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☆5☆ 告白の次は何がある?

どうしようもないくらいにダメ文章ぶっちぎり。

やっと緑君を出陣させたものの。

男の子という枠が苦しめて・・・。

どうにも耐え難い方は逃走してくださいませ;;

 

 日が落ちてきた島田神社はすこしだけ暗い。

 神社の木々の間から学校が見える。

 

 邪魔はできないからと帰宅した優ちゃんたちと別れ。

 ひとりで神社のベンチに座っていた。


 周りは木で囲まれていて。

 外灯も一本しか立っていない。

 

 別の意味でひとりはキツイ場所だ。


 4時すぎちゃってる。

 いつまで待てばいいのかな。

 寒くなってきたし。

 夕飯までに帰らないとお母さんうるさいしな〜。


 はぁ〜っと息をつく。


 キキッ。

 自転車のブレーキ音で顔をあげる。


 来たっ!!

 

 制服以外の姿を見るのは初めてだった。

 どことなく大人っぽく見えて緊張度アップだ。

 

 「ごめん、待たせちゃって」


 顔の前で手をあわせて、ごめんなさいポーズをしながら向かってくる。

 

 「大丈夫っ!」

 

 声がうらがえりそうになる。


 「はい、これ」

 

 目の前まできて手渡されたのは暖かい飲み物。

 

 「あ、ありがと」

 

 「寒かったでしょ」

 

 さりげなく隣に座る。

 

 「大丈夫・・・・・・」


 「何だそれ、言葉忘れちゃった?らしくないんじゃない?」


 緑川君はあたしの肩をポンポンっとたたく。


 「いつもだったら、『寒いにきまってるでしょーっ』て怒るくせに」


 「なっ!!」

 

 声色をマネをされて。

 勢いよく緑川君の方へ顔を向けてしまった。

 

 「ほら、怒る」

 

 薄暗い中でよく知ってるはずなのに。

 知らない男の子が笑いかける。

 

 「みっ緑川君がマネするからでしょっ」

 

 ぷいっとまた下をむく。


 あの顔なにっ?

 反則っ反則ーっ!

 あんな顔だった?

 もっとこう、ばかっぽくて。

 もっとこう・・・・・・。


 とんでもないヤツだ。

 やっぱりとんでもないヤツなんだ。


 「澤田さんの事なら、だいたいわかるかな・・・・・・」

 

 「え?」

 

 「3年間も同じクラスだったし」


 思わず見つめあってしまった。


 「ごめん」

 

 緑川君は寂しそうに笑う。

 

 「本当はあんな風に言うつもりはなかったんだよな〜」


 空にむかって言っているみたいに。

 声が空へながれる。


 「あっ、あのさっ」


 「何?」

 

 飲み物に口をつけながら横目であたしを見ているのか視線を感じる。

 

 「昨日っ」

 

 「あ〜、体育館?」

 

 わかってますとばかりに緑川君は額に手をあてる。


 「あれもごめんっ、あんな感じの悪いことするつもりなかったんだけど」


 「嫌がらせ・・・・・・?」


 「まあ、嫌がらせかな、効果なかったけど」


 バツが悪そうに笑う。

 

 「すごく・・・・・・すごく嫌だった!」

 

 「え?」


 言葉に力がはいりすぎた。

 緑川君の顔があたしの方をむいているのが目の端にうつる。

 

 内側から震えがくる。

 寒いからじゃなく。

 心臓と共鳴してるみたいに指先が小刻みに震える。

 

 「緑川君が思ってるほど、なんでもない事なんかじゃなかったよ」

 

 手にもっていた飲み物から温度がなくなっていく。

 空は半分、夜になっていた。


 「あたし、驚いたけど・・・・・・」


 嫌じゃなかった。

 言おうとして先を越された。

 

 「ずっと好きだったんだ」


 一瞬、呼吸が止まる。

 心臓が顔にあるみたいだ。


 「澤田さんはおぼえてないかもしれないけど、はじめて話した日から」

 

 「部活を・・・・・・誘った時?」

 

 そんな後じゃないよ、と緑川君は笑う。

 

 「でも、言うつもりはなかったんだ」

 

 「受験だしね」

 

 現実問題。

 中学3年の秋っていったら。

 恋だの友情だの言ってられなくて。

 塾でも学校でも家でも「受験」の二文字しかでてこない。

 

 そもそも、緑川君は学年でも成績は上位にいるだろうし。

 あたしは可もなく不可もなくっていう順位だし。

 同じ高校に行こうね。

 な〜んて事は絶対ムリ。


 「受験とかじゃないよ」


 「ちがうの?」


 「うん、ちがう」


 「このままの方がいいと思ってるだろうってわかってたから・・・・・・かな」


 優しく笑う緑川君は。

 教室での表情とはまったく違って見える。


 こんなに優しかったかな。

 こんなに大人っぽかったかな。

 あたしが子供っぽい?

