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私はお前らが大嫌い   作者: ヒスイ
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1話

[厄介事には関わらない]


それが私のモットーだ。


「しーちゃん!おはよー!」

「うん…お早よう香奈…。」


今日も今日とて私こと

井野原紫穂いのはらしほを部屋まで起こしに着たのは私の幼馴染

佐藤香奈さとうかなである。


「ゆっくんとまーくんも家の前で待ってるよ?早く学校行こ?」

「あぁいや、香奈?私はもう少しゆっくり…。」

「?あぁ朝ご飯だね?大丈夫ゆっくり食べててよ!私達なら、で待ってるから。」

「いや…いい…すぐ支度します…。」


待たせて何ていらんない…

皆という事は玄関先は相変わらず凄いんだろうなぁ。


そう思った私はすぐに準備を済ませ軽くパンを食べ、

せかす香奈と玄関を出る。




やはりそこは凄かった。




「紫穂、おはよ。」

「お早よう紫穂。」

「あぁ…お早よう…優也…雅人」


玄関先で私に挨拶をするのは、香奈同様私の幼馴染である


奥村優也おくむらゆうや久保雅人くぼまさとだ。


そして、香奈に連れられ優也と雅人に挨拶をされた私に怒りや嫉妬の目を剥けるのは。


香奈・優也・雅人のファンクラブの方々。


クリっとした目に、ピンクの唇軽いウェーブがかかってある薄い茶色の髪と眼をした、天然少女。

[学園の姫]こと佐藤香奈


文武両道、いつも明るく紳士的で男らしい態度、ハーフゆえ整った顔をした金髪銀眼である。

[学園の王子]こと奥村優也


冷静沈着才色兼備で、常に成績は上位の生徒会長、黒髪に青みがかった藍の眼をした眼鏡。

[学園の皇帝]久保雅人


二つ名がつく程有名な3人に対し平々凡々、短い黒髪に黒眼の私。


だからこそ平凡な私には釣り合わないと言われ、ファンクラブの方々からは

毎日嫌がらせのオンパレード。



卒業の時にでもチクってやると常に思っている。

在学中にチクれば、更なる嫌がらせが起きるのは、小中で嫌というほど体験しているし…。


「紫穂も起きたし、早速行こっか。」


言うや否や先頭を歩くのは優也と優也のファン。


その後を雅人と雅人のファンに、香奈と香奈のファンが続き最後尾を私が歩く。


相変わらずの大所帯でパッと見30人は居る。


そんな大所帯の後ろを歩きながら私はいつも思う。


鬱陶しいなぁ…と。


3人とは幼稚園の頃から一緒。

当時から親が仲良くて、近所に住んでた事もあり私達はいつも一緒だった。


けど小学生になって彼らとの差が出来た。


片方は周りにモテはやされ片方は周りに嫌がらせをされる。


それがつらくなって一緒に居たくなくなった。


けど何も知らない彼らは私から離れない、

それが余計に周りに反感を買う。


幼馴染達おまえたちのせいなのに…

何で私だけ…


嫌がらせをされたり1人の時はいつもそう思う。


学校に私の味方は居ない

ならいっそのこと。



彼らが居ない遠くに行きたい…



厄介事を運ぶ幼馴染達。


彼らが私に新たな厄介事を運んでくる事を、




この時の私はまだ知らない。



ーーー


シューズロッカーに生ゴミ


机に花の入った花瓶


ゴミ箱に捨てられてる教科書

(持って帰るの忘れてた…。)


今日も優也達にばれない様行われた

様々な嫌がらせを受け、


全てを処理し終えた私は


優也に「近所の公園に来てほしい。」とメールを受けた。


何だか凄い嫌な予感…


私は行くか悩んだが今行かなかったら後がうるさいのも知ってる。

(近所だから押し掛けてくるんだよね。)


メールに呼び出された時間と場所に着くと

そこには優也の他に香奈・雅人が居た。


ますます嫌な予感がする、

帰りたい…。


「待ってたよ紫穂…。」

「一体何の用優也?香奈と雅人も。」

「私達の事は気にしないでしーちゃん。」

「そうそう、紫穂に用があるのは俺達じゃなく優也だからな。」


優也・香奈・雅人の順に3人を見た紫穂は視線を優也に戻す。


「それで一体何?優也」

「あっあのさ紫穂…俺…、俺ずっと紫穂の事…」


顔を赤らめ口籠もる優也が、意を決した様に紫穂を見たその瞬間。


ドンッ


「「「「!!?」」」」


突然、地面が揺れたと思った途端。


優也を中心に黒い穴が表れた。


それは優也・香奈・雅人、そして私を飲み込んで行く。


「きゃっ!」

「うわっ!」

「っ!…紫穂!!」


やっぱりあんた達に関わるから厄介な事に巻き込まれるんだ…


必死にこちらに手を伸ばし私の名を呼ぶ優也の姿を最後に




私の意識は黒に塗り潰されていったーーー。






次回はキャラ紹介です。


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