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☆6☆ 彼の彼女 彼女の彼

おそくなっちゃいました。

どうにも、話がおかしくて・・・いつもの事ですが。

とりあえず、時間をおいてなおします。

  

 教室の中は授業中にもかかわらず、ざわついている。

 午後の授業はただでも睡魔との闘いなのに。

 水曜の5限目は「学級活動」

 3年のこの時期に文化祭はどうなの?という意見も多いのに。

 次は音楽祭が待っている。

 

 「じゃあ、次は音楽祭の事です」

 

 田巻さんはテキパキと黒板に字を書いていく。

 

 「おーい、みんな学級委員の話きけよー」


 担任の山田先生が教室の後ろから大きな声をだす。

 32歳。

 独身。

 自称イケメン教師。

 体育が専門だけあって体格はいい。


 顔は・・・・・・普通?


 

 「緑川君、こっちでしょ」

 

 「あ〜本当だ」

 

 「ダメなんだから」


 「ごめんごめん」


 黒板前で田巻さんと緑川君がプリントを見ながら騒いでいる。

 秀才同士。

 お似合いといえばお似合いな感じだ。

 

 ふざけてばかりの緑川君に対してお世話好きな田巻さん。


 「夫婦ゲンカすんなよー」

 

 クラスメイトの冷やかす声がする。

 

 「夫婦じゃないっ!」

 

 田巻さんは赤い顔で怒る。

  

 「仲良しだけどね〜」

 

 相変わらず誰にでもいい顔をするお調子者の緑川君。

 

 「緑川君っ!!」

 

 「あーっ怒んない怒んない、怒るとかわいい顔がっ」


 「あんたがそうだから、みんなにっ!」


 「いいのいいの、違うんだから相手にしないしない、ね〜」


 「別に気にしてるわけじゃ・・・・・・」


 田巻さんの顔は爆発しそうなくらい赤い。


 「おーい、先生いるんだぞ〜、おまえらイチャイチャするなよ〜、独身、彼女なしの先生に嫌がらせか〜?」

 

 教室に笑いが起こる。


 イチャイチャって・・・・・・。

 先生・・・・・・オヤジ。


 「ひどいな〜先生まで、本命に勘違いされたら困りますからっ」

 

 えっ!?

 緑川君の言葉に教室の中がざわつく。

 

 サラッとものすごい事をおっしゃる。

 本命=あたし、なわけだし。

 こんな事がバレたら、田巻さんやその仲良しグループに何を言われるか・・・・・・。

 考えただけで恐ろしい。


 周囲の反応にもあたしの反応にもまったく気にしてない緑川君は教壇に上がる。

 隣で田巻さんは複雑な顔をしてた。


 ―――――泣きそう?


 そう見えるのはあたしだけ?

 赤くなった顔はみるみる青ざめていく。


 「まだまだひとりに決めるなんてできませんって〜」

 

 ぶっ!

 

 教壇の上で軟派な発言。

 いかにも緑川君らしい。

 

 「ほら、田巻さんはじめるよ」

 

 「あ、うん」

 

 田巻さんの青かった顔がまた赤くなる。


 忙しいことで・・・・・・。


 「お似合いなのにね〜」

 「名物カップルになりそうなのね〜」

 「くっついちゃえよ〜」

 「ヒューヒューっその先までいっちゃえ!」

 と、教室のあちこちからよくわからない冷やかしが聞こえる。

 

 あたしは思わず机にふせる。

 

 ヒューヒューっていつの時代よ・・・・・・。

 みんな、緑川・田巻ペアを望んでるのか・・・・・・。

 知らなかった・・・・・・。

 もしかして、あたしってば本当は邪魔者?

 

 彼の彼女はあたしのはずだけど。

 みんなからみたら田巻さんで。

 あたしはおよびでないわけだ・・・・・・。


 はぁ〜・・・・・・わかっていたけど。

 面倒だな〜・・・・・・。


 「気になる?」

 

 突然、小声でささやかれて飛び上がる。


 ガタガタッ。

 

 ひぃーっ。

 立っちゃったよっ!!


 小声の主をにらむ。

 通路をはさんで隣に座っている優ちゃんは知らん顔しているが。

 犯人くらいわかる。

 

 信じられないっ!

 よりによって今っ。


 「澤田・・・・・・どうした?」


 「い、いえ・・・・・・どっどうしましょう?」

 

 ハハっと情けなく笑う。


 山田先生は驚いた顔をしている。

 きっと黒板前の2人も同じ顔をしてるんだろう。


 どうやってきりぬけようか。

 このタイミングだと変なかんぐりをされそうだし。

 も〜っ優ちゃんめっ!


 キッと隣をもう一度にらみつけた次の瞬間。


 「澤田さんっ、お座りっ!」


 緑川君が犬を扱うように叫ぶ。

 

 「はいっ!」

 

 体が勝手に動く。

 言われるままに着席。

 

 犬かよっ!


