メール
「松井です。近藤からアドレスもらってメールしてみました。よろしく!」
僕は何度も書いては消し、考えた挙句こんなシンプルな文言のメールを送った。ドキドキしながら送ったそのメールは有希に届いたのかメールアドレスを何回も確認する。
「・・・・」
近藤と僕は黙りながらそれぞれの携帯をいじっている。僕は有希からの返信を待っていたがなかなか来ない。そこで気を紛らわすためにゲームを始めた。しばらくすると近藤が話しかけてきた。
「有希から連絡来たか?」
「こんなに早く来るわけないよ」
「そうか?お前の話したときすごい興味持ってたけどなぁ」
しばらくすると携帯にメールがやってきた。それは待っていた有希からではなく、とある女の子からだった。
「お前じゃねぇよ」
そうつぶやき、その子に返信メールを打っていると、メールが来た。有希からだ。
「こんにちは!橘有希です!これからよろしくね(^^)」
それから3日が経った。あれから僕と有希は一日中メールのやり取りをしている。好きなものの話や趣味の話、さらにはお互いの過去の話まで広く浅く色々な話をした。予備校の昼休み、僕は自習室でセンター入試試験の過去問を解いていた。解き終わった後、有希にこんなメールを送った。
「今日会えないかな?」