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【34】商業ギルド旅団



――――商業ギルドには世界中を旅してまだ見ぬ素材や商品を見出だす商隊がある。参加者は商業ギルドが推薦すればどこの国でも種族でも参加できる。その商隊の一団は旅団と呼ばれ、様々な土地を行き来する。


そして俺、コーデリア、ブレイクと俺の腕に抱っこされたかわいいふわわは旅団に加わるべき合流場所にやって来た。


「あなたがリードくん、コーデリアさん、ブレイクくんと……」

「ふわわ!」

ふわわがかわいくお手手を挙げている。超かわいいふわわの様子に迎えに来てくれた淡い茶髪に金茶の瞳の男性もついつい笑顔になる。


「ふわわちゃんですね」

「うんっ!」

本当にふわわはかわいいなぁ。なでなで。


「私はユルヤナと申します。リードくんたちが加わる旅団の名はルグーベと言います。旅団は幾つかの班に分かれていて、旅団の滞在拠点を中心に班に分かれて行動することもあります。時には合同作業もありますが……ともかく、リードくんが属すのは私の班……キャリテ班です」

「キャリテって……ガーバルフの地名ですよね」

ガーバルフでキャリテはドンサ村でも聞くほど有名である。


「ええ、よく知ってますね。キャリテは私の出身領で、私もガーバルフ国民です。よく班長や旅団長の出身地などから名前がつきます。希望があれば別の名前でもいいのですが」

てことはルグーベも旅団長の出身地なんだろうか。だがそれだけではどこの国だとかは分からない。ガーバルフではないだろうけど。


「では早速向かいましょう。旅団長が待っていますから」

「はい!」

俺たちはユルヤナさんに案内され、旅団の逗留地に向かう。そこはまるで大きなキャンプ場のようであり、集まったテントやひとびとも全員商人だろうか。用心棒のようなひともちらほら見かける。商業ギルドにも用心棒はいるが、その用心棒とはまた違った装いや装備のものもいる。旅装備だから……かな。


そしてその中でも大きなテントの前でひとりの魔族の男性が待っていた。

「彼が旅団長です」

ユルヤナさんが教えてくれる。旅団長は深い藍色の髪にインディゴブルーの瞳。ガタイがよく、見た目はユルヤナさんと同じくらいで30代半ば。しかし魔族なので実年齢は別だろう。と言うことはルグーベは魔王国の領地だろうか。今度兄ちゃんに聞いてみようかな。


「よく来た。リード、ブレイク、コーデリア……それから」

「ふわわ!」

「……ふわわ、だな」

その男性はふわわのかわいい挨拶に少し頬を赤らめつつも、気を引き締めるように告げる。


「私がこのルグーベ旅団の旅団長ランベルト・ルグーベ。これからよろしくな」

「はい、旅団長!」

どうやら歓迎してくれているようで何よりである。


「あぁ、あと……」

何だろう……?


「商人仲間のレオンハルトに聞いたのだが」

レオンハルトってメアタワのギルド長か。何だろう?綿花に関することかな。


「……ユリアン・サザンウィッチの弟なのか」

相手が魔族の場合は兄ちゃんが話題に登るのか。いや……親父の息子だって言われて武勇を期待されるよりはましな何かを感じるので、兄ちゃんならいいが。


「ええ、まぁ」

「君も大変だな」


「もう慣れました!」

毎日リードきゅん宛のメッセージが届くんだ。最近では俺の自撮りを条件にメッセージは30件までと言う制約を課している。次の目標は1日20件である。


「……そうか、それならまぁいいが。何かあったらいつでも相談していいしユルヤナでも構わん」

「分かりました」

しかし旅団長ったら俺と兄ちゃんのことも心配してくれるとは……いいひとだなぁ。


「では早速うちの班のみんなを紹介します。こちらです」

俺たちはユルヤナさんについてキャリテ班の元へと向かった。

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