0 これまでの人物や言葉の設定
この作品は作者のシリーズ物の7作品目でシリーズ最後の作品となります。
そのため以前の作品の強いネタバレとなりますし、話も分かりにくいと思いますので個人的には5作品目の「氷海のマーマン」と6作品目の「マーマンと海に降る雪」を読まれることを推奨します。
テル
主人公。人間の時の名前は佐賀 輝彦。
冴えない40歳サラリーマンだったが死んで、生き返ったらイワシになっていた。魚の時の名前はイワ士。ジンカの業を受けて、マーマンとなる。現在は100名の兄弟が同じく魚人となっている。
戦闘は一般兵士より強い程度だが瞬発力には自信がある。周りの女性から好意を持たれているのに気づけていない。特殊な力として、生まれ変わってから自分のステータスを見る能力が身についた。
イワシ魚人の種族能力である『共感能力』の受信部分がうまく機能していない。
タコス
支配者その1。
魚人ではなく支配者という種族で、他の魚人とは根本が違う。ジンカの業という魚を魚人にする技が使える。
外見は赤い髪に赤い服を着ているただの男の子だが、7つある海域を全て支配する野望を持っている。目的は世界征服であり、現在はマカレトロ以外の6つの海域を支配している。
幼馴染のスイカと付き合うこととなった。
マカレトロの支配者であるダゴンとはなにか訳がありそう。
スイカ
支配者その2。
アーラウト海域でタコスと支配者の地位を争っていた。現在はタコス陣営で内政を行なっている。
タコスと不本意ながら付き合うこととなった。しかし、まんざらでもない様子。
フーカ
ヒロインその1。
元はサメで、種族能力『鮫肌』を持っているため、防御力ナンバーワンを誇っている。外見は大人びているが中身は生まれたばかり。
近頃テルへの好意を自覚したものの、それがどういうものか理解できていない。
ノエ
ヒロインその2。
魚の口をのぞくとよくコンニチワする寄生虫。
テルのジンカに巻き込まれジンカした魚人。種族能力として最大1mから5cmまでサイズ変更が可能。
非常に物知りでテルもその知識に助けられたりするのだが、普段はテルの口の中におりあまり人前には出てこない。
テルへの愛情をフーカに話した。しかし、テル本人には伝えていない。
ティガ
ウツボの魚人。タコス軍ではフーカと双璧をなす最強格の1人。
体格に恵まれており、元がウツボなので興奮すると筋肉がさらに膨れ上がり、どう猛な面をかいま見せる。しかし、そんな姿とは裏腹に戦闘技巧も優れており、単純な力強さだけでは測れない強さも持ち合わせている。
タコス軍の人々
タルトル
タコス軍の重装歩兵。
全身を鎧に身を固め、大きな盾で相手の攻撃を引きつけ味方を助ける役割を担う。ビゼンとの戦争では敵支配者であるビゼンを追い詰める大手柄を立てる。
ジン、シラナガ
タロス海域でタコスがジンカしてきた建設関係魚人。体が非常に大きく力持ちだが戦闘には参加しない。
キュリー
内政官でありアーラウト海域の薄い民出身者。物腰の柔らかい女性でありスイカがジンカして連れてきた。
タンブリー
内政官でありアーラウト海域の薄い民出身者。キュリーと同じくスイカが連れてきた。肌が浅黒い。
テルの兄弟たち
テンナンバーズ
魔法が使えるテルの兄弟。現在10番代の兄弟だけが攻撃魔法である水流魔法を使えることが判明している。
余市
11番目。タコス軍の魔法部門の最高責任者。
魔法部隊の指揮だけではなく、個人の魔法の腕前もタコス軍では最高位とされている。
得意な魔法は多岐にわたるが、魔法を曲げたり同時に操作したりと器用にこなす。
一三
13番目。
個人の魔法の腕前は余市にも劣らないと言われている。
得意な魔法は狙撃で、本来射程距離外とされている距離から目標に影響を及ぼせる。
ニコ
25番目。
戦闘面は槍でも素手でも戦える。
そのため器用貧乏ではあるが、彼女の本領は精神面で発揮される。明るい性格は周りを楽しい気持ちにさせてくれる、精神的な縁の下の力持ち。漢字では和と書く。
史郎
46番目。タコス軍の槍部隊の隊長。
タコス軍の武器部隊を統率している。武器の腕前はタコス軍の中でも一流で、練習でティガとも中々に良い戦いを演じた。
めでたく妹の奈美と結婚する。
五十六
56番目。タコス軍の従軍参謀。
内政に関してはあまり力を発揮できないが戦闘になると頭の働く兄弟。
ビゼンの拷問によって右目、右腕を失い身体中に火傷などの大怪我を負っている。そのため戦闘はできないが軍団に知恵を与えている。
直
70番目。整備者。
テルと一緒に発光プランクトンを利用したプランクトンランプの製造を完成させる。手先が器用なことが判明したのでこれからも色々と任されるようだ。
奈美
73番目。タコス軍の元格闘部隊所属。
