その５ 巨人
「ギルドに馬鹿な依頼が出てた」
「何」
「巨人を捕まえてきてくれって。報酬は捕まえた対象次第で、青天井で出すって」
「……それ誰が出した？」
「魔導士ギルドのお偉いさん。魔獣研究の第一人者って呼ばれてる奴らしい」
「……馬鹿だな。馬と鹿の魔獣研究でもしてろよって思うわ」
「俺もさすがにそう思った。多分ユニコーンの研究はしてるな」
「巨人ってさ、神だって言われてる連中だろ？ それ捕まえようとするとか……ありえへんわ」
「そいやー巨人ってさ」
「今度はなんだ」
「巨人の国とかあるんかな」
「あるんじゃね？」
「どんな国かな」
「普通に王国とかじゃね？ 巨人ばっかだけど」
「んじゃー巨人の王とかいるんだろうな」
「いるんだろうな」
「どうやって王決めてんだろな」
「そりゃあ、普通強いのが王になるんじゃね？」
「どういうのが強いんだ？」
「普通に力比べとか」
「巨人だからどいつもこいつも強そうだけどな……」
「ああ、奴ら棍棒とか持ってるらしいから、棍棒でなんか決めるんじゃね？」
「そういや奴ら岩投げてくるらしいぞ。普通の石みたいに」
「じゃあそういうので決めるんだろ。より遠くに飛ばした奴とか、より速く投げられる奴とか」
「棍棒の出番ないじゃん」
「じゃあ、投げた石をどれだけ上手く棍棒で打ち返せるか」
「その打った石がどれだけ遠くに飛ばせるか、とかな」
「なるほど、その打った石で敵を葬らんとするとか」
「となると、王を決めたら、その王を守る巨人の軍があるんじゃないかと」
「巨人軍か……こええな」
「そいつらが進撃してくると、一斉に石投げてくる。こう、ぐわーっとすっげースピードで」
「城壁ヤバそうだな」
「まあ人間も負けじと投石器とかで対抗するが、それは棍棒で打ち返される危険性が」
「でも巨人の投石は人間打ち返せないじゃん。ますます巨人軍に勝てる気がしない」
「巨人の王ともなれば、打ち返した石が街の外にまで飛んでいくぐらい、強烈に打ち返す」
「打ち返しすぎだろ……巨人の王ってより、世界の王みたいな勢いだな」
「投石器からの石もガンガン打ち返す。もう他の誰よりも」
「打ち返す打率高そうだな」
「普段から自軍の投石を打ち返す練習とかしてるだろうし」
「なるほど、もし他の巨人軍と戦っても大丈夫な感じで」
「巨人同士で戦うより、他の怪物と戦ったりするんじゃねーの？ 勢力争い的に」
「例えば？」
「巨人てのは、神にも近い存在って言われるぐらいだから、龍とか」
「虎とか？」
「なんで虎」
「昔から『竜虎相打つ』なんていうぐらいだから、虎もそのレベルなんじゃね？」
「そうかなー……じゃあ獅子もおｋな感じ？」
「俺は巨人を空から攻めるぜ！ってな具合で、鷲とか鷹とかも攻めてくる。ツバメみたいな高速ヒット＆アウェイ戦法使ったり」
「陸上なら勢力的に人間の戦士も軍団で攻めるな。飼ってる牛の群れとか突っ込ませたり」
「空と地上の勢力はいるが、海の勢力いねえな」
「リヴァイアサンみたいなの？ そういうのが敵に回ったら、海から津波とかで攻撃してくんじゃね？」
「海やべえな」
「魚も援護する」
「役に立つのかそれ」
「わからん。ただ大量に押し寄せてくるときめえ」
「龍とか、巨人相手だからってもっとやべえ攻撃してきそうだよな」
「魔法使えるもんな」
「メテオストライクみたいな、流星落として攻撃とかしそうだ。それくらいでないと効きそうにない」
「多分巨人も打ち返して返り討ちにしそう」
「巨人もうなんでもありだな」
「巨人だからな」
「それはそうと」
「何」
「あいつら、服着てんのかな」
「は？ 着てるだろ？」
「どこで手に入れんの。自作？」
「じゃねえの。売ってるとは思えん」
「じゃあどんな素材使ってんだ？ 布なんか、どんだけあっても足りねーだろ。てか布使ってるなんて聞いた事ねえし」
「毛皮とかじゃね？ 虎の毛皮とか？ 鬼はそういう歌あるじゃん。多分巨人も似たようなもんだと思われ」
「じゃあさ、あいつらパンツ履いてんの？」
「……多分」
「鬼だったら虎のパンツ履いてるっていうけどさ、あいつら虎の毛皮程度で間に合うの？」
「……サイズ的にブーメランパンツみたいなギリギリサイズだろうな」
「もし履いてなかったら？」
「……丸出しかあ……」
「なんかヤだなあ、そんな連中相手にすんの。頭の上でブランブランされるとか。雫落ちてきそう」
「そんな奴はもいでやればよろしい」
「彼女持ちリア充か」
「下から槍で刺すとか、ロープ引っ掛けてもぎとる」
「やめろなんかタマがヒュンッってなる」
「まあなんつーか、巨人だけに、巨チ○丸出しで」
「下っ品なダジャレオチかい」
平和的にスポーツで解決しようぜ！
とりあえずここまで一気投稿です。
続きは明日以降随時掲載します。
書き溜めネタが尽きたら、続きは不定期掲載になります。
