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私はお前らが大嫌い   作者: ヒスイ
11/29

過去編 1話

過去編スタートです。


魔王視点




《そういう訳だ魔王。》

「わかりました。闇の神。」



今俺に念話で話しかけているのは我ら魔族の創造者である闇の神。

俺こと魔王に闇の神がある娘の保護を頼んできた。



闇の神直々の頼みを断るような魔族(バカ)は居ない、俺は直ぐ様了承した。



《では、彼女を頼む。》


そう言って闇の神は念話を終えた。



いつもはた迷惑な発案ばかりする光の神に巻き込まれたとか言う娘も、哀れだな…。

しかも元は人間で光の神の所為で死んで魔族に生まれ変わったとか…。




やはり一度…光の神は〆るべきだな。



幸い俺は闇の神により光の神にも少しは匹敵する力を与えてもらってるんだ、

直ここに来るという俺と同等の力を持つ娘と協力するのも善いかもしれん。



何度も闇の神に迷惑かける光の神は我ら魔族の敵だ、

泣くまで〆るか。




…そう思った時だ。




今俺がいるのは魔王城の謁見室、その部屋の中心に力が急速に集まっていく。




とうとう来たか。

さて、どのような娘だろうか?



力は集まりそこに強力な魔力を放つ渦を生み出した。




そしてそこから表れたのは、肩くらい黒髪に黒眼、

黒い全身鎧を着た娘だった。


娘は辺りを見渡し、俺に気付く。




「お前が闇の神が言っていた者か、よく来たな。我が名は魔王。魔族達の王だ。」

「あんたが…魔王。」

「そうだ、お前の名は?」

「紫穂、井野原紫穂。」

「シホか、…ではシホ。」

「何?」

「お前にはいくつか聞きたい事があるが、まず一番大事な事を聞きたい。」

「聞きたい事?」





どうやら俺に警戒してる様だが、これは最優先事項だからな…、警戒されていようが関係ない。





「お前…俺と一緒に光の神を〆ないか?」

「え?」

《えっ?》

《えぇっ?!》



おっと…シホの声以外の声が聞こえが、

シホを心配している闇の神とただ何となく一緒に聞いて居ただろう光の神の声だろうな。




《ちょっちょっと魔王!何言ってるのぉ!?》

「おや、聞いていたのか光の神…。」

「うわぁ、何かスッゴい悪い顔。」



この時俺はシホ曰く極悪人の顔をしていたらしい。

だがこの時の俺はどうやって光の神を〆るかしか考えてなかったな…。



「勿論、光の神、貴方を〆る為に協力を求めてるんだが?」

《なっ何でそんな事!?》

「何故?それは…」


俺の次の言葉に皆が息を飲む。







「貴方が余りにもー、

周りに迷惑をかけているからです。」


《えっ?迷惑?》

《「あー、確かに…。」》

《ちょっ、そこぉ!納得しないでよぉ!》



自分がどれだけ周りに迷惑かけているか分からない光の神と

納得するシホと闇の神。



「俺はこの世界が出来てからずっと生きてきたが、何度も貴方に迷惑かけられてきたからなぁ。」

「えっ…どんだけ長生きなのよ…。」

「さぁな?俺はまだ闇の神が新米の神の時生み出されたからな、自分でもあと何年生きられるやら。」

《すまんな、魔王…つい加減を間違えて…。》

「いえ、俺は構いません、魔王の代替りとか面倒な事も無いわけですし。」



すまなさそうに謝る闇の神だが…実は知っているのだ、俺が長生きすぎる理由を…。



「ですよね?光の神?」

《えっ?!そっそそ…ソウダネ…。》

「あっ…何か判ったかも。」



シホは察しがいいな。


実は俺が長生きすぎるのは光の神が関わってる等

闇の神は知らない。


というより光の神が怒られるのを恐れ全力で隠しているのだがな…。



「それで?どうするシホ?俺と光の神を〆るか、否か。」

「いいわ、全力で協力する。アイツにやられた分は十…いや、やっぱムカつくから百倍にして

返してやる。」

《何か増えてない!?》



元はもっと少なかったのか…。

だがまぁ百倍返しがちょうどいいだろうな。

俺は何倍にしようか…

千で逝っとくか?



「なら決まりだ。…そうと決まればシホ、早速魔力や剣術の特訓だ。

少しでも自分の力には慣れておいた方が殺りやすい。」

「判った。私の特訓に付き合ってくれる?」

「勿論だ。俺直々に教えてやろう。」



ガッシと手を握り合う俺達。



《うっぅぅ…こっこうなったら僕も特訓だぁ!闇の神!協力して!》

《あっおい!!》

「声…聞こえなくなったみたい。」

「光の神は余程闇の神を巻き込むのが好きらしいな…。」



念話が終わり改めてシホを見る。



「さてシホよ、共に特訓をするとして、それからはどうする?」

「えっ?」

「特訓をし光の神を〆る。だがその後、お前は何もする事が無いぞ?

俺はお前には戦争に参加して貰うつもりは無いからな。」



そう言うとシホは驚いた顔をした。



「何で?私には貴方と同等の力があるのに?」

「確かにな…。だがお前は元人間、それも戦争無い異世界から来た…な。」

「…」

「だからこそ、戦争に参加させる気は無い。」



闇の神も本心はシホに戦争に参加して貰う気はないだろう。

万が一を考え俺と同等の力を与えたが、それはシホの身を守る為だろう。





「本当に戦争に参加しなくていいの?」

「勿論だ。たとえこちらが劣勢になっても、お前に頼る気は無い、俺が出る。」

「そう…。なら私、この世界を見て回ってもいいかな?異世界に来るなんて経験ないし。

この世界で生きるならこの世界の事知りたい。」



少し恥ずかしそうに話すシホ。



世界を見たいなら見てくるといい、

そう言えば瞳を輝かせ嬉しそうにする。



「だがその前に、少しでも身を守る為の力をつけておいた方がいい。」

「判った。光の神を〆るのはもう少しだけ待ってくれる?先に世界を見たいし。」

「構わん。」



じゃあ早速特訓しようと言うシホと共に城の中庭に向かう。









だが、俺はこの後知る事になった。



俺がもっと気をつけていればシホがあんな目に遭わずに済んだのをー。






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