 教室ではバカっぽくて、うるさくて、子供みたいなのに。

 この人、誰!?

 なんでこんな落ち着いてるの!?


 「・・・・・・変だよ、あたしわかんないよ」

 

 「変・・・・・・かな?」

 

 あたしの答えひとつで緑川君は沈む。

 

 「そうだよっ、わかってたなら言わなきゃ良かったのにっ」

 

 「・・・・・・うん」

 

 「言わなかったら・・・・・・」

 

 こんなにモヤモヤしなくてすんだじゃないっ!

 ずっと笑って楽しかったっ!

 ずっと・・・・・・。

 ずっと?


 「言わなかったら、卒業して忘れちゃうでしょ」


 卒業。

 そうだ、3年間のミラクルもそこが終点。

 考えもしなかった。

 

 「ほら、少しも考えてないしね」

 

 「え・・・だって、うー・・・・・・」


 「焦ったのは事実だけど、本気なんだ」


 まっすぐにあたしを見る。

 外灯が明るくなる。

 

 やっぱり、あたしよりもずっと大人なんだ。

 子供だから。

 なんて言い訳は通用しそうにない。


 二択。

 進むか逃げるか。


 「どうしたらいいの?」

 

 「どうするって?」

 

 「だから・・・・・・告白って、されたらどうしたらいいの?」


 「へ?」


 こうなったら進むしかないっ!

 今、逃げ出してもどうせ元にはもどれない。

 だったら、進むしかないんだっ。

 

 「はいわかりましたじゃ変なんでしょっ!」

 

 赤くなったり青くなったりしているだろうあたしを見て。

 緑川君はニヤニヤしている。

 

 「なに笑ってるのっ?」

 

 「一言でいいんじゃ?」

 

 急に曇った表情が消えて。

 うれしそうに、顔をキラキラさせている。

 

 「わたし〜緑川君の事が好きなの〜って」

 

 「気持ち悪いっ!やめて」


 いつものバカ緑川君だ。


 「言わないの?」


 言うわけない。

 言わない。


 「ご想像におまかせいたしますーっ」

 

 べーっと舌をだす。

 

 次の瞬間。

 グイッっと手をつかまれる。

 

 「わっ!!」

 

 「帰ろう」


 手をつかんだ緑川君は立ち上がってあたしをひっぱる。

 

 「もう6時だよ、送る」

 

 手っ!

 手っ!!

 手ぇ―――――っ!!


 緑川君の手は暖かい。

 あたしの手は冷えきっていた。

 斜め後ろから見える緑川君の耳が。

 赤い?

 

 「冷たくなっちゃったね」

 

 振り返ってあたしの手を両手で握る。

 

 「やっ! ちょっと」


 手をはなしてーっ!

 なにドサクサにまぎれてつないでるのよっ!


 必死でふりほどこうとしてもできない。

 こんなにも力の差があることを実感。


 男の子・・・・・・なんだ・・・・・・。

 

 「うれしくて死にそう・・・・・・」


 そう言った緑川君が。

 本当に。

 うれしそうで。

 こんな緑川君を見れるのはあたしだけなんだと思うと。

 少し。

 ほんの少しだけ。

 うれしかった。

 

 この後、帰宅時間で母に怒られることなんて忘れてしまうくらいには。

 

 


※下にあとがきと次回予告がひっそりとあります。

    (あとがきパスな方用に見えないようにしています。

















ご来場ありがとうございますっヘ(>ロ<)ノ ワーイ

激しく落ちてます。

なんで夏なのに寒い季節にしちゃってるのか。

「寒かったよね」暑いわボケーっ!!てつっこみたくなりました。

しかしながら、最近の中学生恋愛事情はもっとすすんでいるようです。

驚きですが。

ピュアって死語ですか?

もしかして甘ずっぱい恋愛そのものが絶滅してるのかもですね。

知人の息子が高校生で話をきいたら中学生の時から普通に恋愛してたと。

イマドキの子ってすごい・・・・・・。

でも信じたいっ

全国オクテ少年少女同盟!


さて次回。

☆6☆ 彼の彼女 彼女の彼(仮

ぼちぼち学校生活風景でもえがいてみようかな〜とおもいつつ。

また明日のご来場も心よりお待ちしております♪


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