☆67☆ 受験戦争
あ! メッセージだ〜♪ とウキウキしながら調子にのって開いたら辛口メッセージでガクンと机に頭を打ちました(泣
いえ、本当の事なので仕方ないのですが…。
完全趣味で書いてるのでプロとか本になったらとかそんなスゴイ事は考えてないのでヘボくてもお許しください;;
楽しく書いて、楽しく読んでいただけるようなスナック菓子のような手軽さでお届けしてます><
深みがないのはご了承ください( p_q) シクシク
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大きな扉の前であたしは緊張の一瞬を迎えていた。
重いトートバッグの中には問題集やノート。
教科書に筆記用具がつめられていた。
まるで、塾へ行くときと同じ。
重い荷物を両手でしっかりと持って緑川家の大きな玄関の前に立っていた。
「な〜に? チャイム押せないの?」
痺れをきらしたようにあたしのうしろから優ちゃんがひとさし指をぬっと出してくる。
「わっ、だめだめ! あたし言ってないんだから!」
「な〜にが? あたしが来ること言わなかったってこと?」
優ちゃんは頬を膨らませる。
「つーか、言えないだろ? さっき、そこのコンビニで偶然会っただけだし」
背の高い優ちゃんよりもさらに頭ひとつ飛び出た熊田君がぬっと顔をだす。
手ぶらもなんだからと立ち寄ったコンビニに偶然いた熊田君と立ち話をしてたのが間違いだった。
コンビニの前をまたまた偶然に通りかかった優ちゃんに二人でいるところを目撃されて面倒な事になっちゃったんだよね……。
何してるから始まった会話はあっという間にあたしの口から勉強会の事が漏れてしまったという恐ろしい事実。
なぜか、優ちゃんにうしろめたいし。
バラしてしまった事が緑川君にうしろめたかった。
「さーちゃん、気にしすぎ! 別にいいじゃん、緑川なんて気にしない気にしない」
「そーだけど……、今日は勉強しきたんだよ! 怒られるよ! なんかすっごい怖い顔してたんだから! こーんな顔―――」
あたしがカバンを腕に持ち替えて両手で目を吊り上げる。
「ふーん、それで?」
え……。
熊田君のうしろから声がしてあたしたちは注目する。
そこにはコンビニの袋を持った緑川君が立っていた。
その顔、まさに氷の微笑。
「おっ! スイスイ君!」
熊田君が嬉しそうに緑川君の肩を叩く。
「お前、何しにきたんだよ」
「え? オレ? なんか面白そうだから」
熊田君は明るく笑った。
「どうでもいいけど、帰れ!」
「えーっ、スイスイ君の意地悪ーっ」
「スイスイ君言うな!」
緑川君と熊田君は二人で楽しそうに話し出す。
あたしは見られた! と一人硬直していた。
「さーちゃん? さーちゃん! 大丈夫?」
「えっ! う、うん! 驚いちゃったね、家にいると思ってたのにね〜」
あたしは一人で焦る。
「まあ、いいじゃん。説明する必要なくなったし、ラッキーだね」
「優ちゃん……」
こういう時の優ちゃんは本当にスゴイと思う。
「で、何? 松田さんも熊田もくるわけ?」
緑川君は熊田君の手をはらって玄関の鍵をあける。
あたしは優ちゃんの影に隠れて小さくなっていた。
「ダメってことはないでしょ? あたしも勉強教えてほし〜し〜」
わざとらしい優ちゃんの声が緑川君の顔を険しくさせる。
「あっ! そんな顔してもひかないよ! さーちゃんをひとりで男の子の家なんかにいれられますかっての!」
「あっそ」
緑川君は「あがれば?」と玄関のドアを大きくあけた。
「おっじゃましまーす! すっげー」
熊田君はドカドカと遠慮なしに家の中へ入っていく。
あたしはやっぱり優ちゃんのうしろでコソコソと家の中へ。
「すごい家なんだね……外から見ても大きいとは思ってたけど、中はまた……」
優ちゃんも熊田君も口をあけたまま動かなかった。
「上行って」
緑川君が二階へ続く階段を指差すと優ちゃんも熊田君もまるで操られているみたいに動いていく。
「あ、まって!」
出おくれたあたしは慌てて靴を脱いでそろえると、優ちゃんのあとを小走りで追いかけた。
あたしが遅れてうしろからついていくと、緑川君があたしのうしろに立つ。
「言い訳ある?」
うしろから聞こえてくる声に振り向くこともできないで動揺した。
「え……その、なんていうか……ぐ、偶然なんだよ」
「それは聞いた。勉強から逃げたくてつれてきたわけじゃないよね」
「え! それはないよ! ちゃんと問題集やってきた!」
そう、今日のために、あたしは勉強していた。
まさか、わからないとこもわからないなんて恥ずかしいことはできなかったから。
苦手な二次関数も方程式も復習して予習して。
大嫌いな古典もがんばってきたんだ。
その成果をみてもらいたかった。
もう一度、褒めてほしかった。
「ならいいけど。あいつらが勉強の邪魔になるようだったら追い出すからね」
「う、うん」
でも、なんで?
