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大人になること

作者: 梶原よづ


「これ、お前にやるよ」


遠い日の出来事だ。もう二十年も前になる。幼かった僕らは毎日のように互いの家を行き来しており、その日も僕は彼の家に遊びに行っていた。まだ新築の匂いが充満した綺麗な子供部屋だった。


そんな綺麗さとは正反対の彼が僕に一枚の紙を手渡した。薄っぺらいコピー紙だ。その上に汚い字で何か書かれていた。けれど、汚すぎてよく読めない。今になってもその文字の解読はきっと自分一人ではできなかっただろう。しかし、それは致し方ない。なんたって僕たちはまだ五歳、つまり年長さんだったのだから。カタカナすらまともに書けない僕たちが綺麗な楷書をかけるわけがない。それでも、彼にとってその紙は何よりも大切なものだったらしく、その証拠に、彼は意気揚々と鼻息を荒くして僕の反応を窺っていた。


なんだよ、この紙に一体何があるんだ。


全く意味が分からず、僕はただただ彼の顔とその紙を交互に見つめた。すると、そんな僕を見て彼は大きくため息を吐いた。


「ここに書いてあるだろ」


彼は乱暴に指を紙の上に突き刺した。


「それは分かるよ。けど、読めなくて」


「は?こんなんも読めねーのかよ。バッカじゃねーの?」


いや、僕バカじゃないし。と、心の中でツッコミながら、渋々言われるがままにもう一度文字を見つめた。


「いいか。これは、『ぶ』。わかるか?」


「…ぶ?」


「そう、ぶ、だ」


そう言われればなんとなく見えなくもないような。汚くて読めたものではないが、シルエット的には大体合っていた。しかし、当時の僕たちの間では、濁点を書ける子供は頭がいいという謎の認識があったため、その時、僕は彼のことを頭がいい子供なのだと思った。


「それで、次が『ど』だ」


こんな字まで書けるのか。やっぱりすごいな。感心しながら次の言葉を訊いた。


「じゃあ、これは?」


「それは『う』だ。で、次は『か』。最後が『ん』」



―――ぶどうかん?



「なに、それ」


呟いた言葉は部屋の中に小さく消えていった。聞いたことのない言葉だ。少なくとも、僕に関する言葉でないことは確かだ。ぽかんとしている僕に彼は大きな瞳を向けた。


「いいか?武道館はサイコーの場所なんだ!」


鼻息がかかるほどぐっと顔を近づけてくる。キラキラした瞳の奥に強く大きな野望が見えた。


「俺は絶対にそこに立つ!」


知らなかった。人間がこんなにも獣のようになれることを。まして、それが自分と同い年の幼馴染の身に起こるなんて。想像もしていなかった。


僕は戸惑った。武道館、というものが最高なものだということを。そして、彼が武道館に強い執念を持っていることも。彼は僕のことをじっと見つめていた瞳を逸らし、薄っぺらな紙に視線を落とした。


「いいか。これは、そん時のチケットだ。無くすんじゃねーぞ」


「チケット?」


僕は首を傾げた。すると、彼は呆れたように言った。


「なんだよ、お前。チケットも知らねーのか?チケットっていうのはな、すごく大切なものなんだ。人と音楽を繋ぐものなんだぜ。チケットがあれば俺たちは音楽を聴けるんだ」


残念なことに当時の僕は彼の言っていることの半分も理解できなかった。しかし、彼が一生懸命に話していることから察すると、チケットというのは、とても素晴らしいもので、この紙きれは失くしてはいけないものなのだろう。僕はチケットを握りしめながら強く頷いた。


「わかった。絶対に大切にするよ」


その言葉を聞き、彼は嬉しそうに笑った。


「おう。絶対、トモのこと武道館に連れてってやるからな」


「うん。連れてって、ハジメ。約束だよ」


「約束な!」


僕らは小さな指先で指切りをした。この世の中に絶対なんて存在しない。けれど、僕らは誓い合った。絶対に武道館に行こうって。

なのに、僕は、まだ武道館に行けていなかった。




ただいま。


そう言いながら、玄関のドアを開けると、奥のリビングから聞こえていたはずの水音がぴたりと止まった。妻だ。僕は胸をざわつかせながらドアを閉めた。


築一年と経っていない真新しいマンション。駅からも近い三十階建ての高層マンションはそれなりの値段もしたが、買えない値段ではなかったので即金した。部屋数も多く、二人で住むには十分すぎるほどの広さだ。


リビングのドアを開け、妻の姿を確認する。妻は先ほどまでキッチンで洗い物をしていたらしく、対面式の窓から顔をのぞかせた。


「おかえりなさい。遅かったわね」


表情のない顔で言われる。


「そう?でも、会社から帰ってくるなんて大体このくらいの時間でしょ」


時計の方に視線を移す。指針は八時半を指していた。決して早いわけではないが、遅いということもないだろう。ネクタイを片手で緩めながら椅子に手をかける。そんな僕を見て妻はため息を吐いた。


