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僕の魔法学世界  作者: 夢月
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授業実験台

今日は登校時間初っ端から上のランクである上級生のお姉様に絡まれる所から始まった。


反抗心や強いプライドなんて既に消えて、

今……、僕にあるのは『面倒臭い』というものだけ。

面倒臭いから奴隷として、働く。

朝からお姉様方の良いようにされるがまま。


でも、案外……悪いものでもない。

ただ、外見だけの僕を彼女達は飾りのように置いてるだけ。


でも……一番、ヤバイのは……あらゆる薬物の実験台とされる事だ。

つまり、餌付けで貰ったクッキーや水分などを迂闊うかつに取らないという事だ。


これはフレイにも注意を受けていた。


が、しかし…………

今日はとてつもない空腹感に襲われていて、

挙句の果てに昨日の夜に水浴びをされてしまったからなのか、熱っぽかった。

夜の飯も朝の飯も指定時間外だった為に無し。

風呂は冷めていてヌルいシャワーでしかカラダを温めるめることができず、十分なことが出来なかった。


腹の虫もこれでもかと言うほどに鳴き続ける。


それを聞いたお姉様方のする事はひとつ。

勿論、僕に実験台として仕込んだ食べ物を食べさせる他ない。


『フェル…………食べなさい。』


食べたら解放されて、楽になれるかな。疲れも癒す程にぐっすりと睡眠をとることが出来るかな?なんて思ってた。


なのに…………

意識を失って気づいた所には

まだ、終わらない永遠と続くかもしれない地獄が待っていた。



手足はは拘束されて身動きが出来ない、

喋る事も禁じられる中、目の前にいるのは…………

Aクラス(Aランク)、Sクラス(Sランク)の人たち。


そう言えば……、今日はフレイが楽しみにしていた実験がある日だったか……。


『実験……』


そっかー……、僕はもう……要らなくなってしまったんだ。

この学校ではCランクの者が消えるなんて日常茶飯事だったが、これが理由だとは思ってもみなかった。

しかし、今…………謎が解明されたとしても、

僕が開放されるなんて事は無に等しいだろう。



ならば…………僕はこれを受け入れる他無かった。



――――実験授業


フランスコ先生『では……今日は練成術魔法について実験しながら説明しますデスワール。』


独特的な口調とクルンっと伸ばしたお髭がフランスコ先生の特徴、


そしてフランスコ先生の話(説明)を聞く生徒。


フランスコ『今回、使うのはこの幾千年の呪いの溜まったガス粉。この中には負の連鎖と言える者達の怨念が溜まりに溜まっているデスワール。排除に困ったので実験対象に使ってみるので良く見ておくのでスワール。』



フランスコ先生は僕の頭上に怨念の詰まったガス粉を振りまく。

そして……『一体化レジスト』という呪文で怨念を僕の中に無理やり入れ込んだ。


一体化する時の痛みはとてつもない

そして、その時……

僕の体に変化が起きた。

普通ならば、死んでしまうかもしれない

この実験は、奇跡的に【成功】したのである。



僕の中に眠っていたものが、目を醒まし

怨念と呼ばれるものは僕の血となり目となり、耳となり、僕の体に交じり

僕は綺麗さっぱりと姿が変わってしまった。



黒かった髪は髪先だけが白く染め上がり、目の色は青黒い。

そして…………

僕はなんと地から浮上している。


溢れ出す力、疼き出すからだ。

もう……歯止めなんて効かなかった。

先に何が起きるかも分かる、そこらにあった重いはずの大剣もまるで何も持ってないのでは?と勘違いするほど軽い。



拘束されていたはずの手足は既に自由。

自由の身の中で、僕は暴走を繰り返す。


フレイ『フェル!やめろっ!』


フェル『……』


僕を止めるフレイの声。

フレイの声だ。少し声を聞いて落ち着いた……

かと、思いきや僕の暴走は止まらない。

血が騒ぐ、まだ足りない、まだだ、まだだと……。

"恨め" "憎め" "無にしてしまえ!"

いかにも負に溢れた声が聞こえる。

その声が僕を導く様に……

僕は大剣を振りかざし大勢の人たちを傷つけた。



その僕の暴走を止めたのは魔法学校の生徒会長の

ルクス=エスクペランサだった


ルクス『攻撃をやめなさい。フェルエム=アーテル。』


息が上がるが、体は止まることを許してくれない。

だが、、とても心地よい。


ルクス『上手く、怨念の主と適合した様子だが、これは他にもなにかありそうだな。ひょっとしたらこれが、キッカケで力に目覚めてたりして……』


ルクス=エスクペランサが指を鳴らすと、暴走はすぐに止まった。

しかし、血の騒ぎ立てる声はまだ、やんではいない。


ルクス『力が溢れかえってるね……力量的にいえば……Sランクじゃないかな?』


フェル『嘘をつかなくていい。』

ルクス『本当のことだよ。』


その時、僕は初めて魔法を使った。

呼び寄せる《召喚獣術フェアキリー》を。


僕が呼び寄せたのは名もしれぬ珍獣ばかりだった。


彼らは僕を守るように戦うが、魔法学校最強の彼には勝てなかった。

僕が隙をつかれ、倒れてしまったのだ。



ルクス『フランスコ先生……少し提案があるのですが、いいでしょうか?』


フランスコ先生『なんだね?』




――――全校夜会


校長『という事で……フェルエム=アーテル君は今を持ってCランクからSランクへ昇級。おめでとう。ルクス=エスクペランサ生徒会長、彼をよろしく頼むよ。』


ルクス『はい、責任をもって……。』


大事な所で気を失ってしまった僕は、何故Sクラスへ進級なのかさっぱりで、呆然としていた。


フェル『なぜ…………こうなった???』

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