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【後日譚①】リードとジェーン

後日譚はSS感覚でお読みください。



異世界に100均が浸透しつつある日々で俺はジェーンに呼ばれて魔の山の神殿を訪れていた。


「ジェーン、用って言うのは……」

「あなたのことよ、リード」


「俺の?」

「私のことを騙せると思う?だてに長生きはしてないのよ」

ジェーンの真剣な表情にドキリとする。


「リード、もし私のことを気にして大事な決断を猶予しているのならそれは違うわ」

「ジェーン……?」


「私はロイド・ノームの妻よ。彼の亡き後、何百年も彼の妻であり続けた事実は変わりないし、私は最期まで彼の妻として(つい)の生を迎えたいの」

「……っ」

胸の中に沸き上がるこの何とも言えない、泣きたくなるような感情はかつては別の記憶と名が持つ感情だ。

それが何より嬉しくて、それでも切ない。切ないと思うのは今の……リードとしての俺だ。


「それにあなたはロイドから最後の贈り物を届けてくれたもの」

ジェーンの薬指には今もなおロイドの妻としての証がある。


「だから今度はあなたの番よ」

「……俺の」

「そう。あの子はずっと頑張ってきた。リリアナちゃんのために、魔女たちのために、今のガーバルフの魔女社会の礎を築いた」

初代は母ちゃんだが、その影にあったのはかつての聖女の献身だ。ロイドの相棒にして……妹。


「そして魂の旅を終えて再び出会えたのでしょう?」

「……うん」

俺は世界を介したがあの子はどうだったのだろうか。ジェーンのようにずっとこちらで待ち続けていたのだろうか。


「だから、幸せにしてあげて」

「……幸せ」

「そう。魔神さまもマキナちゃんもそれを願っている。直接介入できる条件は限られているけど……それでも」

自分の尻拭いのために来た時もあったが、アイツもジェーンのために魔神に許可を得てくれたのだ。


「分かったよ、ジェーン。俺、ちゃんと覚悟を決めるよ」

「ええ、応援しているわ」

抱き合ったその感触は魂が知っている。どこまでも優しく、慈愛に満ちたものだ。



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