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【15】100均はキッチン雑貨の宝庫



――――商業ギルドの食堂は広々としており、旅の商人でも街の商人でも、どこかの商業ギルド証を持っていれば利用できるらしく、中には魔族の土地から来たと見られる商人もいる。


「魔族の土地にも商業ギルドがあるのか」

「当然。でないと魔族の土地の素材や製品が手に入らない。ひとの息吹のある場所には決まって商人はいるものさ」

うぅ……っ、姐さんの格言カッコいいっ!


「そうそう、だから魔族の我がいたとしても特に不思議はない!」

因みに魔王とアダマンタイナ姉さんも一緒なのだが。


「アダマンタイナさまだ!相変わらずおきれい!」

「あれ魔王さまだよな?」

「しーっ!プライベートなんだから邪魔しちゃ悪いって」

魔族のみなさんに完全にバレてますが……!?完全に魔族のみなさんの善意でバレてないことになってますが!?


「そう言えばリードたちはどのくらいここに滞在するのだ?」

「2週間くらいです。魔王は……」

「ダークドラグーンでよい」

そのメタメタにカッコいい名前を……!?いや、プライベートに浸りたいのかもしれない、この魔王は。


「だ、ダークドラグーンはどのくらい滞在するの?」

「公務もあるのでな」

普通そうか。魔王とて、一国の主なわけだ。


「明日には城に帰らねば参謀に怒られてしまう」

魔族の言う参謀とは人間の国の宰相的な立場だろうか。


「今回はなかなか有意義な滞在であった。そなたらも魔王国に来る時は我に連絡してくれ」

「あ、私も」

何故かダークドラグーンとアダマンタイナ姉さんと通信番号交換……いやアダマンタイナ姉さんならいつでもウェルカムだ。俺のアドレス帳には出会ったほとんどすべての熟女マダムたちの通信番号があるからな。

もちろんマリアンや姐さんの番号もある。


――――しかし、魔王とも通信番号を交換とは……!なかなかない機会だよなぁ。何たって俺はモブだしさ。でもありがたいことである。


今度こっそりダークドラグーンにアダマンタイナ姉さんの好みを聞いて100均製品をプレゼント……なんてこともできるからな!


「そうだ、リードくん。リードくんが開発してるって言う100ゴルゴル均製品だったかしら……私も幾つか欲しいわ」

「もちろんですアダマンタイナ姉さんっ!お近づきの証にこれを」

最近開発した柄つきマグカップである。試しに柄つけてみたら大成功だった。アダマンタイナ姉さんにはこちらの真夜中のお茶会柄!黒猫とコウモリと満月がキュートすぎるデザイン(作画:コーデリア)である!


「あら、かわいい!気に入っちゃった!」

あぁんっ、アダマンタイナ姉さんかわいすぎるっ!アダマンタイナ姉さんは笑顔がかわいすぎるっ!こんなの……ファンとして貢がねばどうする!


「ではほかの商品も……色々くれ!」

ダークドラグーン太っ腹ぁっ!!

そして計量カップや匙3点セットなどキッチン色々便利セットをお買い上げになった。ふ……っ。100均とはキッチン雑貨の宝庫でもあるのだぁっ!!


「魔王国でも100均……だったっけ。流行るといいわね」

「ま、魔王国でもやっていいんですか!?」


「まぁ商業ギルドは魔王国にもあるからな」

と姐さん。さすがは商人……どこにでもいるし商業ギルドもどこにでも進出してるっ!


「それに魔王領なら……魔法文化も発展しているし、加工費用も魔道機械化できてひとつ辺りのコストを100ゴルゴル均に近付けられるやもしれん」

「あら、いいわね!魔王国でも早速商業ギルドに提案してみるわ!」

おおっ!魔王国の協力で、ついにいけるか100均!?本当に魔道機械化できれば世界に100均を発展させる礎になるかもっ!


そっか……この世界に生きるのは人間だけじゃない。素材だって魔物や家畜に頼ることもある。なら魔族を頼るのも必須と言うことか。魔族を頼れる世界と言うのは素晴らしいな。ほんと魔王がまともな為政者で良かったぁ。


「あ、そう言えば魔王、対戦の予約は!?」

その時ブレイクが思い出したように告げる。


「すまんな、予約はそもそも四天王を倒さねばな」

「ふぐっ」

ブレイクはまだ四天王を倒してなかったか。


「でも代替わりしてからめっきり挑戦者が減っちゃって……今の四天王を超えて挑めるのはジェイドくらいだわ」

父さん……か。


「その、代替わりしたと言うのはあの半仮面の魔族でしょうか」

と、コーデリア。ん……?半仮面?


「うむ、あやつは……好戦的すぎるしたまに我でも制御しきれぬ」

へぇ……その魔王四天王の影響で挑戦者が減ってるのな。


「本来は腕試しだから実力に見合えば四天王が許可出すのだけど」

つまり必ずしも倒さなくてもいいと言うわけか。


「あと単純にやる気ないのよね、あのこ。でもたまに発狂するのはどうしてかしら」

発狂するのかよその魔王四天王。

「あやつは恐ろしいな」

あの勇ましいコーデリアがぷるぷる震えてる!?


「全く……ユリアンったら」

ん……?ユリアン?半仮面……?


「なぁブレイク……そのユリアンって四天王だけどさ。銀糸の混じった黒髪に金色の角じゃなかった?」

「どうして知ってるんだ?リード」

「いや、知ってるも何も……ブレイク、お前覚えてないか……まぁお互いちっちゃかったからな」


「え……?」

ブレイクがきょとんとしてる。


「まぁ安心しとけ。ほんにんには言っとくから」

さすがに近所の妹枠を脅えさせるのはよくないか。

「ねぇ、やっぱりリードくんって最強なんじゃ……」

「うむ……あれに言っておけると言うのは……なぁ?」

アダマンタイナ姉さんとダークドラグーンがこそこそ話してる。うん……?最強?【兄ちゃん】のことかな……?


ま、とにかくほんにんにはメッセージ入れて……。


「ホットケーキお代わりし~ようっと」

俺はお代わりのホットケーキを注文した。



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