史郎のライバルであったが、史郎に告白され結婚することとなる。現在は民間人扱いであり一人息子、テイルの母でもある。
一二三
123番目。タコス軍の参謀長。
主に戦闘における作戦を考え、指揮をする立場。また、食料や武器などの手配をし、作戦を滞りなく進める軍全体を通しての事実上の最高責任者。
藤子
245番目。諜報担当。
亜麻色の髪の魚人。平和な相手の国に潜入して情報を収集するのが得意。
サイコ
315番目。超能力持ち。
性格は暗く人見知りな魚人。ジンカの際に特殊能力『サイコキネシス』を手に入れるも、当初は使いこなせなかったことに負い目を感じて暗い性格となる。
現在は使いこなせるようになり、軍に編入されている。
ジゴロ
456番目。
特にこれといった能力もないが誠実な男性。
ムサシ
634番目。
槍では自分の力をうまく引き出せなかったが、剣を持ってその強さが発揮され始めた。特注の愛刀である木刀『大木刀』を振るって戦う怪力。
ムジナ
647番目。内政担当。
変な口調の魚人。お金周りの才能を持っており、現在はアーラウト海域の内政を担当している。
最前線からは最も遠い海域となっているアーラウト海域で食料や資金、人材を最前線に送る縁の下の力持ちである。
苦内
971番目。忍者。
真っ黒な服に真っ黒な髪で影に潜む諜報員。
ジンカの時に影の中に入る特殊能力『影潜り』を身につける。戦争中などの警戒している敵から、情報を盗んで来ることが仕事となっている。しかし、戦闘力は皆無に近い。
千
1000番目。
これといった特徴のないテルたち兄弟の1番の末っ子。
特別に得意なことはないものの、自分の能力に見合った行動ができる。
薄い民
薄いというのは水の塩分濃度、つまりは淡水出身者のこと。
カッター
リグナン村の村長。
薄い民のまとめ役であり、口調も態度も紳士的な魚人。
エルエイル
デンキウナギの魚人。
ガタイのいい武闘派の魚人。紳士的な口調や態度とは裏腹に戦闘が好きな一面も持つ。種族の特徴として体から強力な電気を発することができる。電撃の範囲を手のひらに限定した『ボルトクロー』を得意とする。
協力者
オーム
支配者その3。
サイガンド海域の支配者だったが、タコスに負けて降伏した。現在はタコス軍の支配地域としてのサイガンドを治めている。
マコ
オームの部下で元1番魚人。戦闘能力は低いものの、隠密能力がずば抜けているサポート役。現在はオームのただの幼馴染。
ボニート将軍
元サイガンド軍の将軍。
能力は優秀でタコスとともに行動した時も、そつなく将軍として全軍の指揮をしていた。
現在はサイガンド海域にてオームの補佐をしている。
キチン
ジャイアントケルプの住人。
竜の住んでいる洞窟をタコス達に教えた年老いた案内人。現在はジャイアントケルプの森で調査をしながら過ごしている。
ナップ
タロス海域の内政官。
苦労人。よくため息をついているが、そのくたびれた外見とは違って有能。海流の流れを利用した移動方法を見つけた。現在もタロスにて引き続き内政を一手に担っている。
ドクタールファ
医者。
血カビの特効薬である薬を作れる医者。その薬でポリフェルに住む多くの魚人を治療した。現在は放浪しており血カビに苦しんでいる患者を助けている。
医者として清潔を心がけており、口調などもピシッとしている。
暗い顔をしているのはもっと助けられる患者がいるはずだと思っているから。
かつての敵
ダイア
テルがジンカする原因。アーラウトでスイカの部下だったが、逆にスイカを支配することでアーラウトを自分の思うがままにしていた。死亡している。
ボンジモ
カララトの1番魚人。6人兄弟で息のあった集団戦術が得意。死亡している。
コノワタ
元支配者の1人。能力は低くはなかったがタコス軍に敗北した。死亡している。
ゲールラ
元タコス軍の将軍。将来の不安からビゼンにそそのかされ寝返った。死亡している。
ビゼン
元支配者の1人。知性と残虐性を併せ持つもタコス軍に敗北した。死亡している。
ポーラ
ナラエゴニヤの1番魚人。忠誠を尽くして主人であるクレイオーと敗北する。死亡している。
クレイオー
元支配者の1人。緻密な準備をしてタコス軍との戦闘を優位に進めていたが、タコス軍の策略にはまる。死亡している。
アングル
ハルカズムの1番魚人。主人であるベコをサポートし幻影を使って戦うも史郎に敗れる。死亡している。
ベコ
元支配者の1人。戦いには不向きと言われていたが驚くべき手腕でタコス軍に挑む。死亡している。
ダゴン陣営
ダゴン
支配者の王。
全ての海を統一制覇した過去がある、おとぎ話の中の偉大な支配者。
現在も生存しておりマカレトロの支配者として君臨している。
ライト
忠実な騎士。
