王様<読書
平和な世界。
専属メイド(裏アリ)×次期王様しかしそんなことよりも読書な少年(異世界から召喚された)。
のんびり日常系。
「なんだろう、今日は外がうるさい」
?
まあ、いいや。
本を読もう。この世界ではいくら読書をしても問題ない。俺は読書のために生きている。
本棚を眺める。
「本で埋まる広い部屋。最高じゃないか」
にやける。
今日は祭り、かもしれない。
でも。
祭りとか、どうでもいいです。
「王子様、お菓子を持ってきました」
専属メイドが部屋に入ってくると、笑顔で言う。
手には、お菓子がいくらか入った小さなカゴ。
「王子様?」
「いや、要らないです。本が汚れるから持っては入らないで」
「いいから食えや、引きこもり王子」
「はい、皮はがれた」
いつもの態度、やさぐれメイド。
表では可愛い系、2人きりのときはやさぐれ。実にメイドらしくない。まあ、いいけど。
「祭りなんだから少しは外に出ろよ。一応王子様なんだから」
「あ、やっぱり祭りなんだ。でも俺には本があるから」
「国の大切な祭りでも?」
「うっ」
「自分勝手すぎると追い出されるぞ?」
「うだ」
「異世界から召喚された奴が追い出されたらどうなるのかな? 王子様」
「うっ」
俺は「はあ」とため息を吐き、本を閉じる。
「何の祭り? 王子として何をしたらいい? とりあえず説明してよ、短くわかりやすく、本の続きが気になるから」
専属メイドの少女は舌打ち(メイドなんだけど)をし、
「お菓子と魔族の仮装の祭り、魔族に仮装してお菓子配るんだよ、戦勝記念日だから」
「ハロウィンみたいなものか」
「ハロウィン?」
「俺の世界にもあったんだ。魔族じゃないけどアニメとかのキャラの格好をして街を歩く」
「アニメ? よく分かんないけど似たようなものがあったんだね」
「まあ、俺は無視して読書したけど」
「だろうな」
「お菓子をあげる所もあった」
「知らん」
知らんて。
「なるほど。平和故の祭りなんだね」
「そ。戦いのない世界だから」
「で、俺にも仮装しろと?」
「追い出されたくないならな」
ううん、実に面倒臭い。読書したい。
仮装、魔族に仮装ね。角でもつければいいのか? 見たことないけど。で、お菓子を配れと。
「なんて滑稽な」
「おい王子」
ギロと睨まれる。
「けど、君は仮装してないね。いつものメイド姿だ」
「んな恥ずかしい格好できるかよ、滑稽な」
「おいメイド」
「あ?」
結論。平和な世界の祭りは滑稽。
…。
やっぱり、しないといけないのかな。一応、次期王様だから。
やれやれ。
ストレス発散に皮肉でも言っておくか。
「俺としては、メイドの格好をしているだけで十分仮装なんだけど?」
「やんのか?」
あ、自覚あるんだ。
「…本当にしないといけない?」
「王様になるんじゃないの?」
「… 参ったな、じゃあ今日はしっかり魔族の格好をして、この部屋にいよう」
「外出ろや引きこもり」
読んでいただき、ありがとうございました。
いいですよね、読書。自分は読書だけしていい人生が欲しい。




