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【38】旅の始まり


――――旅団の移動は荷馬車や馬である。道中の警備を務めるものたちは馬移動が多くそれ以外は御者をしたり荷馬車にて商品の整理や情報交換、歓談。なお荷物はできるだけマジックバッグなどを使う。 ブレイクはマジックボックスを持つが在庫管理などのために俺、ブレイク、コーデリアもマジックバッグを持たされている。


俺たちはこれから王都に向かう。俺はユルヤナさんから馬車の手解きを受ける。俺には戦うことはできないから、できるだけブレイクたちのためにできることはしたいからな。ふわわは荷馬車でコーデリアに抱っこされており、ほかの班の女性陣に大人気。ブレイクはルークさんに馬の乗り方を習っている。思えば勇者のイメージに馬ってあまりないよなぁ。馬に乗れた方が確実に楽だし早いのに。

それからミレイユさんも馬で、女性冒険者たちに大人気である。

俺はユルヤナさんと御者をしつつ母ちゃんから届いたメッセージを確認する。魅了や洗脳を解けるかもしれない魔女の解毒薬についてはユルヤナさんやルークさんたちにも話している。必要な素材がゲットできればなおのこと良しだ。


「そちらが必要素材ですか」

「ええ」


――――――


【魅了・洗脳解除用薬】


――――――

どうやら正式名はそう言うらしい。まぁ解毒薬もあながち間違いじゃない。毒のようなものに代わりはないだろう。


――――――


【必要素材】

・虹殻(雪殻は不可)

・ガーバルフ産ミルクゴートの角

・コスメアイテム

※なお、これを混ぜても作れないので、素人はむやみに手を出すべからず


――――――


まぁ、コスメアイテムが含まれている時点で違うだろう。むしろこれは依頼料。本来は高額になったかもしれない依頼料をこれでいいと言ってきたのはやはり母の愛だろうか。


「わざわざ雪殻ではない、ガーバルフ産ミルクゴートと言っていることからこちらでしか採れない素材を代わりに送ってくれと言うことなのでしょう」

「俺もガーバルフにいるしちょうどいいってことなのか。でも雪殻って……」

「魔王国で採れる素材ですね。しかしガーバルフでは雪殻が採れないのでよく似ている虹殻を使うんですよ。しかし何故ガーバルフなのでしょうか」

「うーん、母ちゃんのこだわりかな」

まさかとは思うが惚れ薬が効かなかった親父がガーバルフ育ちだから願掛けでってことか?いや、細かい違いもきっとあるんだろうけど。


「しかし2つとも行き先にあるものですから、問題ないですよ。虹殻はガーバルフ各地のフィールドで採れますし、ミルクゴートの牧場も各地にあります。西部なら酪農も盛んですから良質な素材が手にはいりますよ」

「それなら順調に素材集めができそうです」

「ええ。しかし最後のコスメアイテムと言うのは……」

「うーん……」

コスメとか言われても俺男の子だし。しかしながら考えてみれば前世の100均にはコスメグッズがあったはずだ。

口紅……口紅、口紅、口紅以外出てこない。あと何だ。あ、化粧水と乳液!よくドンサ村のマダムたちがその手の話をしていた!けど……。うーん?


「あの、ミーナさん」

荷馬車にいるミーナさんを呼べば早速来てくれる。


「どうしたの?リードくん」

「女性が好きなコスメアイテムってどんなのがあります?」

「コスメ?そうね……チーク、ファンデーション、アイシャドウとかかな」

前世のCMなどで聞いたことはあるかもしれないな。しかしながら成分がてんで分からない。


「でも急にコスメに興味を持つなんてどうしたの?」

「いや、その。母ちゃんに頼まれて。俺のスキル100均で何かできないかと」

「あら……そう言うことね!それなら王都の店に行きましょ。たくさんコスメショップがあるからアイディアが浮かぶかも!」

「そっか……そうしてみます!」


「では王都ではコスメショップですね」

「いいんですか?」

「もちろん。さまざまな目的を持ってみな旅団に属していますから。それにリードくんのスキル100均、私も期待しているのですよ」

「ユルヤナさん!」

みんなに応援してもらえるのは悪くはない。それに……ミレイユさんの娘さんのためにも素材を集めなきゃな。


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