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お帰り転生―素質だけは世界最高の素人魔術師、前々世の復讐をする。  作者: 永礼 経


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第53話 ぷーずれ?

 その次の日から4人は、カインズベルク大図書館でともに研究の詳細を話し合って情報の交換をし合った。

 

 まず、クリストファーの求める「レーゲンの遺産」、そこにあるはずの「金属の円盤」について、アステリッドが不意に思い出したことがあると告げたところから始まった。


 アステリッドの「夢」の中にそれらしきものが出てきていたことを思い出したのだ。


「その円盤って、大きさはどのくらいなんでしょうか?」

「え? ああ、なんでも手のひらを広げたぐらいの直径だと文献には書いてあったね。僕も当然実物を見たわけじゃないから本当のところはわからないけれどね」


 アステリッドの質問にクリストファーが答える。


「その円盤、本当に「金属」だったんでしょうか?」

とはアステリッドの言葉。

「どういうこと?」

これに反応したのはキールだった。


「私の記憶、夢ですけど、に出てくるそれはもっと軽い素材でできているようなんですよね。ただ、キラキラと虹のような反射をしているので、金属っぽいようには見えるんですけど……。でも、明らかに重量が違うようなんですよ」


「へえ~、で、それってなんなの?」


「机の上の箱に差し込むと、窓にいろいろな情景が映し出されて音が鳴ったりするようなんです」


 このアステリッドの言葉に今度はクリストファーが反応した。

「あ、そういえばその遺跡の部屋のようなところに無数の箱が並んでいたというような記述もあったなぁ。もしかして、同じもの? なわけないか――」


「いや、あながち違うものだと決めつけるのも早い気がする。とにかく、それについてはもう少し詳しく調べてみたらどうかな?」


「そうね。なんていうか、この4人の関係って、うまく組み合わさっているような気がするのよね。根拠のない、勘? みたいなものだけど」

とはミリアだ。


「あ、わたしもそれ、感じていました。互いに互いの知りたいことの情報やきっかけを持っているような……。なんていうか、「パズル」みたいな感じ?」


「「「ぱずる?」」」

3人が声をあわせて聞く。


「え? あ、あれ? パズルって私言いましたよね? なんだろう、パズルって――。ええと、なんて言うかなぁ、あ、そうだ、組み木細工、っていうのありますよね、あんな感じでこう、複雑にものとものが組み合わさって一つのものを形作る、みたいな?」


 アステリッドが言っているのは、一種の暇つぶし用の玩具おもちゃだ。もともとは大工の連中が建築物のはしらはりを組み合わせる時に強度を上げるために創意工夫して作り出した「木組み」の手法を使って、複雑に組み合わせて例えば一つの立方体を形作ったりしたのが始まりだというが、本当のところは定かではない。

 そんなものを組み上げたり、分解したりして知恵を競い合うという感じだ。


「なるほど、()()()、かぁ。なんか()()()()でいい呼び方ね」

ミリアはその言葉の響きが気に入ったようだ。


「あれ? ちょっと待てよ――」

そう言うとクリストファーが自身の所有するバレリア文字の書物を取り出して、ぱらぱらとめくりだした。

「あ、あった――。これ、パズルじゃないですかね?」


 そう言って彼の人差し指が指し示す箇所をほかの3人がのぞき込む。


 そこにはこういう記述の一つのつづりが記載されていた。


『Puzzle』


「ぷーずれ?」

ミリアが読んでみる。


「そういうふうに発音するのか?」

キールが問う。


「いえ、正確にはわからないわよ? なんとなく共通語の文字に似ている形を当てはめただけよ」


「ぷーずれ、ぷずれ。ぷずる、ぱずる……」

クリストファーが何度か繰り返しているうちに、キールもそう聞こえなくもないとは思った。


 思ったが、寄せて読めばそう聞こえるのは当然だ。が、かけ離れすぎているとも言えない。


「まあ、それはもしかしたら、これからもこういうことがあるかもしれないってとこで留めておきましょう。多分それ以上には今は進まないと思う」

とクリストファーが言った。




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