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【69】ガーバルフ旅行記・後



――――ガーバルフでの旅を終えてグドトッホ公国に帰国した私を待っていたのは大量の公国騎士だった。


森でひっそりと隠れて暮らしていた母さんを探しだしたグドトッホ公国は魔女の知識を利用しようと母さんを連れ去り、母たさんを従わせるために私を捕まえようとしているようだった。


国境の検問で私を捕らえようとしていた公国騎士から助けてくれたのは銀髪の騎士だった。


「あなたはどうして私を……っ」

見ず知らずの私をグドトッホ公国から助けるなんて、公国を敵に回しかねない。

「なぁに……君は将来きっと……」

「……?」

「すてきな熟女マダムになる気がする。……それだけだ」

意味がよく分からなかった。しかしながら彼は公王に堂々と謁見を申し出れば、誰もそれを阻むことはない。もしも私と母さんを自由にしないのなら力ずくでも取り戻し今後一切ガーバルフはグドトッホに支援をしないと。

彼はガーバルフの騎士なのだ。


公王はそれだけは勘弁してくれと懇願した。最近のグドトッホは経済があまりふるわない。ガーバルフからの支援がなければやっていけないのだ。魔女の力を使ってと企んでいたのだが、それもガーバルフにバレたのならガーバルフの魔女たちが怒るのではないだろうか。


それでも貪欲に私たち母娘を利用しようとした。騎士は母と私を再会させてくれた。そして私たちは騎士についてガーバルフに亡命することにした。


私たちはキャリテで暮らすことにした。キャリテの魔女たちも私たちを快く受け入れてくれて、私たちは魔女協会で働きながら新たな生活を始めた。そんなきっかけをくださったあの騎士さまには感謝しても仕切れない。


後にその方はガーバルフの王国名誉騎士ジェイド・ノームさまと知り驚いた。

たまにハテナな言い回しはあるものの、キャリテの魔女協会長セレーヌさんは『不治の病だから聞き流して』と言っていた。うーん……それでいいのだろうか?


そして私たちはキャリテで暮らし、私は地元の男性と結婚し娘もできた。その後偶然キャリテに立ちよったジェイド・ノームさまはきっと私のことなど覚えていないと思ったがちゃんと覚えていてくれた。

「ほら、きっとすてきな熟女マダムになると言ったろう?お母上に似て美しい」

相変わらず彼が何を言っているのかは分からないが、私も母もキャリテで幸せに暮らせているのは彼のお陰だ。彼に感謝を伝えれば、バーガーを食べようと誘われ娘とともにご馳走になった。

キャリテの名物照り焼きバーガー。たまに東部バーガーフェアもやっており、その話をしたら彼は地元の味なのだと喜んでいた。


なお、以前夫に聞いたのだが、ガーバルフの祭の街中で見掛けるあれは魔女の儀式ではなくガーバルフ伝統の音頭らしい。


――――今日も外では軽快な音頭が響いている。


『ガーッバルッフのー血はフルバーガーッ!!』


クラリッサ・ホーリーベル


※※※


「ぐす……っ、いい話だった」

でも何かうちの両親が出てきた気がするんだけど。特に父さん……俺も分かる!クラリッサはとってもすてきな熟女マダムであると……!



第三部再開までもう暫くお待ちください

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