 「よろしい、いいこでちゅね〜」


 教壇の上で緑川君は満足そうにニコニコしている。

 その隣で田巻さんがバカにしたようにあたしを見てクスクス笑っている。


 おもしろくないっ!

 

 「じゃあ、音楽祭の事ですが」


 緑川君はここぞとばかりに話題を切り替えた。

 あたしはというと。

 

 「優ちゃんのせいだよっ」


 「ごめんごめん、まさか、立ち上がるとは思わなかった」


 小声で話しだす。


 「めちゃくちゃ恥ずかしかったよっ」

 

 「犬扱いだもんね」

 

 ぷっと吹き出す優ちゃんに言いたいことが爆発しそうだ。


 「見てごらんよ、田巻さんの顔」

 

 「え?」

 

 教壇に立つ田巻さんを見る。

 

 「何?」

 

 特に変わったことなんかない。

 あるとしたら、顔色が普通になった?

 

 「恋してるよね」


 「は?」

 

 「恋してるよ、うん」


 優ちゃんは田巻さんの姿をみつめる。


 「さーちゃんはさ、もっと周り、見たほうがいいと思うよ」


 優ちゃんの言う「周り」というのが何かわからなかった。

 ただの世間知らずとかおくれてるという事なのか。


 ひじをついて黒板前の2人をみつめる。


 恋・・・・・・ねぇ。

 

 緑川君は真面目に音楽祭の説明をしている。

 真剣な顔はあの日の顔に近い。

 大人な感じだ。

 

 あの日、結局。

 家まで手を離してくれなかった。

 家の近くまでくると、「ここまでかな?」ってゆっくり手をはなして。

 顔は暗くて見えなかったけど。

 絶対、捨てられた子犬みたいな顔をしてたに違いない。

 

 前髪、サラサラなんだ・・・・・・。

 

 教壇で説明をつづけている男の子はまぎれもなくあの日。

 あたしから『彼氏』とよばれる称号が与えられた。

 だからって何も変わらない毎日。

 帰る方向も違うし。

 あたしには委員会もない。

 緑川君はいそがしい。

 放課後のおしゃべりもできないほど。


 こんなのが彼氏とか彼女とかいうのなら。

 想像してたよりラク?

 

 ぼーっと『彼氏』の緑川君を見ていると。

 一瞬、目が合う。

 そして、ほんの一瞬、あの日の緑川君の顔になる。


 ――――――ドキッ。


 不意打ちだ。

 あの日の緑川君の声が頭のなかをぐるぐるまわりだす。

 まさにTVで見た不倫しているOL風味。


 アイコンタクトってこういう事を言うんだ!

 誰も気づかない、気づかない。

 大丈夫、大丈夫。


 目をそらした先に田巻さんがいた。

 田巻さんは驚いているように見えた。

 そして、ゆっくりあたしの方を向く。


 数人のクラスメイトの頭を通過して視線が合う。


 そして、驚いた顔をして目をそらした。


 そらした?

 何?なんか悪いことした?

 あれ?

 もしかして・・・・・・。

 ああ・・・・・・そっか。

 あたしを見たんじゃないんだ。

 緑川君の視線の先を、あの笑顔の先を見たんだ。


 って!!

 見てた!?

 気づかれた・・・・・・?


 「甘いね」

 

 また突然、優ちゃんが小声で話してきた。

 

 「アイツもバカだよね、監視されてるのに」

 

 「監視って・・・・・・」


 「でも、あたしも驚いた、アイツ、あんな顔するんだ・・・・・・」


 優ちゃんもため息をもらすほどの緑川スマイル。

 二面性が心をくすぐるのか?

 ってこんな悠長な事いってられませんって。


 「ゆ、優ちゃん・・・・・・バレたかな」

 

 「どうかな・・・・・・放課後になればわかるかな」

 

 田巻さんは決しておとなしい子ではない。

 どちらかといえば行動派。


 きっと動くでしょ。と優ちゃんは鼻をならした。







※下にあとがきと次回予告がひっそりとあります。

    (あとがきパスな方用に見えないようにしています。
















本日もご来場本当にありがとうございますO(≧∇≦)O イエイ!!

教室での出来事を書かなきゃ学園モノにならないんじゃ・・・・・・。

と思っていれてみました。

すでに義務教育から遠くはなれて生きているので。

教室も先生も忘れました。

ってかこんなに不真面目に授業してていいのか?とか考えちゃいました。

こうなったらヤケだーって。


さて次回。☆7☆ 思いどおりにならないココロ(仮

気がつけばもう7話。あれ?6話?

まあいいや。

こんなにダラダラするつもりはなかったのに。

なんだかのびちゃってます。

ゆっくりとお付き合いいただけたらうれしいです。

でわ、また明日のご来場をお待ちしております♪

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