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私はお前らが大嫌い   作者: ヒスイ
14/29

過去編4話



やってきました!

水晶花のある街、〔シルベーノン〕!


テンション上がるなぁー

この街は観光地としても有名だって聞いたけど、どんなのがあるかな?

にしても…




「優也達から離れられただけで、こんなに笑えるんだな…私。」



地球に居た頃は毎日が苦しかった…


親同士仲が良いから

両親達は私にアイツ等の面倒を任せて、食事に行くのはよくあったし。

アイツ等の誰かと喧嘩すれば必ず、私が悪い事になってる…。

朝になれば頼んで無いのに家の前で大勢のファンと待ってるし、

学校に行けばアイツ等のファンの奴等が、

アイツ等にばれない様嫌がらせしてくるし…。




「というか…あんな、判りやすい嫌がらせに気付かないアイツ等もどうなんだ…。」


鈍いのか、

以前私の机に白い菊が飾られてるのに対し



アイツ等は…


「わぁー!お花綺麗だね、しーちゃん。」

「本当に綺麗だな。」

「確かに…紫穂にピッタリだな。」


である…

試しにこれの意味知ってる?

と尋ねれば…



「んー、私花言葉知らないや…ごめんねしーちゃん。」

「俺もだ…悪い紫穂。」


と謝ってくるので、香奈と優也のファンからの視線が更に痛くなった。



「菊の花言葉は高貴こうき高尚こうしょう高潔こうけつ

確かに紫穂にピッタリだな。」



と、

雅人は自信満々に答え、ファンからステキー何て声をかけられていた。

因みに私には更に厳しい目が向けられていた…。






バカかアイツ等!

思い出したらイライラしてきた…。

さっさと街に入って観光しよう!



満月は今夜だ、

水晶花が一番輝くのは満月の日だし、それまでに色々見て回らないと。


意気揚々とシルベーノンに入れば、



「さーいらっしゃい、いらっしゃい!、今夜は満月だ!祭りだよー!」


街の空には色とりどりのシャボン玉(何でも魔力で作れるらしい)が浮いており、

背中に薔薇の模様をした服を着た人が様々な催しをしている。



「なっ何…一体…。祭り?」

「水晶花の街シルベーノンにようこそ!お姉ちゃん、お客さま?」

「えっ?」



呆然とする私の足元から聞こえた声。

足元を見れば…



リスの様な耳と尻尾をした少女が瞳を輝かせこちらを見上げていた。




「お客さまなの?」

「えっと?うん…今日初めてこの街に来たよ。」

「ホント!じゃあ、ミントがお姉ちゃんを案内する!」

「えっ、いいの?」

「うん!ミントのママがね、ガイドさんなの、だからミントもガイドさんする!」



更に瞳を輝かせ尻尾をパタパタ揺らすリスの少女…ミント。



かわいいなぁ…。

その姿に私はすっかり癒された。



その後ミントに頼んで烈火がのびのび出来る方牧場に連れていって貰い、

烈火にはそこでのんびりして貰う事に。



「この食べ物はね雲飴くもあめって言うの!フワフワで美味しいよ。」



ミントが差し出したのは地球で言う綿飴、こちらでは雲飴というのか…。



「んっ美味しい。」

「でしょー!お姉ちゃん、次はあっちだよ!」

「待ってよ、ミントちゃん」



尻尾を振り彼方を指差し

早く行こうと全身で表現するミント。

私は彼女の後を追う為に道を進む。



「?今のは…仮装?」

「おねぇーちゃーん!」

「あっ待って!今行く!」



その際、オレンジと紫の仮面をつけ黒い外套に身を包んだ人物とすれ違うが、

ミントに急かされるので深く考えずその存在を頭の隅に追いやった。



ーーー


「姫様、良かったらコレ食べてみて下さい。」

「ありがとうございます。」

「うちのも食べて下さい、姫君。」



あの後、ミントと共に街を歩く私の姿を見た皆が私が〔新たに産まれた魔人族の姫君〕と知り、

様々な物を薦めてくれる。



「ごめんなさい、お姫様…私知らなくて…馴れ馴れしくしちゃって。」

「気にしないで、ミント。それと…お姫様じゃなくてお姉ちゃんって、

さっきみたいに呼んでくれて良いんだよ?」



耳と尻尾をたれ下げながら謝るミントは私を姫と呼ぶ様に。


けど…

妹が出来たみたいで嬉しいんだよね…お姉ちゃんって呼んで貰うの。



「良いの!」

「うん、ミントがいいならそう呼んで?」

「うん!お姉ちゃん!」



とびきりの笑顔で笑うミントは本当に可愛いわ…。

こんな妹が欲しかったなぁ…。



「じゃあねお姉ちゃん、ミントの秘密の場所を教えてあげる!」

「秘密の場所?」

「そっ!水晶花が凄く綺麗に見れるの!」



ーーー



ミントに案内され、やってきたのは小さな丘の上。


人気のないその場所はホントにミントの秘密の場所なんだろう。


そして…。



「うわぁ…」



丘の下には沢山の花が眼下に広がる。

その花は地球にもごくわずかしかない、青い薔薇だった。



「コレが水晶花なんだ!えっと水晶花の花言葉は〔奇跡〕なんだよ!」

「これが水晶花…。」



地球では写真でしか見たことがない希少な青い薔薇、それをこんなに沢山見れるとは思わなかった…。

思わず手を伸ばす。



「ダメだよお姉ちゃん!そんな事したら水晶花が枯れちゃう!」

「えっ、あっ、ごめんなさい…。」


ミントに呼び止められ手を戻す私。



「水晶花はね…凄く繊細な花なんだって。この街の土にしか馴染まないらしくって、抜いたら枯れちゃうの。」

「そうなんだ…。」



危ない事をするところだった…。

あまりの綺麗さに抜いて持って帰りたい何て思ってしまっていた。



「夜までまだ時間あるけど…、直ぐに一番きれいな水晶花が見えるよ!」

「そっかー、じゃあここで待とっか。」

「うん!」



丘の上にある一本の木、

その木陰に腰を下ろす私のすぐ横に寄り添う様に腰を下ろすミント。



昼過ぎだろうか?

まだ真上で輝く太陽の、心地よい日を浴びる私とミントは

夜を今か今かと待ちながら眠りに就いた。




ーーーーー





「お嬢様の為必ずや水晶花を手に入れる。皆準備は良いか?」

「「「はっ!!!」」」




オレンジと紫の仮面の人物の下、

様々な色の仮面の人物達が集っていた。








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