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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

【黒猫の箱庭】作品集

【黒猫の箱庭】チームプレイが不得手な私はソロプレイで世界を救ってみた。

作者: 黒猫の箱庭

この作品は作者(黒猫の箱庭)が、三が日に一切小説を書かなかったのでそのリハビリに書いた短編である。

内容はタグにもある様にパーティー追放ものだが、達成した事の内容によって「ざまぁ」になっている。

タイトルが内容を75%程物語っているが、「あべこべクエスト」を読んでいればさらに意味が判りやすい。

詳細を知る気があるなら、本文を読む事を推奨する。

作品に関する感想を聞いて今後の参考にしたいと黒猫の箱庭が言っているので、作品に関する意見(この作品以外も含む)も随時募集している。


by ベルフェゴール

「お前をパーティーから追放する。」


このパーティーのリーダーである勇者は私を指差し高らかに宣言した。

私はその追放宣言を何処か遠い出来事の様に聞いていた。

事の始まりは一週間程前に遡る。

Lv1である私は種族と能力の問題で誰からもパーティーに誘われる事はなかった。

だが人間界から来た勇者達一行は私を一目見ると面白がってパーティーに入れたのである。


「魔界にいる竜種なのに人間を嫌うどころか大人しくしているとは面白いな!!」


「もしかしたら魔族より人間の方が好きなのかも!!」


能力の問題で魔界にいる魔族や悪魔にさえ気味悪がられていた私を彼らは面白がった。

しかし、それも時間の問題ではないのか?と頭の中で考えていた私は沈黙を守った。

それを肯定と受け取った勇者達一行は私の手を取りパーティーに加えたのである。

それが間違いであった事はすぐに勇者達一行も身に染みて解るのであるが……


「あ!また勇者が狂戦士になってる!!」


「おい!あれ程、人間と目を合わせるなと言っただろう!!」


邪神と戦う為に世界各地を旅する勇者達一行は私と食べ合わせが悪く衝突する事が多かった

道端で会った魔物に対して無害、有害を問わず平気で襲ったり人間界の街へ立ち寄った際、

他人の家へ平気で入り込み勝手に物を漁ったりと好き放題している勇者達一行に私は言った


「お前達は人間なのだろう?なら、せめて人間界のルールくらい守ったら如何だ。」


「煩いなぁ。お前は竜種なんだろう?なら人間同士の事に嘴を挟むな!!」


私はただ当たり前の事を言った筈なのに勇者は煩わしそうにそれを一蹴した。

規律を守らなければ法律は成り立たず、法が成り立たなければ規則は成り立たない。

秩序なき世は無法地帯と変わりはしない。


(それが解らない筈がないのに何と言う怠慢だろうか。)


