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【41】プラ・スティックに厳しい世界


――――プラ・スティックって何だ。

プラスチックじゃないのか?


「あんの雑草め!」

いや、いきなりどうしたミーナさん。てか……草?


「エルフは森の側に暮らすが……その中でもプラ・スティックは凶悪だ。むしってもむしっても生えてくる。しかも炎魔法で燃やそうにも手間がかかりすぎるんだ」

ひえぇっ!?ミレイユさんまでどうした!?


「はぁ……プラ・ウレタンならどんなに良かったことか……」

ユルヤナさんまで溜め息!?てか何だ……?ポリウレタン……?でも微妙に違うんだが。


「あぁ、旅の途中で見たよ。ドンサ村の周辺にはないから驚いた」

とブレイク。確かに……ドンサ村の周辺にあったら俺も驚愕してるよな。


「ドンサ村……確か東部の海に面した地域ですね」

さすがはユルヤナさん、詳しいな。


「でも山が間にあるので、俺たちは山育ちです」

「ええ。確か回り道が必要なんですよね」

「そうなんですよね」

凡人of凡人の俺はわざわざ山を越えたり回り道をしようとは思わなかった。


「しかしそのお陰かプラ・スティックはあまり生えていないのです。プラ・スティックは海の潮風が苦手らしいのです」

「村には潮風みたいな匂いはしないけど……うーん、植物はヒトよりも丈夫なのかも。でもプラ・スティックも見てみたいですね」


「おや、色んな素材に興味を持つのはいいことですよ」

「ユルヤナさん……!」

その……向こうでミーナさんの班とミレイユさんがげんなりしているが……それほどの代物なのだろうか。


「林道にもあるはずよ」

ミーナさんがその方向を示してくれる。


「お、早速あったな」

そして進めば細い竹のようなものが大量に生えている。慎重としては150~160センチ。ヒト族の成人女性の平均身長くらいだろうか。しかも色はスケルトングリーンである。


ルークさんが1本抜いて俺に手渡してくれる。


「ぼくじょおの回りにもあるよ!」

と、今はコーデリアが抱っこしているふわわ。ちびっ子には危ないかも知れないからな。


「あのね、アンナおねーたんがね。にてるのにちがうって言ってたの」

アンナさんは召喚者である。だからきっとアンナさんもプラスチックのことを考えたのだろう。あ……そうか。アンナさんなら女性だもの。地球の化粧品事情にも詳しいかもしれない。


ともかく今はこのプラ・スティックだ。


よし、GIさん。スキル100均で小物入れみたいなのを作れるかな。頭の中でイメージする。


【その雑草の価値は0ゴルゴルだから顔料や細かなパーツを足しても大量にできるよ。けど素材が足りない】

まさかの0ゴルゴル!しかし素材……?

【そう、素材だ】

虹殻じゃダメなのか?

【できない】

うう……どうすれば。むしろだからこそプラ・スティックは加工されて来なかった……?


「プラ・スティックは加工できないんでしょうか」

「そうだな。プラ・ウレタンならともかく、プラ・スティックは緩衝材が見付からないからできねえんだ」

その……プラ・ウレタン?仮にプラ・ウレタンがポリウレタンのようなものだとしたら、前世日本人の俺からしたら仲間のような感覚だ。どっちも石油が原材料にあったはずである。


「そのポリウレタンってのはどんな素材なんです?」

「プラ・ウレタンな」

あ、こっちではそうなんだ。


「こっちよ」

ミーナさんが案内してくれた岩壁の周囲にはスケルトンイエローの細長い植物が生えている。


「これがプラ・ウレタンよ。プラ・ウレタンは虹殻みたいな素材と組み合わせると加工や錬成にも便利なの!」

どっちも植物なんだな。しかし何でこの世界はプラ・ウレタンに優しくてプラ・スティックに厳しい世界なんだ。



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