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☆2☆ モヤモヤは恋をつれてくる

 どうやって家へ帰ったのか。

 どうやって部屋に入ったのか。

 

 体がだるい。

 頭も重い。

 面倒くさい。

 

 文化祭終了後。

 三人と別れてひとりで家へ帰ったのはおぼえているのに。

 なぜか頭の中がモヤモヤしていて。

 自分の行動に現実味がない。

 

 「あや。ただいまぐらい言いなさいよ」

 

 「うん・・・・・・」

 

 母の言葉さえも遠い。

 

 落ちこんでいるのとは違う。

 なんだろう。

 この感覚。

 

 部屋に入るとベットへ転がりこんだのが数分前のこと。


 6畳の部屋の天井をみつめる。

 

 窓から夕方のひんやりとした秋の空気がながれこむ。

 

 枕元にあるMP3プレイヤーを手にとって電源をいれ。

 イヤホンを耳にかける。

 いつも眠る時、聴くためにチョイスした曲たち。

 

 ゆっくりと目をとじる。

 音に記憶をまかせるように。

 


 「サワダアヤさん?」


 棒読みな自分の名前に振り返る。


 「一緒のクラスになれてよかった」

 

 見知らぬ男の子は笑顔で立っていた。


 ―――――知らないってのはひどかったな。

 

 入学してクラスにもなじめてきて。

やっと数人のクラスメイトの名前をおぼえた頃。

 

 「誰?」

 

 「ひどいな〜。学級委員長の緑川だよ」

 

 「学級委員長・・・・・・」

 

 人の名前と顔をおぼえるのは苦手。

 特におぼえる必要のない男の子は後回しになる。

 クラスメイトになって1ヶ月くらいではとてもでてこない。

 

 かわいそうな顔してたし。

 あんまりいい出会いっぽくないな〜。

 

 そういえば。

 部活の話をしにきたんだよね。

 

 緑川君は警戒しているあたしを少しも気にしないで話してた。


 「もう部活きめた?」


 「決めてないよ」

 

 「一緒に陸上部なんてどう?」

 

 なんで男の子が自分に話かけてきたのか。

 なぜ誘われてるのか少しも考えなかった。

 

 結局、その誘いは断ってしまったんだったな。

 

 その後から、よく話しかけられるようになったし。

 からかわれてるんだと思ってた。

 

 3年生のクラス替えのときも。

 同じクラスになれたのが本当に嬉しそうで。

 あたしと優ちゃんと雪ちゃんと久美のところへよく来た。

 ふざけては怒られて。

 怒られても嬉しそうに笑ってる緑川君は確かに。

 あたしにとって一番の男の子ではあった。



 コレハ恋ジャナイ。

 


 どこかでずっとそう思っていた。 

 

 副委員長の田巻さんとの仲が噂されても。

 クラスメイトの野村さんとの仲が噂されても。

 あたしは焦りも傷つきもしなかった。

 


 ダッテ彼ハ、アタシノ所ヘキテクレルカラ。

  


 ゆっくりと目をあける。

 部屋の中はすでに暗くなっていた。

 

 このまま・・・・・・。

 このままもう前みたいにふざけたりできないのかな。

 もう、笑ってはくれないのかな。

 

 嫌だな。


 こみあげる気持ちをおさえられなくて、目が熱くなる。


 どうしたい?

 あたしは何がしたい?

 

 自分に聞いたって答えなんかでてこない。


 どうしちゃったの?あたし・・・・・・。

 どうしたいのかって基本じゃない。

 モヤモヤなによっ。

 答えて!あたしっ!

 好きなの?

 これが好きって事なの?

 真面目な緑川君も不真面目な緑川君も。

 好きなの?


 よくわからない。

 好きってどういう事なのかな。

 マンガなんかである偶然も。

 ラブハプニングもないし。

 

 あるのは。

 モヤモヤした気持ち。

 

 何も始まっていないのに勝手に終わらせられてしまった様な。

 これからもしかしたらあるかもしれない『好き』セレモニーすら許されない。

 

 それは絶対いやっ!!

 

 明日は文化祭の代休で学校はお休み。

 

 暇だったら電話して。

 別れ際に優ちゃんが心配そうに声をかけてくれていたのを思い出した。

 

 電話っ!!

 急いで飛び起きる。

 廊下にあるコードレスをとると、すぐに部屋へもどる。

 

 押しなれた番号を早押し。

 

「あっ、もしもし松田さんのお宅でしょうか」


 暗闇の中、コードレスのボタンだけが光る。

 

 「優ちゃん? 明日なんだけど・・・・・・」


 結局、悩んだすえの友達だのみ。

 

 あたしは明日のお休みに友達を招集してみた。




※下にあとがきがひっそりとあります。(あとがきパスな方用に見えないようにしています。

















幼さ全開でお届けしております。

詳しい表記をわざとすっとばして書いてますが。

やっぱり詳しく描写したほうがいいのでしょうか。

まだ試験的に手探りで書いていますが、これからも気持ちを子供の頃にもどして書いていきたいと思ってますので。

よろしくお願いいたします。


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