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短編集  左右対称   作者: 中森 幸一
6/7

入院

----入院-----


病院に通うのとは違って、病院で生活をする。

いつもとは違う日常=非日常

それを味わう人々の間で繰り広げられる出会い。


これは、そんなどこにでもあるようなお話です。


ある日、俺、平山幸一は入院した。

左足を骨折した。

原因はちょっと高いところから飛び降りたことだ。(あほ

それは、ちょうど高校1年の夏休みが始まる前日、つまり終業式のことだった。


「お~い、みんな見ろよ~」

そんなことを言って、塀の上から飛び降りる同級生の平田実。

あのころは俺もガキで……本当にガキだった、と思う。

俺も真似をしてやってみた。

しかし、着地した時に、ポキッ……嫌な音がした。

ということで、俺がけがをした時点で、その遊び(競争)は強制終了した。


全治2カ月ということだが、さて、生まれて初めての入院生活だ。


はぁ~~

ため息をついてみた。

誰もいない。

個室である。

一人で、この部屋で生活するのである。

消灯時間になったら、証明は消えるし、夕食の時間も決まっている。

そしてあまりうまくない。

本当にアホなことをした……

友人が見舞いに来てくれたけれど、

「病院でラブが実るって、安心しろよ」

「可愛い子が入院していたよ。確か二つ奥の病室だ」

という風に、励ましてくれた(面白がっているな)。

なるほど、入院生活も悪くないかもしれないな。

二つ隣の部屋は確か、平里亜由美という人の病室だったはず。

因みに隣は平本一喜という人の病室である。

「彼女できたら紹介してくれ」

そう言って、友人は帰った。



しかし2週間後、それは現実のこととなった。

「はい、あ~んして」

「おいしいよ。亜由美」

この病院の壁は少々薄いみたいだ。

少なくとも両隣には聞こえる。

しかし、そんなことはお構いなしの二人。

廊下にも聞こえているようだ。

時々ドアを開けたままそういうことをするから、通行人は一度足を止めて、声が聞こえる部屋の方を見る。

なんとも微笑ましい光景だった。



あいつらに彼女を紹介してやろう。

まさか、本当に彼女ができるとは…… 




















隣の病室の人に。





----左右対称文庫  短編集~左右対称~ 入院  終----------


この物語はフィクションです。

実際の人物 とは関係ありません。



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