっくんがしーちゃんに告白するの待ってたんだからね!早く告白して!」
「うぅ…」
確かに…4年も前から紫穂に告白しようと香奈や雅人に相談してた。
2人ともいつも文句言わずに付き合ってくれたんだよな…。
…ただ「早くしろ」って、急かされるだけで。
「ゆっくんが告白しないなら私から言っちゃうよ!ゆっくんはしーちゃんが好きだって!いいの!」
「だっダメだ!言うよ!言うから自分で!」
「うむっ!…きっとしーちゃんもゆっくんの告白、OKしてくれるよ!
だってよくゆっくんの方見てたし!」
「そっそうなのか!」
※彼らは紫穂が嫌がらせされているのを知りません。
紫穂が優也だけでなく香奈・雅人にも呆れと嫌悪の視線を送ってる事も
コンコンッ
「優也、俺だ…少し話したいんだが」
「おっ!雅人!」
「まーくんも来た!」
香奈に続いてやってきた雅人。
その手には数冊の本があった。
「香奈!お前も来ていたのか…。」
「あぁ!そうだ雅人!早速特訓しようぜ!紫穂を魔王から助けるんだ!」
「えっ何の事だ…?」
呆然とする雅人に俺は続ける。
「何の事って、紫穂は悪い魔王に操られてるから湖であんな事したんだ。
だから魔王を倒して紫穂を助けるんだよ!」
「まーくんもその事を話に来たんでしょ?」
「いや、俺は…」
珍しく落ち着かない様子の雅人は何故か、持っていた本を後ろに隠した。
「3人共同じ考え何て凄いよな!さぁ雅人!香奈!特訓しようぜ!」
「おー!」
「あっ…あぁ…そうだな…。」
やる気を漲らせた俺達は、特訓する為部屋を出る。
「待っててくれ紫穂…必ず俺が助ける。」
ーーーーー
黒騎士視点
「!!っ魔王…」
激しい魔力のぶつかり合い。
魔王が勇者と戦って居るのだ…
じっと何てしていられない!
「吸血鬼に鬼部族長は城を守っててくれ、私は魔王の元に行く!」
「おっお待ちを黒騎士様!」
「お嬢!!」
制止する吸血鬼と鬼部族長を振り切り、烈火の元に行く。
「頼むぞ烈火!」
「ブルルッ」
そうして烈火を連れ戦場に…魔王の元に向かう…。
「魔王…無事でいて…」
ーーー
猛スピードで烈火を駆けさせ、戦場に来た私は魔族陣営に行く。
「みんな無事か!」
「黒騎士様!」
「何でここに居るんだよ黒騎士様!」
「龍部族長!獣人部族長!魔王は…。」
陣営に居たのは指揮をしていた龍部族長と獣人部族長のみ。
「彼方にて勇者と戦っております…。申し訳ありません…、
我々には魔王様のお力になる事はできませんでした…むしろ邪魔に…。」
「あんな凄まじい戦いは初めてみた…すまねぇ黒騎士様。俺達は役立たずだ。」
「そんなに気に病むな…、お前達は兵達の指揮を続けてくれ。
私は魔王の所に行く。烈火は置いていくから任せた。」
「「はっ!」」
ほぼ戦場のど真ん中に感じる強力な魔力のぶつかり合い、そこに向かって進む。
魔王と勇者の近くに近づこうとする者はおらず、私は邪魔に入られる事もなく魔王の元に。
「離れろ優也!《水槍》!」
「雅人!」
「っ!おのれ、賢者か!?」
たどり着いた私が見たのは魔王と勇者・賢者・聖女が戦う姿。
3対1は厳しいのか、魔王が少し圧されている。
魔王が賢者の水魔法を避けたその時、
「食らえ魔王!最大パワーの《光りの飛礫》!」
「しまっー!?」
「「魔王/魔王様!!」」
勇者の光魔法による全体攻撃、一瞬の隙を許してしまった魔王は回避が遅れる。
魔王に駆け寄ろうとした私を後ろから別の影が抜き去る。
その影はー。
「ごほっ…ご無事…ですか?…魔王様…。」
「魔女部族長!」
先程陣営に居なかった…
魔女部族長だった。
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本編は上まで
ちょこっと人物紹介。
各部族長′S
魔王に忠誠を誓う
龍・吸血鬼・魔女・獣人・鬼の部族の長達で部族内ではトップ。
・龍部族長=龍の頭に全身を黄色い鱗で覆われた人型、空は飛べない。
魔王と黒騎士には必ず敬語。
・魔女部族長=長い赤い髪に金の瞳、黒いとんがり帽子と黒いローブを来ている。
魔王には敬語、黒騎士は妹みたいに扱う。
・獣人部族長=狼の獣人で茶色い毛並みを持つ、二足歩行も四足歩行もできる。
敬語が苦手。様付けはする。
・吸血鬼部族長=灰色赤い眼に、病的な迄に白い肌を持つ。
誰に対しても敬語。
・鬼部族長=全身が赤く白い髪と爪・牙を持ち、頭には黒い5本の角がある。
魔王には敬語、黒騎士は令嬢みたいに扱う。
各部族長は皆、紫穂に剣・魔法・知識を教えた師匠である。
呼び方
・龍部族長・獣人部族長・吸血鬼部族長
魔王=魔王様
黒騎士=黒騎士様
・魔女部族長
魔王=魔王様
黒騎士=黒ちゃん
・鬼部族長
魔王=魔王様
黒騎士=お嬢
彼等の紹介送れてしまい、スミマセン…