「ねえ、結婚式どうするの」


「え?」


「だから、結婚式。智浩、全然手伝ってくれないじゃない」


そう言いながら妻は机の上に結婚情報誌をいくつ放り投げるようにして置いた。式場案内誌からウェディングドレスのカタログまで。いつ取り寄せたのか分からないものも多くあった。


二か月前、妻と僕は籍を入れた。しかし、まだ結婚式は挙げておらず、その内、仕事に忙殺される中でその存在さえもすっかり忘れてしまっていた。


「結婚式か。優子はどこがいいとかある?」


僕の言葉に妻は呆れた顔をした。


「式場はこの前決めたでしょ。なんで覚えてないのよ」


ああ、と生返事を返しながら頭の中でどこだったかを思い出す。確か、青山か表参道辺りだった気がする。誌面を適当に捲りながら決めたのでほとんど覚えていない。解いたネクタイを椅子の上に置き、何か食べるものはないかとキッチンへと向かった。そんな僕の背中に向かって妻が言う。


「それで、智浩にはご両親に式の連絡をしたり、披露宴で誰を呼ぶかとかを決めといて欲しいんだけど」


「ん、おっけ」


「ちゃんとやっておいてよね」


妻の言い方はぞんざいで苛立っていた。結婚する前までの彼女とは似ても似つかない。温厚だった彼女はどこへ行ったのだろ。

冷蔵庫の中を見てみたが、パッとしたものは置かれていない。野菜や果物も、まちまちしたものは残っているが、料理を作る気にはなれなかった。


「優子、インスタントってどこに入ってるの」


雑誌を捲っていた手が止まる。


「右の棚の緑の籠の中」


言われたとおりに探すとすぐに見つかった。


「あった。ありがとう」


籠の中から白地に赤の文字が書かれたお馴染みのカップラーメンを取り出す。そんな僕を見ながら妻は言った。


「こんな時間にカップラーメン?太るんじゃない?」


「いや、これしか食べるものないし。作るのめんどくさいし」


「そう」


なんだよ。妻の苛立ちが伝染したかのようにむかむかした感情が心の中を支配した。乱暴にカップラーメンの蓋を剥き、お湯を注ぐ。箸蓋を抑えながらリビングへと向かって行った。妻は僕の方をちらりと見るが、すぐに視線を外し結婚情報誌に目を戻す。その中の男女は嬉しそうに頬を摺り寄せ幸せを噛みしめていた。そんな彼らの顔を僕らに差し替えて想像するなど、今の僕には不可能だった。


気分を晴らそうとテレビのリモコンを探すが、あいにく見つからない。長い沈黙が重くのしかかる。それはまるで、排水溝のヘドロのように気持ち悪く絡みついてくる。秒針の進む音だけが広い室内に響いた。


「ねえ」


妻の声が沈黙を切り裂いた。


「なに」


「来週、私の両親来るから」


「は?来週のいつ?」


「土曜日」


「無理だよ。僕、その日仕事が入ってる」


手帳を取り出し確認するが、その日は休みではなかった。


「休めないの、それ」


「無理に決まってるよ。仕事なんだから」


その言葉に妻は遂にキレた。


「なによ、仕事仕事って。少しは私のためになってくれてもいいんじゃないの?自分にしか興味ないの?毎日帰りは遅いし。私達、やっぱ

りまだ結婚なんて早かったのかもね。あなたが言うから渋々籍入れたんだし。失敗だったんじゃない?」


「そんなこと…」


「うるさい!」


鋭い叫び声が虚空に消えた。妻はしまったというような顔をしながらも、はっきりとした足取りでリビングを出ていく。冷たい部屋にただ一人残される。机の上の花嫁たちが悲しい顔をしたような気がした。


妻を追いかけるべきだろうか。しかし、僕の足は一向に動かない。追いかける気などさらさらないことに気が付いた。それくらい僕の心は冷めきっていたのだ。目の前のカップラーメンはもう伸び切っていて、食べる気にはなれなかった。


はあ、と溜息を吐きながらクラッチバックを手に取る。こんな状態の家にいても仕方ない。気晴らしに外でも行こう。そう開き直り、僕は夜の街へと出かけた。





午後九時の東京は昼間と変わらないほどの明るさがあり、昼間を凌ぐほどの人間たちで溢れかえっていた。右を見ても左を見ても人がいる。家で感じていた孤独さなど一瞬にして忘れられた。


