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【33】久々のルフツワ



――――ルフツワの街に戻ってきた俺たちはマリアンやアーノルドたちルフツワの商業ギルドのみんなに迎えられた。


「研修を通して成長した感じがするわ。少し雰囲気が大人っぽくなったかも」

「……マリアンっ!マリアンに褒められて……嬉しい」

熱の籠った目でマリアンを見つめれば。

「もう……ダメよ。夫もいるんだから」

照れたマリアンもかわいいっ!!


「あー……あと、ミケホからの連絡でもちらっと聞いたんだが……お父君に良く似ている」

「ふぐぅっ」

ついにトールさんにもバレてしまったぁっ。

「まぁそう考えれば……納得でもあるな」

うん……?納得してもらえたなら何よりだけど。


「お前あんなすごい騎士の息子なのに……いや、兄貴から聞いたことあるけど、そのひとも母さんのこと口説いてたって」

と、アーノルドが言えばマリアンが『もうっ』と照れる。そんなマリアンもかわいいのひと言に尽きるが。


「アーノルド。俺も父さんも熟女マダムが好きだ。それは認めよう。だがしかし……俺たちは熟女マダムたちを口説きたいわけではない」

どこぞの召喚勇者のようにチーレムを作りたいわけではないのだ。


「俺たちは熟女マダムたちに惚れられたいんじゃない。ただファンとして推したい。ドルとして崇めたい。ただそれだけだ」


「……何かいい話に聞こえて言ってることしょーもないぞ」

「ふぐぅっ」

結構キマったと思ったのにぃっ!!人生とはままならぬものである。


「全くアンタは相変わらずね」

「……マキナ?」


「私はまた旅に出るわ」

「旅って……どこに」


「色々とあるのよ。必要があればまたアンタたちとも会えるかもね。私がいなくてもちゃんとやりなさいよ?」

「う……その、分かった」

どうしてかマキナは俺たちと同い年に見えてやけにしっかりしていると言うか年上のように感じてしまう。いや……女性の年齢を気にするべきではないが……何だか頼れる存在のようにも思えてきた。この不思議な感じは昔どこかで……いや思い出せないな。


「それじゃ」

マキナはまたひとり旅に出るのか。


「ならこれ持ってって。ブロック食」

旅にも最適だろ?


「ふぅん。ありがとう」

そう言うとマキナはまたひとりどこかへ旅立っていった。


「せっかく出会えたのに、残念ね」

マリアンも少し寂しそうに告げる。マリアンは俺たちの気持ちを汲んでくれる優しい熟女マダムだからな。

「でもまたどこかで出会えるわ。リードくんにはまたいい話を用意してるから。でも暫くはルフツワでゆっくりしていてね」

「分かったよ、マリアン」

ちょっと楽しみだな。新たな仲間のふわわとはこれからも一緒だし……まずはふわわの毛並みの手入れだな。


俺はコーデリアとブレイクと共にギルド寮でゆっくりと旅の疲れを落とすことにしたのだった。


――――数日後。


膝の上にふわわを乗せながらの店番は店を訪れてくれるお客にも好評だ。空き時間を使ってコーデリアと100均商品を作ったりふわわをなでなでしたり。商品の紹介を兼ねてコーデリアが毛糸やフェルトアイテムの作り方をレクチャーしたりと楽しく過ごしている。ブレイクは用心棒たちの訓練に混ざったり街の鍛練に呼ばれたりと相変わらずの人気である。


そんな穏やかな日々を過ごしていたある日。


「リードくん。例の話、ようやく話がついたのよ」

マリアンがそう言い俺の元に来てくれた。


「実はね、商業ギルドには世界中を旅してまだ見ぬ素材や商品を見出だす商隊があるのよ。参加者は商業ギルドが推薦すればどこの国でも種族でも参加できるのよ。参加してみない?」

それは……!将来100均を開きたい俺にとってはまたとみない提案だ。まだ見ぬ素材やアイディアを得られる……!綿花の素材の知識のように現地じゃないと分からないこともあるはずだ。素材そのものを見るだけじゃ分からないこともたくさんある。


「もちろん!参加させてください!」

「分かったわ。ふわわちゃんは一緒に行くのよね」

「ええ、もちろんです」


「ブレイクくんとコーデリアちゃんは……」


「もちろん行きます」

「私たちはリードのパーティーだからな」


「2人とも……!」

ならこれからも一緒だな。2人が一緒なら頼もしい。

俺たちは商隊に加わることになった。まずはガーバルフ王国を巡ることになるんだろうが……まだまだ国内でも知らないことはあるし……楽しみだな。



こちらで第1部終了です。第2部まで暫くお待ちください。

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