10話
更新遅れ気味でホンマにごめんなさい(;´・ω・)
「ただいま。」
「ご苦労だったな黒騎士…無事戻ってくれて何よりだ。」
帰城早々にそう声をかける魔王。
心配性はいつまでも治らないのだな…。
今回の戦争も私達魔族の勝利。
だが、優也達がこの世界に着た所為で人間領の光の神の加護が強くなり、
なかなか人間領の王国まで攻め込めそうに無い。
「この戦争を終わらせたいと言うのに。光の神は本当に余計な事しかしない。」
「確かにな…光の神に対抗して闇の神も我らの加護を強めて下さったが…。」
魔王が変わらない様に光の神もずっと変わらない。
あの光の神…まじどうやって〆てやろうか…。
「黒騎士。勇者達はどうだった?」
考え込んでいた私が顔を上げれば、どこか不安そうで心配そうに私を見る魔王。
「そんなに心配する程ではない、勇者達とは決別した。だがあの馬鹿どもが、
無用な考えをしていなければいいが…。」
あの馬鹿達の事だ、今頃私の偽物だとか、魔王に操られているとか考えて居るに決まってる。
「そうか。…話をかえるが、光の神が強化した結界を解く為にはどうするべきと考える?」
「もう少し様子見だな、一時的だが結界が弱くなった時があった。
おそらく勇者達が人間領を出たからかも知れない。」
「ふむ…。勇者か…、一度勇者がどんな者か見るのもよいかもな。」
「…!、なっ、魔王…まさか!」
勇者を見る。
その言葉が表す意味は1つしかない。
「次の戦争…俺が出よう。早速準備だ。」
玉座から立った魔王は、自身の防具や剣を出すように近くにいた召使に命じた。
「いや、待て待て待て?!出るだと?魔族達の王であるお前が?!」
「そうだ。心配するな、俺はどこぞのアホな神の魔法の所為で不死身みたいなモノだからな。」
「そういう問題じゃなーい!」
人の話を聞かず魔王は着々と召使に命じて自身が出陣する準備を進めた。
ーーーーー
魔王視点
今回はただのきっかけ。
元々俺は前々から勇者・聖女・賢者に興味があった。
シホが他者に対しあれほどまで嫌悪しているのは、
正直珍しいからな。
…光の神にも嫌悪を抱いていたな…そういえば…、
まぁ、アレは人間だったシホを殺したのだ。
嫌悪して当たり前か…。
慌てるシホを無視し着々と戦争に出る準備を進める。
しばらくすればシホも諦めるだろう。
ーーー
次の戦争は俺が出陣し
シホには城に残って貰うのが決まった。
次の出陣は明日。
俺は城の中庭へと向かう。
中庭には以前〔シルベーノン〕からシホが持ち帰った水晶花が、月の光で輝いていた。
シルベーノンの土ごと持ち帰った水晶花は枯れる事がなかった。
それにはシホは勿論、俺も安堵した。
いつから始まったか解らない戦争、
俺は光の神や闇の神によりあまり戦争に参加してはいけないと言われていた。
バランスがどうとか言っていた気がするが…大分前だからな、忘れてしまった。
その為、人間により魔族の街が何度も滅ぼされたと聞いて、俺は何も出来ない事に苦しんだ。
滅ぼされた街の名は今も記憶しているが、その街がどんなところでどんな魔族が住んでいたかまでは覚えていない。
ましてや、その街が存在したという証ももう無い。
シホのおかげでシルベーノンが存在していたという証ができた。
…だからこそ。
「だからこそ、俺の仲間であり家族でもあるシホを苦しめる奴らなら、俺は容赦はしない。
……勇者達よ、お前達がどのような者達か見定めさせて貰う。」
中庭から自室へと足を向ける。
「闇の神、ついでに光の神からも戦争への参加を許可してもらったからな…
長年の怒りをぶつけさせて貰うぞ…。」
まだ見た事も話した事も無い勇者達…
覚悟しておけ…。




