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勇者の贖罪  作者: 昏昏
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 この体が憎い。

 どうやっても体の主導権を取り返すことはできない。

 ひどく腹立たしい。


 勇者パーティを滅ぼしたのち、一人で帰ってきた理由を辛勝と勘違いし、優しくお世話をしてくれた王でさえ、殺めてしまった。

 魔王も死にかけだったのか、少しずつ体の自由が戻ってきた。

 完全に戻った時、世界に俺の居場所はなかった。


 魔王はずる賢く、中途半端な数しか殺さなかった。

 助けたはずの人間に石を投げられ、罵られる。


 ひどく、悲しかった。

 

 自分があの時、油断さえしなければ今頃僧侶と幸せな生活を送っていたのだろう。


 絞首台に連れられながら思う。

 どんな理由も、事情も怒り狂った国民の前では無力だった。

 自分を兄のように慕ってくれていた王子が、民衆に宣言する。

 

 「勇者と信じられながらもその身を魔に落とし、わが父を葬り去ったこの魔物を今日をもって処する!!」

 

 雄たけびを上げる民衆。

 口々に早く殺せと、生かしておくなと叫ぶ。

 

 この際、弁明はしない。

 やったことは事実だ。弱かったのがいけない。

 つられる瞬間、王子の声が聞こえた。


 「これで償った気になるなよ」


 どうやったら、償えるのだろうか。

 そう思いながら、意識は闇の中へ沈んでいった。

























 まばゆい光が俺を照らす。


 目を開けると、そこは知らない天井だった。


 なぜ、生きている?疑問に思いながら起き上がろうとし、転ぶ。

 体の違和感に気付き目をやるとそこには幼児だろうか?成熟していないからだがうつる。

 伝承として旅をする中で聞いたことがある。

 曰く、魂は輪廻するということを。

 自分は転生したのだ。


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