表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
私はお前らが大嫌い   作者: ヒスイ
12/29

過去編 2話



この世界[アクティア]に来てから半年。


ずっと魔王や龍族りゅうぞくの部族長・魔女族まじょぞくの部族長・獣人族じゅうじんぞくの部族長等、魔族の様々な部族の長達からしごか…特訓を受けた私は、

今日ようやく城の外。

[アクティア]を旅する事になった。



服は全身鎧でなく外套に黒のインナー、短パンいう

とても身軽な格好の服を用意して貰った。

(鎧も軽いが気持ち的に)

勿論腰には闇の神がくれた剣を下げている。

(因みに鎧は小型化しペンダントに)



特訓と同時に[アクティア]の事色々と聞いたがここは、

魔族の国「イルゲルク」でここを中心に魔族領は広がっているらしい。


また人間領も同様で

人間の王国「アルデニア」を中心に人間領も広がっているらしい。



2つの領土の境には国境があり

いつも国境付近で戦争をしているそうだ。


魔王は私に絶対に人間領には行ってはいけないと話した。


こちらの世界では人間は魔族に強い敵意を持っている為

私の様な人型でも黒髪黒眼なら問答無用で襲われるそうだ。



魔王が旅の供にと、

ユニコーンとペガサスの間に生まれた特別な馬、

烈火れっか」を譲ってくれた。

(魔王には烈火の兄弟馬「疾風はやて」が居るそうだ。)




烈火に跨り初めて城の外に出てみたが、そこはいかにもは不思議な地だった。



まず空の色が青ではなく朝焼けと同じ薄紫だ。

城下町には獣人・魔女・吸血鬼・龍族・鬼等様々な部族がおり、様々な店をしていた。




「これが異世界の城下町…凄いなぁ…。」

「いらっしゃーい魔石は如何ですかー!」

「?魔石?」

「んぉ?こりゃ珍しいな、魔人族じゃないか。」

「魔人族?」



聞きなれない単語に言葉を返す私に、

魔石屋の店主は教えてくれた。



魔人族とは見た目は普通の人間と同じだが髪と眼が黒く、他の魔族よりも魔力が高い稀少種らしい。


同じ人型でも吸血鬼には牙が、魔女は眼または髪のどちらかが金か赤らしい。

(そして現在確認されてる魔人族は魔王だけとか)



「へー、そうなんだ、知らなかった…。」

「嬢ちゃんは無知だなぁ、魔石も見た事ないって顔してるけど、もしかして産まれたばっかか?」

「えっ?!そっそうなんだ、最近産まれたばかりで、色々見た事なくって…。」



そう言うと店主は「あぁっ!」と声を上げる。


「あんたが半年前産まれた姫君か!!」

「えっ!姫君?!」



何のこっちゃ!?

そう思ってる私に店主は語る。



半年前、突如魔王城に表れた巨大な魔力。

魔族領に居る者皆が感知したその魔力の源は何か?

自分達に害あるモノか確かめる為、様々な者が城に集まったらしい。



そうしたら、魔王が


「件の魔力の源は、闇の神が新たに生み出した姫である。案ずるな、姫は皆に害なす者ではない。」



と報せたらしい。



また私は人前に出すには早いとか何とか言われてずっと城で勉学に励んでいると噂されてたらしい。

(そりゃ、こっちの常識学んでたし、合ってると言えば合ってるが…。)



「ご生誕おめでとうございます。よろしければウチの商品どれかお好きなのを貰って下さいな!」



突然敬語口調に変わった店主、

私は店主に魔石の説明をして貰った。



魔石とは魔力が籠もった石で種類は火・水・風・土・空間・回復がある。

また魔石には透明な物もあり、それには好きな魔力を込めればいいらしい、

魔石はかなり重宝されており、日常生活の他に戦争でも利用されているそうだ。


加工して身につけやすくするには加工屋に持っていくと良いとまで店主は教えてくれた。



「色々ご説明ありがとうございます。ではこの透明な魔石を貰えますか?」

「それで宜しかったのですか?」

「ええ、ちょっと試してみたい事が有るので。」



そう試してみたいのだ、

魔法を使って、




空を飛べるかどうか!



そりゃ烈火には翼が有るので跨って飛ぶ事も出来るが、やはり自分の力で飛べるか確かめてみたい。




魔王は翼がある者か魔女の様に箒を媒介に魔力を送る事で空を飛ぶ古式魔法しか空は飛べないらしい。



魔女族の長に教えて貰おうとしたが魔女の血族しか扱えない魔法らしいので断念するしかなかった…。





だが、私も考えなかった訳ではない!



風魔法を使って飛べるかや空間魔法を使って飛べるか確かめてみたのだ。

…結果は両方飛ぶ事が出来ると言えば出来るが魔力の消費が半端じゃ無い。


風魔法は宙を飛び回れるが宙で留まることが出来ない、飛ぶより飛ばされているが正しい。

空間魔法は宙で留まることが出来るが自在に動けない、飛ぶより浮いているが正しい。



散々な結果だったが2つの魔法を同時に操れば自在に宙を動けるし留まることも出来るようになるかもしれない。


ただ扱うにはかなりの魔力が必要だが私はまだ2つの魔法を同時に操る技術も魔力もない、

今の私は2つの魔力を同時に放出する事しかできない。



だが、この透明な魔石に風・空間魔法の魔力を籠めれば私の魔力消費量は激減するし石が媒介になるので私が魔法を使う必要もなくなる。



魔石があれば魔力を籠めるだけで技術が無くても問題なし!

何てお得だ魔石!

最高だな魔石!





魔石を購入し私は早速街から少し離れた野原で試してみる事に。




「こんな物かな?」



風の魔力である緑

空間の魔力である黄


その2つの魔力を籠めた透明な石は黄緑色の石になった。



成功か失敗かは試してみないと解らない…。

試してみますか。





「烈火、もし私が落ちてきたら助けてくれる?」

ブルルッ



いいよ、という風に擦り寄ってくれる烈火、

賢い仔だ、魔王が烈火を譲ってくれてよかったなぁ。



烈火と離れ手に持つ黄緑色の石に風の魔力を流せば、私の体は宙に浮き出す。




風魔法により自在に動き回れた、次は留まることが出来るかだ…、

空間の魔力を石に流せば私の体は宙で留まることが出来た。



風・空間とを交互に石に流せば私は自在に空を飛び浮いた。



「やった…やった!飛べた飛べたよ烈火!」




猛烈に嬉しくなった。

魔石のおかげで魔力もちょっとしか消費してない。




魔力を流すだけなので私が魔法を操ってる訳でもない。



暫く飛ぶには魔石を頼らなくてはならないが、

いずれは自力で飛んでみたいなぁ…。




烈火の元に戻った私は早速烈火と魔石を加工してくれる店を探しに行く。



身につけやすい物にしてもらうとして…何が良いかなぁ?

ネックレスか指輪・ブレスレット当りかな?



どんな装飾品になるか思いを馳せながら。





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