道を歩いていくと、見慣れた赤い提灯を見つけ、否応なしに心が落ち着いていく。その灯に引き寄せられるようにして歩を進める。


その時、突然声を掛けられた。驚いて振り向くと、そこには眼鏡とマスクをした同世代くらいの男が立っていた。男は俺の顔を覗き込むと、一人納得したように頷いた。


「やっぱり、青山じゃん。久しぶりだな。覚えてるか?」


そう言いながら男は眼鏡とマスクを外した。


「あ…」


懐かしい。昔よりも艶やかな顔立ちになってはいるが、この声を忘れることはできなかった。まさか、こんなところで会うなんて。


千年(ちとせ)?」


「おう!元気してたか?」


千年朔(ちとせはじめ)。彼こそ家が近所でよく遊んでいた幼馴染のハジメだ。高校は別の所へ進学したが、それまではずっと二人で一緒の時間を過ごしてきた。連絡もろくに取っていなかったから、こうやって話すのは成人式以来だ。つまり、およそ六年ぶり。お互い、おじさんになったな。感心していると、千年が僕に聞いた。


「これから用事あるか?」


首を横に振ると、彼はにこりと笑い目の前の居酒屋を指さした。僕はそれに苦笑いしながら頷いた。


店内は会社帰りのサラリーマンで賑わっており、僕らは座敷へと通された。三畳ほどの小さな座敷だが、窮屈さは感じなかった。隣との垣根が低いからかもしれない。荷物を隅に置き、紺色の座布団に腰かける。


「なんか頼むか?」


千年がおもむろにメニュー表を広げる。しかし、食欲が湧かず、ビールだけを頼むことにした。


「なんだよ。腹でも壊してんのか?」


意地悪そうに聞いてくる千年に昔の面影が重なった。あの時から年を取っているはずなのに、こういう表情はまるで変わらない。幼い頃のまんまなのだ。自分の汚い笑顔を思い出し胸が痛くなる。


「ちがう。最近色々あって食欲がないんだ」


「マジかよ。社会人は大変だな」


僕に構うことなく、千年はビールとから揚げを注文した。彼のこういうところも変わっておらず、逆に心配になってきてしまった。


「そっか。千年は結局、就職しなかったんだっけ」


「おう。今もあの時のメンバーでバンドしてるよ」


明日もライブがあるんだ、と言いながら嬉しそうに運ばれてきたビールを呷る千年。羨ましかった。自由に生きている千年が僕は心底羨ましかった。一般的に見れば、高給取りで高層マンションに住む僕の方が憧れられる人間なのに、どうして、千年のことが魅力的に見えてしまうのだろう。バンドなんてたかがフリーターだ。いつ仕事がなくなるかもわからない。最近の活動はよくわからないが、きっと大して有名にもなっていないはず。それなのに、どうして、千年は楽しそうに生きていられるのだ。


ビールに口をつけると、苦い炭酸が口いっぱいに広がった。僕はいまだにビールの素晴らしさがよくわからない。これが分かったらなにか変われるのだろうか。


「どうしたんだよ、辛気臭い顔して」


千年が僕の方をじっと見つめる。


「いや、うだつ上がらないな、と思って」


「うだつねぇ」


「あぁ。もう、どうしていいか分かんないよ」


項垂れるように机に顔を突っ伏した。ビールの炭酸の音が耳元で聞こえる。シュワシュワと何個もの気泡が生まれ消えてゆく。隣の座敷からは年若いサラリーマンを呷る声が聞こえてきて、同時に歓声が響いた。一気飲みをしているらしい。賑やかさが鬱陶しい。心がごちゃごちゃになっていくのを感じた。


「俺でよかったら、相談乗るぞ。大した事言えねーけど」


コップにビールが注がれる。僕はありがとうと言いながら注がれたビールを飲んだ。やはり、あまり美味しくない。溜息を吐いてから今日の出来事を語った。


千年は聞き終わると、困ったような顔をして笑った。


「はは、そりゃあ、災難だったな」


「笑い事じゃないからね」


「悪い悪い」


そう言いながらも笑う千年からは罪悪感を毛ほども感じられなかった。


「はあ、そうか。だから、今日は変な顔ばっかりしてたんだな。やっと納得がいったよ。そうかそうか。大変だな、結婚か。俺ん時も結構もめたからな」


「そうなんだよ。こっちは挙げるかどうかも検討中なのに、挙げる前提で話進めてるからさ。参っちゃうよね」


千年の薬指をちらりと盗み見る。すると、そこにはきらりと光る指輪が確かに嵌められていた。千年が同じバンドメンバーと結婚したのは三年前ほど。友人たちの間でもかなり早い時期だったので、よく覚えている。


