☆1☆ 秋晴れや文化祭
とても気持ちの良い朝。
絶好の秋晴れ。
昨日の告白の事はともかくとして、最高の文化祭日和です。
何もなかったようにしてたらいつも通りできる。
いつもの冗談に決まってる。
文化祭といっても生徒は何もすることがなく、
全校集会の文化祭バージョンといった感じ。
先生の長い話を聞いて。
その後は、
仲良しグループで他生徒の作品を見てまわる。
「さーちゃん、行くよ〜」
少し離れたところから
背の高い美人さんが手をふってる。
「優ちゃん、まって〜」
一番の仲良しの優ちゃん。
スポーツがよくできて
スタイルもいい。
やさしくて
しっかりさん。
自慢の友達。
親友。
「雪ちゃんと久美は先に行っちゃったよ」
「え〜うそ〜・・・・・・」
「さーちゃんがボーっとしてるからだよ〜」
小走りに廊下をすすむ。
そして、雪ちゃんと久美の姿をみつけ。
いっきに走る。
「ごめーん」
二人においつく。
「いいですよ、いいですよ」
丁寧な話し方なのが雪ちゃん。
「なにやってんだよ〜」
男の子みたいなのが久美。
この二人は対照的なんだよね。
「集会後の人ごみにもまれちゃって」
「ばっかじゃねーの?」
「久美ちゃん久美ちゃん、言葉わるいですよ」
「さーちゃんのせいじゃないんだし」
ポンポンとあたしの頭に優ちゃんの手がふれる。
のそきこんでくる優ちゃんの顔に照れてしまう。
「とりあえず、いろいろ見てこよ〜」
あたしは先頭きって廊下を歩きはじめた。
4人でいるのは楽しい。
いつまでだって話はつきないし。
いつまでだって笑っていられる。
彼女たちがいるというだけで学校は楽しくて。
あたしの世界。
大好きな場所。
おおよその教室をまわり終えて、
最初の体育館へもどってきていた。
「ねえ、あれ緑川じゃない?」
優ちゃんが反対側の隅にいる彼を発見した。
「え・・・・・・」
気まずいな〜・・・・・・。
気が重いな〜・・・・・・。
今日はまだ一度も顔をあわせていない。
あれから何も言って来ないしな〜。
やっぱり冗談だったのかな・・・・・・。
「そういえば、お前はあいつフッたんだろ」
え?
「あ―――っあ―――っ昨日の告白ですねっ」
「あははは。あれはすごかったよね、
告白もダイタンだったけど振りっぷりもすごかった」
ええ??
「だよな〜、あの後アイツ死んでたな」
優ちゃんも雪ちゃんも久美も何言ってるの?
誰が誰を告白?
誰が誰をフッたの?
ええええええ???
「さーちゃんは緑川の事が好きなんだと思ってたのにな〜」
優ちゃんは不思議そうな顔をしている。
つまりだ。
この会話の主人公はあたし?
告白されたのはあたしで。
フッたのもあたし?
いつ??
ええ―――っ!!
いつフッたの?あたしっ!!
「あたし・・・・・・フッたの?」
「えっ!?」
三人が驚きの声を出す。
「お前・・・・・・」
久美があとずさっている。
「あれ? え? う―――ん」
雪ちゃんは一生懸命に言葉を選んでいるっぽい。
「さーちゃん、間違えた?」
優ちゃんのするどいつっこみ。
「やっぱり好きなんでしょ」
「え・・・・・・それは」
どうなのかな?
好き?
え〜・・・・・・そうなの?
わかんないな〜。
そう聞かれるとどうなのかわかんないな。
その時。
反対側から歩いてきていた緑川君があたしを見た。
目があった。
目をそらした。
え・・・・・・。
なんじゃそりゃ―――っ!!
なんで目をそらすの???
なんで?
緑川君はあたしを見ずに友達と通り過ぎていく。
いつもだったら。
いつもだったら、あたしを見つけた瞬間に飛んできて。
くだらない話をして。
軽い冗談を言って。
友達に止められながら。
引きずられて連行されていくのに。
まったくの無視ですかっ!?
スルーだ!!
これが本当のスルーっ!!
な〜〜〜〜〜んかおもしろくない。
モヤモヤする。
「眉間にしわよってるよ」
優ちゃんの言葉でハッとする。
「素直になればいいんですよ」
「だな。おそくないんじゃね?」
三人はわかってますとばかりにあたしを見る。
「んが―――っ!!」
あたしはその場でジャンプして。
うずくまる。
もうやだぁ〜・・・・・・。
モヤモヤする〜。
なんで無視するのよ〜。
なんで変わっちゃうの〜?
だいっきらいっ。
だいっきらいだ。
だからってモヤモヤの理由も
どうしたらいいのかだってまったくもってわかんない。
自分の気持ちだってわかんない。
どうしたいの?あたし・・・・・・。
※下にあとがきがひっそりとあります。(あとがきパスな方用に見えないようにしています。
ちょっと子供っぽいかな?と思いつつ。
楽しんで書いていますv
文章はド素人なので誤字脱字が多いかと思います。
ご指摘はよろしくお願いいたしますv