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お帰り転生―素質だけは世界最高の素人魔術師、前々世の復讐をする。  作者: 永礼 経


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第52話 じゃあここで解散、のはず、だよね?


「じゃあ、みんな、また明日ここで今日と同じ時間に――」

そう言ってキールは帰路につこうとしたのだ。なのに――。


「なんで、お前たちみんなここにいるんだよ!?」


「だって、メイリンさんにも会いたかったし?」

「僕はミリアの従者の扱いだから、ミリアの行くところにはついて行かなくちゃいけないし?」


「――で、どうしてアステリッドまでいるんだよ?」


「一人じゃさみしいし?」


「なんなんだよ、――し? って、そんなとこ合わせんなよ! で、何が一人じゃさみしいんだ? いつも一人で帰ってるだろう?」


「いつもじゃないです! たまには送ってもらっています!」



「はははは、まあいいじゃないか、キールくん。せっかくだから紹介してくれないかねぇ?」

メイリンさんがお茶を運んできてくれた。


 キールは、アステリッドとクリストファーのことを紹介した。ミリアはもう既に会っているからその必要はないだろう。


「へー。で、キールくんの彼女はどっちのお嬢さんなのかな?」


「へ?」


「「わたしです!」」

二人同時に返事を返す。ミリアとアステリッドだ。

(なに? どうしてハモるんだ、そこ――)

となりでクリストファーも目を丸くしている。


「いやいやいや、どっちでもないです!」

慌ててキールが否定してしまう。


「なによ、あんた、どうしてそこ速攻で否定するのよ?」とミリア。

「ええっ? もしかしてキールさん、私のほかに彼女いるんですか?」とアステリッド。


「私のほかにって何? ほかにも何もそんな()()はいません!」

キールは大否定をかます。


 クリストファーは優雅にお茶をすすっている。


「あれぇ? 君は参戦しないのかな?」

メイリンさんがそのクリストファーに詰め寄ると、クリストファーは涼しい顔をして、

「僕は周りが何を言っても関係ないですよ。自分の気持ちには気付いていますから――。あとはそれをどう処理するかだけです」

と、すらっと答えた。


(コイツ、なかなかに曲者くせものだったか――。これではコイツがミリアをどう思ってるのかわからないぞ?)

キールは昼間の馬車の一件から、もしかしてこいつ(クリストファー)はミリアのことを? と思っていたのだが、この回答ではホントのとこどうなのかわからない。


「え? なに? アステリッドとキールってそういう関係だったの?」

とはミリアの言葉。

(ちがいます!)


「そうですよ? ミリアさんの出る幕はもうありませんから」

とアステリッドは返してゆく。

(だから違うと言ってるだろう? 心の中でだけど)


(もう知らない――。すきにしてくれぇ――)


 キールは頭を抱えて、考えることをもうめた。



――――――――



 結局そのあと、ミリアとクリストファーが貴族屋敷区画のミリアの家の別荘に住んでいることが判明した。アステリッドと同じ区画だとわかった為、お茶会の後は3人で一緒に帰ることで合意した。


 不思議なもので、ミリアとアステリッドはその後、意気投合して、キールの話題で盛り上がっていた。クリストファ―にはつまらない話だろうが、彼は相変わらず涼しい顔で微笑んでいるだけだった。


(本当にこいつ男のくせにきれいな顔立ちしてるよな――)

「本当に君、女の子みたいに綺麗な顔してるよね? 本当に彼女とかいないの?」

と、メイリンさんがキールが今思っていたことを投げかける。

 たまに思うのだが、このメイリンさんの鋭さは一種の能力なんじゃないかと疑ってしまうほどだ。


――ほほほ、ようやく気付いたか。彼女の()()も「ギフト」の一つじゃよ。一定の範囲、相手が今考えていることを見抜く能力だ。まあ、彼女自身はこの能力に気付いてはいないけどな。


(なに? おじいさんの声?)

キールは耳を疑った。いや、聞こえてるというより頭に響いてくる感じだから、頭を疑ったのほうが適切なのか? とかどうでもいいことを不意に思ったがすぐさま振り払う。


(「ギフト」ってなんだよ?)

と、その頭に響いてくる声にこれもまた頭の中だけで声を出さずに返してみる。


――転生する際に一つ選べる「持って生まれた素質」のようなものじゃよ。


 明確にいま、質問に答えたぞ? と思ったキールはさらに聞く(念じる)。

(つまり、この世にはそういう転生者がたくさんいるのか?)


――そうじゃ。まあすべての人間がそうではないがな。今が初めの一人目という事もある。そういう者はまだ「ギフト」を持ってないのじゃよ。


(転生は何回まで可能なんだ?)


――それは人それぞれじゃよ。複数回のものもいれば一度もしない者もおる。それについてはわしも何が原因でそうなるかはわからんがの。


(ちっ、「神」もてにならないもんだな――)


――ふん! うるさいわ! まあよい。 それより,少し前に進んだ様じゃから声をかけただけじゃから、ここまでじゃ。頑張ってわしのところまで到達することじゃな。じゃあまたな若造……


(あ、あんた! 名前はなんなんだよ? どこにいるんだよ?)

キールは懸命に念じたが、それ以上返事は返ってこなかった。




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