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成長

 秋も深まる頃。学園祭の日程と出張が重なり、Deep Rookiesを見に行けなかった。だが、スマートフォンをスクロールしていると、サークルの後輩が投稿した動画が目に入った。


「XX大学学園祭 Deep Rookies 全演奏」


 思わず再生ボタンを押す。小さなステージで演奏する彼らの姿。メインステージではないが、出演できたのはコンテストでの評価が良かったからだろう。


 『Highway Star』では、前回よりも演奏が引き締まっていた。リズムがタイトになっている。ドラムとベースの息が合ってきたようだ。


 『Burn』は難曲だが見せ場も多い。驚いたことに、高音のコーラスパートをベーシストが歌っていた。迫力には欠けるが、きれいなハイトーンだ。ギターとキーボードのソロも派手で、練習の成果が見える。


 最後の『I Surrender』。Rainbowのミドルテンポで哀愁を帯びた名曲だ。演奏は安定しているが、ボーカルがこの曲には合っていない。パワフルに歌おうとしているが、少し無理がある。


 コメント欄を覗くと、同じような感想が並んでいた。


「Burnのギターソロかっこいい!」

「I Surrenderいい曲だけど、もっと普通に歌って欲しいかも」


 リンクからバンドの公式SNSに飛んでみると、驚くべき投稿が目に入った。


「お知らせ:この度、Deep Rookiesはボーカルメンバーの交代を行うことになりました。新ボーカリストによって、よりメロディアスで現代的な楽曲にも挑戦していく予定です」


 投稿の下には、新メンバーを含めたバンド全員の写真。長髪の女子が新ボーカリストだろう。


 村上にリンクを送った。「どう思う?」


 しばらくして返信が来た。


「見たぞ。洋楽はキーが高いから、女性ボーカルの方がやりやすい。メロディ重視ならこちらのほうがいいかもな。また年末のコンテスト見に行こうぜ」


 もちろん、と返事した。

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