「何だよ、その目!何か文句があるのか!?」


「ちょ、ちょっと!!何で急に喧嘩なんか始めるのよ!?」


口で言っても何一つ聞いてくれない勇者に対して私は目で物を言った。

すると勇者は私と目が合った影響で狂戦士へと変貌を遂げた。

私の目には憤怒と色欲の魔力が込められている。

その効果は私の感情にそって働き感情のある生き物、全てに影響を与える。

この力は私自身でさえ制御が出来ず頭を悩ませている。

その為、普段はなるべく人と目が合わない様にしているのだが今日は我慢が出来なかった。


「え?今、勇者のステータスを確認したら何時の間にか狂戦士になってるんだけど!!」


「と、取り敢えず治癒師に頼んでリフレッシュを掛けて貰え!!」


混乱しながらも弓士と槍士の二人が勇者を正気に戻そうと必死に相談していた。

確かに狂戦士は治癒師のリフレッシュで治す事が出来る。

とは言え根本的な問題の解決ではなく一時的なものに過ぎない。

私の魔眼は常時発動型であり、その効果は目を合わせるだけで発揮する。

ただし私の魔眼は鏡で反射が出来る様なものではないので私自身には掛からない。


「何、ボーッと立ってるんだよ!お前が治癒師のところへ行って頼むんだよ!!」


「お、落ち着いて槍士!!何で貴方まで急に怒りだすのよ!?」


私がただ見ている事に不満を感じたのか?槍士が私の胸倉を掴んだ。

その瞬間、私と目が合い槍士もまた狂戦士へと変貌を遂げたのである。

状況が飲み込めない弓士はまたしても混乱した。

混乱したまま槍士を止め様として必死にしがみついた。


「おい!放せよ!!この貧乳!お前は射撃の腕前だけが取り柄のくせに!!」


「な、なんですって!?」


穏便に済ませ様としていた弓士に対して槍士は暴言を吐いた。

私の魔眼は確かに生き物に影響を与える。

ただし、その生き物が本来持っている凶暴性や願望を暴き出すものに過ぎない。

つまり目の前で起きている諍いは元々、彼らが持っていた火種の一部なのである。


「いい加減、正気に返って下さい!!」


治癒師はそう叫ぶとリフレッシュの呪文を唱えた。

勇者と槍士の二人は正気に返ったが元々、狂戦士ではなかった弓士は複雑な顔をしていた。

それもそうだろう。

幾ら相手が正気ではなかったとは言え暴言を吐かれた事実は消える訳ではない。

弓士はその日の内に勇者達一行の下から離れた。

現在、パーティーの構成は勇者、槍士、魔術師、治癒師、私の5人である。


「弓士が離れた原因はお前なんだから、お前が荷物を持てよな。」


「何もそんな言い方をする必要はないんじゃないのか?」


勇者は自分の行いを反省する事もなく、そう言ってのけた。

魔術師は弓士が離れていった原因を別なものと捉え冷静になる様、促した。

一度、欠けたピースは二度と戻る事はなく次々と崩れていった。

まるでボタンの掛け違いの様に……


「魔術師、お前まで俺に指図するのか?」


「いや、そう言う意味で言った訳ではないのだが。」


荒事担当である勇者や槍士とは違い弓士と魔術師そして治癒師の三人は穏健派である。

弓士がいない今、魔術師と治癒師の二人しか穏健派はいない。

他人に対して自己を強く主張する勇者と槍士の二人は魔術師と治癒師の二人には荷が重い。

特にワンマンな勇者は幾ら魔術師が貴重な闇魔法の達人であろうとも容赦しなかった。

自分の意見に逆らったと言うだけで魔術師をパーティーから追放したのである。


「貴方がこんな人だとは知りませんでした!!」


「ちょ、待てよ!お前まで何処、行くんだよ!!」


理不尽な理由で魔術師を追放した勇者が許せず治癒師は勇者と槍士の下を離れた。

弓士、魔術師、治癒師の三人は此処を離れた後、すぐ別なパーティーに拾われたらしい。

私は三人の性格を思い返し、さもありなんと思った。

明るく人に気が使える弓士。

冷静沈着で物事を公平に考える魔術師。

臆病だけど人に真心を持って接する事が出来る治癒師。


(今、私の目の前にいる自己中心的な二人と違い皆に好かれるに決まっている。)


ともすれば遅かれ早かれ、あの三人はこのパーティーから離れる運命だったのだろう。

そう割り切る事にした私は早くパーティーから追放されるか邪神に会いたいと思った。

私を追放するまで勇者は一週間、掛かった。

理由は圧倒的な人材不足である。

原因は勿論、勇者と槍士の性格にある。

私の他に魔術師も注意していたが彼らの行動には明らかに素行不良が見て取れた。

それ故、勇者達一行に対して他のパーティーは常に警戒心を抱いていたのである。

反面、他のパーティーに馴染む事が出来ない者達にとっては入る機会があると言えた。


「お前の代わりに聖女を入れる事が出来た俺は間違いなく邪神に勝てる筈だ!!」


(……筈なのか。)


勇者に対する突っ込みを内心に留めた私は素直にパーティーから離れた。

正直な話、未練は一切ない。

新たに勇者と槍士の仲間に加わった者は聖女、修道士、賢者の三人である。

実際、勇者が言う様にその三人が前にいた三人と匹敵するか如何か?私は知らない。

より正確に言えば今の私にとっては興味がない話なのである。

だから私はどんな結果になろうとも勇者達一行の結末について知りたいとは思わなかった。

魔界と言う名の故郷へ帰った私は其処で幼馴染の兄弟と再会した。

兄のベルフェゴールは感情が読み取りにくい顔をしているが発想力が豊かな人だ。

弟のデジェルは一見、気難しそうに見えるけど情が深く涙脆い性格をしている。

斯く言う私は他人とのコミュニケーションを取るのが苦手で二人に面倒を見て貰っていた。


「カミュ、久しぶりだな。元気にしていたか?」


「お陰様で。そう言う二人は元気だったか?」


私とデジェルは互いに差し支えのない会話をしつつ再会を喜んでいだ。

現在、デジェルは兄と一緒に探索へ出掛ける事があるらしい。

何でも家族や知り合い以外、一緒にパーティーを組んでくれる人がいないのだとか。


(私としては性格も能力も申し分ないと言うのに勿体ない事だ。)


