ペンネームは、「おおまじめ」
「どっかの文学賞で、『真面目につけたとは思えないペンネームだから減点対象』というのがあったそうですよ」
「なんだそれ」
「某有名な日本の作家の名前を冠した文学賞ですよ。アメリカ合衆国の超有名な探偵小説の原型を書いた作家の名前を、漢字にして自分のペンネームにした大作家おられるじゃないですか。明治の文豪」
「そんな遠回しに言われても分かるか」
「ほら、この二人ですよ」
「黒猫」
「それは題名。ほら、著者名見てください。でこっちの日本の小説」
「おー、うまいな、これ。ダジャレなのに、ちゃんと名前になってる」
「でこの方のお名前を冠した文学賞で、ペンネームが減点の理由の一つになったらしいんですよ」
「洒落がきいてないなぁ」
「まぁまぁ。それで俺、いろいろペンネーム考えてみたんですけどね」
「お前が小説書くって。冗談だろ」
「では、二葉亭四迷先生にあやかりまして、『滋養団 太郎』ってのをお一つ」
「それはふざけてるだろう」
「では、真面目さを訴えるには、『大間 注連』、大先生にあやかって『江戸瓦 鳳』、日本文学の元になる日本語を称えて『赤砂 丹菜』、文学賞全体への関心をよぶために『芥川 将』推理小説用には『是萩 芽衣』」
「誰がダジャレを言えといった。誰が」
「真面目に考えているじゃないですか。真面目に。とくにこれ、大間 注連なんて、注連縄から考えたんですよ。真面目だし、日本の伝統だし、最高じゃないですか」
「考えたって、使わないんだから、そんなの無駄だろう」
「酷いですね。そんなこというなら、俺、『大間 注連』でなにか書いてみせますよ」
「はいはい。ま、せいぜい頑張ってくれ」
おしまい
その他、思いついたものを順次追記予定
ノンフィクション作家用 宇宙鎌 琴香
推理小説作家用 干支華 蘭穂
推理小説作家用 湖南 塔威瑠
推理小説作家用 赤咲栗鼠 亭