【79】GIさんの身体
――――前回のGIさんの話を聞いて思ったことがある。
「じゃじゃじゃーんっ!特製くまちゃんだ!」
それもコーデリアによって首、腕、足も動く特注製!
【正気ですか?】
「正気だGIさん!」
俺の……違った。ロイドの骸にも乗り込める超GIさんならへっちゃらなはずだ!
【私が肉体を持つことは許されるのか……正確には綿体ですけど】
「地球ならありあり!動くロボットにもAI……GIさんみたいなのが搭載されているんだ」
頭の中でお掃除機、ペットロボ、2足歩行ロボを思い浮かべてGIさんにイメージを伝える。やっぱりGIさんも2足歩行ロボがいいかな?
【今の丸い……お掃除機、いいですね】
まさかのそっち!?
【でも、足は欲しいです。耐久力があって、走れる】
ロイドのことがあったからか。身体はボロボロでも、死してもなお、骸を運ぶためには足が必要だ。
「今はくまちゃんだけど」
【……それもいいですね】
そうするとくまちゃんに入ったことが分かるようにGIさんが動く。
『身体を持つのも便利かもしれません』
音声はくまちゃんの中に内蔵した魔法石。定期的に魔力を吸収する必要があるが、GIさんがくまちゃんボディを使って魔改造を初め自動補給を可能にした。
『あなたは今も昔も無茶をし過ぎる』
「……昔っていつのことだ?」
惚けてみればGIさんがやれやれと首を横に振る。
「ふーわー」
おや、ふわわも興味津々な様子でやって来る。
『くまちゃんボディの綿はふわわ殿の黒い綿ですよ』
「ふ~~わ~~」
ふわわが嬉しそうにぎゅっしてあげている。なにこれ萌えるんですけど。
写メ撮って……アダマンタイナ姐さんに送信しとこ。送るタイミングは姐さんに任せないと、兄ちゃんが職務放ったらかして飛び込んできそうだ。あ、でもアンナさんには即送信っと。
お返しに歓喜スタンプとふわわまみーたちとの写真が送られてきて、ふわわに見せるとさらに喜んでいた。
さて、せっかくGIさんが身体を得たわけだし。
「ブレイク、コーデリア、みんな。彼がGIさん。俺たちのことを影からずっと支えてくれた仲間の一員だ」
突然現れた動くくまちゃんにどうなることやらと心配だったんだけど。
ブレイクは……歓喜した。
「くまちゃんごっこしたい!」
ブレイクが壊れた!?いや、いつも通りだ安心しろ、俺。
『……ちょっとだけですよ』
……優しいな、GIさん。ブレイクのくまちゃんと戯れながら、コーデリアやミーナさんたち女性陣にも大人気である。さて、ふわわとのツーショットはまだだが、俺はランベルトさんとユルヤナさんと一緒に、画面の向こうの兄ちゃんと商談である。
自動生産、納品のこと。兄ちゃんに相談すれば、やる気を出せば仕事をきっちりとこなすのは相変わらずである。
話は魔王国からもガーバルフに持っていってくれるらしく、魔王国で開発している魔道具や商品と合わせて配分なども決めてくれるようだ。ああ、いい兄を持ったなあ。ヤンデレブラコンだけど。
さて、そうこうしているうちにルグーベに到着だ!
つまりは……ランベルトさんの故郷だな!




