なれそめ
さて、和樹と莉緒のなれそめは…
あれはまだ和樹が九州から上京し、街で仕事につく事なくチンピラとして生きていた頃、和樹は上の人間の言いなりでそこらの女を連れて来いと言われ、そこらを歩いている適当な女を探していた。
莉緒は当時高校一年生、都内でも有名な私立高校に通う女子高生、この日も莉緒は学校帰り、友達数人と街でショッピングをしたり食事を楽しんでいた。
「どんっ」莉緒はすれ違い様に自分よりはるかに背が高い男性にぶつかり、和樹も自分よりはるかに小さな制服の女子高生とぶつかった。
「ゴメンナサイ!」
同時に謝りお互いを見た。
和樹は自分を謝りながら見上げた莉緒を見た瞬間、一目惚れをしたのだ。
「この子だ!」
次の瞬間には和樹は莉緒の右手を取り走り出していた。
莉緒の友人達はただ呆気に取られ見送った。
「ちょっと友達借りるよ!」
そう和樹に言い残されて…。