どうして?
あたしの中の小さな疑問。
この話しを出された時からずっと不思議に思ってた。
あんなに高校の方向が反対なのが気にいらなそうだったのに。
どうして、やるだけやれなんて言うんだろう?
滑り止めの私立に行くことになれば通学の電車は一緒なのに。
もしかして……あたしのこと嫌になった?
反対方向の高校へ行ってくれる方が面倒がなくてよくなった?
卒業したら、もう……。
小さな疑問は不安に変わる。
以前のあたしなら一人で悩んでいたと思う。
でも、今のあたしは確かめたくなる。
あたしの気持ちは決まってる。
じゃあ、緑川君は?
同じでいてくれる?
場所が変わって同じじゃなくなっても同じでいてくれるの?と。
「あ、あのさ……ききたいことが……あるんだけど」
階段をのぼりながら、あたしは心臓がドクンドクンと鳴るのを押さえながら小さな声できく。
「え?」
「だから、あの……なんで勉強会なのかなって」
モゴモゴと口ごもる。
そんなあたしに緑川君はきょとんとしてあっさりと「アヤが頭悪いから?」と答えた。
「なっ! そっそれはそうなんだけど……でも東高校は大丈夫だって先生がいってたし。落ちたって私立受かってるもん……それにさ、私立の方が電車が一緒だよ?」
緑川君の言葉に反発するようにあたしはいっきにまくしたてた。
そんなあたしに緑川君はため息をつく。
「勝手だね、前川さんにやるだけやるって言ってたの誰?」
「そ、それは……」
あたしはハッとして言葉を失う。
雪ちゃんには偉そうにやるだけやってなんて言いながら自分は何もしないで、しかも落ちたときの都合のいい理由までみつけてるなんて。
「志望校が東高校になってるなら、やるだけやらないと」
「わかってるよ……そんなのわかってる」
あたしはしょんぼりとして階段をのぼりきる。
階段上で待っていた優ちゃんと熊田君は二階の廊下をキョロキョロとしながら有意義に時間をつぶしていたようだった。
「部屋はここ。はいって」
緑川君は自室のドアを開けるとあの整えられた部屋に招き入れてくれた。
※下にあとがきと次回予告がひっそりとあります。
(あとがきパスな方用に見えないようにしています。
■あとがきという名の懺悔■
本日もご来場ありがとうございました!
今日は短め。本当は途中……。
時間がなくてここまでしかかけませんでした。
ちょっと久しぶりの甘めなので緊張しちゃってどういうふうに突入しようか悩み中。
糖度も調節しなくちゃとか書く前に心配してどーする?って感じです。
調子にのって書いてた時は、楽しくて楽しくてたまらなかったのに。
ひとつの作品として見ると、ダメっぷりが浮き彫りなこのお話。
やはり、そろそろ自分のもといた世界へ戻るころなんでしょうか。
なんとなくではお話なんて書けないんだなと痛感しています。
あと少し、もう少し、こちらで書かせていただきます。
最後は笑っていられるように悔いの残らないようにがんばりますね!
さて次回♪ ☆68☆ 一緒にいたい
今度こそ甘めが書けるかな。
ほぼ完成しつつあるアヤちゃんの恋心をお伝えできたらいいなと思います。