と周囲の見る目のなさに呆れつつもデジェルとパーティーを組むのを今は見送る事にした。

残念ながら今の私はLv1である。

彼らの能力なら私の面倒を見ながらでも行動は出来るだろうけれど、それでは駄目なのだ。

私は彼らの足を引っ張りたくないと言う思いから何も言わず単独で行動する事を選んだ。


「急いでいる様だな。今は聞かないでおくが後で一緒にパーティーを組もう。」


「間があればな。」


その気がない様な返事をしつつ私は二人の傍から離れた。

本当はベルフェゴールとデジェルのパーティーに入りたい気持ちもあるが今は遠慮した。

どうせLv1が入っても足を引っ張るだけなのは解っている事だし何より魔眼の問題もある。

ベルフェゴールとデジェルの二人に魔眼は効かない事を解っている。

だが他のパーティーを知らない私は二人に迷惑を掛ける訳には絶対にいかないのだ。

内心、私は二人との別れを惜しみつつ魔界を出る事にした。

何故なら魔界には旅に出る前の準備をする為に帰って来ただけなのだから。


(さてLv1の私が一人で何処まで出来るのやら確認する必要があるな。)


行く当てがなかった私は取り敢えず人間界へ向かった。

そして人里を襲い作物や家畜などを駄目にするゴブリンやコボルトを退治する事から始めた

最初、私を見て弱いと判断したゴブリンは集団で攻撃を仕掛けて来た。

ゴブリンは集団で攻撃を仕掛ける事を好む。

それは私も知っている事であり彼らは自分より弱い者を虐げる習性がある。

これは自然界における生存戦略の一つであり縄張りを荒らされた場合、強者でも襲い掛かる

巣を襲われた場合、死に物狂いになるのは種の生存の為でもあるからだ。

その点においては人間が一番、怠惰な生き物だと言えるだろう。


「ぎぃぃぃ!!」


「自身が生き残る為なら平然と他人を襲うところは人間と似ているが……」


私を殺そうと牽制を掛けてくるゴブリンに対して私は何か引き寄せる様な仕草を手でした。

するとゴブリン達が持っていた武器がまるで磁石の様に私の方へと吸い寄せられたのである

これは私が持っている能力の一つで相手の武器を奪う事が出来ると言うもの。

ただし一人につき一つであって対象となる数については特に指定されていない。

つまり無制限と言う事になる。

その為、今回の様な事が平気で起きるのである。

ゴブリン達は急に自分の武器がなくなった事に驚き恐怖に顔を染めた。


「自分の感情について素直なところは余り似ていないな。」


そう言いながら私はゴブリン達に武器を返してやった。

するとゴブリン達は二度と人里を襲わなくなった。

これもまた生き物にある立派な生存本能の一つである。

私は自分がLv50になった頃、今度はカルト宗教の団体と戦いを始めた。

邪教の集団は得てして本当に邪神を呼び出す場合があるからだ。

私は人間界にあるカルト教団を潰して潰して潰しまくった。

気が付いたら私はLv100まで成長していたが、そんな事は全く気にも留めなかった。

そして最後のカルト集団を潰そうと奴らの本拠地へ足を延ばした時、敵の教祖に言われた。


「一緒に世界征服をしよう!!」


「断る!!」


私は相手の誘いをにべもなく切って捨てると黒い焔を放って一撃で彫像に変えた。

変に手心を加えるとこう言う輩は何をしでかすか?解らないからである。

だが既に遅かった様だ。

敵の教祖により邪神への生贄として聖女が捧げられており死体が祭壇に乗せられていた。

その足元には勇者や槍士など私を追放した者達の死体が転がっている。

周辺の様子を見る限り邪神はもう復活しているのかも知れない。

そう思った瞬間、私の足元に縋り付いてきた者がいた。

如何にも闇の神官と言った衣装を身に纏った司祭である。


「な、何と言う事を!!」


「私はカルト宗教を潰しただけだ。何も悪くない。」


「いいや!お前は何と言う事をしてくれたんだ!!我らが救世主、邪神様を殺すなんて!!」


「は?」


私が相手の言葉を聞き呆気に取られている間にも、わんわんと泣き出してしまった。

確かによく考えてみればカルト宗教の教祖にしては一昔前の魔王の様な発言をしていた。

とは言えリッチの様な姿をしていればカルト宗教の教祖と間違えても不思議ではないだろう


(……って何を私は心の中で弁解をしているのだ。)


魔王が邪神を倒したと言う事実に動揺したのか?それとも闇の神官に泣かれたからなのか。

理由は何であれ実際には人に害のある者を殺した事に私は何の負い目も感じなかった。

後から来た天使によって聖女の死体は回収されたがその時、神に何故か文句を言われた。


「如何して、すぐに助けなかった!!」


「パーティーを追放された原因を助ける程、魔王がお人好しで良いのか?」


「う、うーん。確かに一理ある。」


思った疑問を素直に口に出したら神も私の事を認めてくれた。


pixiv版

https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=26926328

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