剣の腕前は他を寄せ付けないほどで、その剣筋は余程のものでなければ目で追うことも出来ない程。
現在はマカレトロの全権を握りタコス軍と戦う準備をしている。
アカネ
没落したツナ家に残りライトを補佐したツナ家のメイド。
解雇されたものの自らの意思でライトについていくことを選んだ。死亡している。
バーンズ
ツナ家の忠誠を尽くした老執事。現在は解雇されてしまっている。
地名
アーラウト海域
テルたちイワシ魚人が生まれた海。物語はここから始まった。
これといった特徴のない過ごしやすい海であるが、ダゴンが住んでいるマカレトロ海域から最も遠いため田舎扱いをされている。
カララト海域のみと隣接している
カリウム城
アーラウト海域にあるタコスの本拠地。作りは西洋の城に似ている。
カララト海域
タコスが2番目に攻めた土地。非常に暑く、温度変化に弱い魚人は体調不良となりタコス軍は1度敗走した。
アーラウト、サイガンド、タロスの3つの海域と隣接している。
ポリフェル城
カララトにあるかつて支配者であったボンジモが暮らしていた城。インドの宮殿のような見た目をしており、玉ねぎ型の屋根は真珠のように輝いている。
フラボン砦
カララト海域に属する砦。
サイガンド軍に対抗するために建てられた砦であり、砂地にある岩山のような形をしている。
イソボン砦
カララトに属する砦。
タロス軍に対抗するために建てられたフラボン砦との姉妹砦であり、フラボン砦と同じような構造になっている。
大悪魔の口
カララトにある大きな海溝。アーラウトからカララトの首都ポリフェル近郊を通りタロス国境付近まで横たわっている。
すこし深い場所では暑いカララトでも涼しい海流が流れている。
ジャイアントケルプの森
巨大な海藻、ジャイアントケルプの茂っている森。
フラボン砦から少し離れた場所にあり、日中でも光が遮られているため暗い。
実は森の中におとぎ話の竜が封印されている洞窟の入り口があり、そこを隠すための役割も備えている。
サイガンド海域
カララト、タロスと隣接している海域。
海域のほとんどが岩場で構成されているが、支配者であったオームの街道の整備により大きく発展を遂げている。
クエン
サイガンドの首都。商業都市であり商売で栄えている。防衛するための城は存在しない。
タロス海域
カララト、サイガンド、ナラエゴニヤの3つの海域と隣接している海域。
海域のほとんどが砂地で構成されているため、食料などの資源に乏しい。その代わりに広大な砂地にしか生息しない生物や広い海域を回遊する習性の生物には好まれている。
アミノ
タロスの首都。
どちらかというと防衛拠点としての意味合いが強い。
そのためあまり物資が豊富というわけではないが、海域の通行をするときの中継地点としてそれなりに発展を遂げた。
ナラエゴニヤ海域
タロス、ハルカズムの2つの海域と隣接している海域。
海域内は非常に寒く、そのため慣れていないものがうかつに入れば低体温症になってしまう。
グルコース
ナラエゴニヤの首都。
ナラエゴニヤ独自の災害『死のつらら』に対応した都市であり、全体が一つの建物のようにくっついた構造をしている。とはいえ『死のつらら』がきたのは随分と昔のことであり、今ではほとんどの者がどうしてグルコースがいまの形になったのかわかっていない。
寒い地方なので料理の開発がほかの海域よりも進んでいる。
ハルカズム海域
ナラエゴニヤ、マカレトロ海域の2つの海域と隣接している海域。
海域内は暗闇に包まれており独自の生態系が育まれている。
オリザ
ハルカズム海域の首都。
ベコの居城であるオリザ城があり、これといった産業がない代わりに食糧生産が海域内でもトップクラスの生産量を誇っていた。
マカレトロ海域
ハルカズムとしか繋がっていない海域。タコス達の目標地点であり偉大なる支配者、ダゴンの住まう海域。
ダゴンの使う遮光香の効果によりあたりは紫の霧に包まれており、世界は白黒の世界となっている。7つの海域では最も栄えており、唯一鉄製の武器の修理、加工ができる。
ステロール
マカレトロの首都であり、ダゴンの住まう土地でもある。
常にダゴンの放つ遮光香の紫色のもやの効果で、光を遮る独自の白黒の世界となってしまっている。技術は7つの海域でトップを誇っており、少しではあるが鉄を加工する工房も持っている。
特別な用語
ジンカの業
神から支配者へともたらされた、支配者のみが行使できる特別な奇跡。魚を人型である魚人に変えることができる。消えかかった魂が何かを知りかかったが、誰にも伝えることができず消えていった。
1番魚人
海域の支配者が最も信頼している魚人のことであり、権限もその海域では支配者に並ぶくらいに強い。支配者は基本魚人を下に見るのだが、1番魚人だけは対等の関係として扱っている。