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僕しか歩かない道  作者: 林田鋼
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きっかけ

寒空の11月、僕は予備校に通っていた。大学の受験勉強のためである。昼休みに予備校の近くの公園で一人お昼ご飯を食べていた。

「綺麗な空だな」

そう思って上を見上げていると、

「お前はほんとにここが好きだよな」

と話しかけてきたやつがいた。この予備校での数少ない友達の戸田と近藤だった。


僕は二年前に高校を辞め、ずっと引きこもっていた。だがこのままじゃ腐ってしまうと親が配慮し、予備校に通わせてくれた。僕は17歳。周りの人たちは去年の受験に失敗した1つ年上の人たちばかり。僕は委縮していた。そんな中、予備校のイベントで体育祭があった。みんながドッジボールをしている最中、僕は漫画を読んでいた。そんな僕に声をかけてくれたのが戸田と近藤だった。それから、僕と戸田と近藤はよくつるむようになった。


「一緒に飯食おうぜ」

と近藤が誘ってきた。

僕はいつも通りおっけと返答すると、戸田は弁当を広げ、近藤はコンビニで買ってきたカップラーメンをすすり始めた。

「もうじき受験だよな」

近藤がそう言うと

「めんどくさいよな」

戸田がご飯をほおばりながら言う。

この3人は特に行きたい大学があるわけでもなく、真剣に受験と向き合っていなかったため予備校のクラスでも少し浮いていた。

「この後授業あるから行くわ」

弁当を片付け終わった戸田が荷物をもって予備校に向かった。


僕と近藤はしばらくそれぞれの携帯をいじっていた。すると近藤が

「松って彼女いたっけ?」

ととっさに思い出したかのように僕に言ってきた。

僕はいきなりだったから少し驚きながらいないと答えると

「この前元カノと遊んだんだけど、松の話したら結構食いついてきて。良かったらメールしてあげてくれない?」

と言いながら、僕に元カノのメールアドレスを差し出してきた。

「別にいいけど」

と僕は答え、そのメールアドレスを写し、連絡先のメールアドレスの欄にそのアドレスを書き込んだ。

「名前はなに?」

そう聞くと近藤は答えた。

「橘有希」


この橘有希という人がが僕の人生を大きく変えるとも知らずに、僕は彼女に向けて初めてのメールを飛ばした。




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