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十話

投稿し忘れました。すみません。

翠はブランケットを膝に掛けると、ホテルに向かって移動し始めた。周りを囲む黒服の一人が先行し、胸元から取り出した、カードのようなものを自動ドアのガードに見せている。すると、ガードが黒服を自動ドアの前まで促し、中心部分にそっと翳す。すると、ドアが黄金に光を放ち、外からガラス越しに見えるホテル内の光景が徐々に変わっていくのが見える。周りの人たちは、その不可思議な現象を気にも留めていない様子で黒服の立っているドアとは違う、二つのドアを使い出入りしているのだ。


「一般の達には感知出来ない意識外しの魔法が掛けられています。ですから、此方側の人間でない者には認識されないのです」


「......魔法もあるのね」


「ございます。その話も屋敷の方で追々」


「うん。分かった」


 光が消えた時には外から見えた内部の光景はガラリと変わっていた。外から見た時も大きかったが、中に入るとさらに大きい、大型ショッピングモールのような広大なエントランスホール。老人の後ろを大きなトランクケースを三人係で運ぶ羽根の生えた妖精。剣を腰に挿し、受付を行っている学生服の少年。三メートルはあろう巨体を揺らしながら二階へ向かう貴族の着る様な豪華なロングコートに身を包む男性。

 実に様々な生き物達がこの大きなホテルの中を闊歩していた。


 周りに夢中で気が付かなかったが、ないやらホテル内が騒がしくなっている。


「あれが、噂のご令嬢か......」


「何でも、生身で武器なしで国絨を調封なされたとか」


「嘘だろ。特級轟神だぞ......」


「落ち目だと思っておったが刀仙も中々どうして......」


「やはり四族と言った所か」


「それにあの美貌。なんとも可憐な」


「刀仙もこれで安泰ですな」


「何とも羨ましい限り」


 僕が通る所に道が出来、進む。横目に僕を見ながら、口々に何やら言っているのが分かった。


 そう言うことか......。


 無数の興味の眼が僕の身体を刺す。帽子を深く被り直し、視線を若干下に下げ、誰とも目を合わせないようにする。


「絢瀬様。もうしばらくの辛抱でございます」


「......うん」


 僕達の集団を見た受付は、閉めていた窓口を開く。そこに、また、黒服の一人が先行し、話をし始めた。そして、手に持っていたアタッシュケースから書類を取り出し受付に渡す。それを、受付は慎重に熟読し、頷く、それを見た黒服は翠に視線を送り、翠は頷いた。


「......ようこそ。ギルド東京支部へ。お手数でございますが、身分を証明する為の書類をお持ちでしょうか?」


 物腰柔らかな女性の受付がそう言った。僕は、手に持っている兵藤から受け取った封筒を翠に渡す。それを、翠が受付に渡すと『拝見いたします』と書類を取り出し、一指し指で順に項目を追っていきながら確認していった。


「―――はい。書類の方は大丈夫です。最後に、お顔の方を拝見させて頂いても?」


「はい」


 帽子を取り、受付嬢を見る。


「ありがとうございます。チェックリストクリア。ギルドは刀仙絢瀬様を調封士と認めます。さぁ、此方へ。ギルドマスターと硝斉様の所へご案内させて頂きます」

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