「もしかして、青山の奥さんは今、マリッジブルーってやつなんじゃないか?」


聞きなれない単語に首を傾げる。


「なに、それ」


「結婚前後に起こる鬱みたいなやつだよ。奥さん、故郷を離れてこっちに来たんだろ?だったら、なおさら不安になるさ」


確かに、優子の地元は新潟だ。たまたま出張先で出会ったので、結婚後はこちらに引っ越してきてもらったのだ。仕事も今はやめてしまったし、不安なことが多かったのだろう。そう思えば妻の態度も頷ける。


「僕、優子に謝った方がいいかな」


「ああ、謝った方がいいな」


「嫌だな、謝りたくないな」


「いや、ここは誠心誠意謝るべきだ。大人になれば我慢しなけりゃいけないことがあるんだ。男は度胸だろ」


それは関係ないじゃん、と言いながらも心がすっきりしていくのを感じた。誰かに悩みを打ち明けるのはいい。なんだか嬉しくなり、途端に食欲が湧いてきた。僕は千年の注文した唐揚げを口に入れ頬張った。肉汁が口いっぱいに広がり幸せに満ちていく。


「おい、唐揚げ取るなよバカ。それは俺の唐揚げだ」


「うるさいな、親友だろ、僕たち。親友の食欲を満たせて幸福だと思え」


「なんだよ、その理屈。代金は払ってもらうからな」


「わかったよ」


クラッチバックから財布を取り出し、残金を確かめる。すると、その拍子に一枚の紙がテーブルの上に舞い落ちた。手垢のついた、黄ばんだ長方形の紙。それは、幼い頃に千年から貰った武道館のチケットだった。千年はそれを拾い上げると、懐かしそうに眺めた。


「お前、まだこれ持ってたのかよ」


言葉では馬鹿にしているように聞こえたが、その表情は緩み嬉しさを隠しきれていなかった。


捨てれるわけがない。あの日のことは一生忘れない。指切りをしたての感触を僕はまだ覚えている。


「武道館、連れてってくれるんでしょ?」


僕がそう言うと、千年は苦笑を浮かべた。


「まあな。でも、お前このチケットじゃ…」


と、その時、机の上にビールがぶっかけられた。何事かと思い、ビールの飛んできた方を見ると、そこは隣の座敷で、どんちゃん騒ぎをしていた最中だったようだ。僕らがそちらを見た瞬間、その騒ぎは水を打ったように静かになり、一瞬にして店内の時が止まった。


机の上の浸水は酷く、大切にしてきたチケットももちろん水浸しになってしまった。隣の客たちはすぐに謝ってきたが、やはり落胆は隠せない。そんな僕に向かって千年は言った。


「これ、お前にやるよ」


「え」


「ほら、手出して」


右手を差し出すと、そこに何かを押し付けられる。見ると、なんとそこには紛れもない正真正銘の武道館のチケットがあった。


「これって…」


「俺のバンド。来月、武道館でやるんだ。遅くなってごめんな」


掌に置かれたチケットは、今まで見てきたどんなチケットよりも輝いて見えた。表紙にははっきりと千年のバンド名が記載されている。ちゃんと読める楷書でプリントされていた。濁点付きの汚いひらがなじゃなくて、武道館の文字は漢字で書かれていた。


「そっか。そっか、千年…」


僕は嬉しくて思わず涙をこぼした。約束なんて守れないから、しないほうがいいし、絶対なんてないから、指切りもしない方がいい。そう思って生きてきた。


大人になるにつれて、やりたい事が制限されて、うまくいかないことが増えた。イライラすることも増えた。それは全部、大人になったせいだと思っていた。我慢することも、嫌な思いをすることも、それらは全て大人になることだと思っていた。


けれど、目の前のこの男は僕との約束を守ってくれたのだ。ずっと前に交わした幼い頃の約束を。忘れずに、守ってくれた。千年はずっと千年で居続けたんだ。夢を諦めずに、自分に正直で居続けた結果なんだ。


「千年、ありがとう」


僕の言葉に千年はニカッと笑った。


その後、僕らは居酒屋を出てそれぞれ帰路に着いた。幸い、衣服などは濡れておらず、浸水事件は平和的解決となった。


家に帰り、僕は寝室へと向かった。ベッドの上には背中を丸めた妻の姿があった。僕はその背中に抱きつき、精一杯謝った。大人げないかもしれない。けれど、僕はそれでいいと思った。


妻は僕が平謝りするのを見て困惑したが、次第に落ち着きを取り戻し、僕を優しく抱きしめてくれた。体が温かくなっていく。もうイライラなんてなくなっていた。


やがて、掌につつまれたチケットを見つけると、妻は不思議そうにそれを見つめた。


「なあに、これ」


「ん?」


「武道館?」


「そう、武道館」


「なんでこんなの持ってるのよ」


「聞きたい?」


「うん」


「じゃあ、話してあげる。すごく長い昔話なんだけどね」


僕は妻を抱きしめながらゆっくりと思い出を話し始めた。




読んでくれてありがとうございました!

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