フェルエム=アーテル
街に立つ数え切れない程にあるたくさんの街灯がまるで『朝か……』と人を勘違いさせるかの様に灯す。
この街には……、
いや……、この僕が居る世界には《夜》なんかの存在を許さず、ずっと明るい。
そして化学も発展し昔あった書物に書されていた錬成術を元として、今や『魔法使い』と呼ばれる者まで現れ……
遂には異例なネクロマンサーや魔剣士などのバーチャル世界でも有名なジョブなどが現実と現れた。
基本的には『魔法使い』が一般的な為に、
『魔法学校』なんてものまで現れた。
【魔法使い】にはランクがあり、
占い師が最下層のCランク、
魔道士・魔法使いなどの魔道士が普通のBランク、
魔法と共に魔剣などを扱える魔道剣闘士がAランク、
そして最高ランクとされるのが、Sランクの【ネクロマンサー】
Sランクのネクロマンサーの特徴としては魔道剣闘士と同じく魔剣などを扱えるが、最もなのが……生命を操ることなどの魔法に置いてのスペシャリストであるという事だ。
Sランクは最優等生と考えられる。
逆に占い師は何なのか。
それはどん底の出来損ないだ。
魔法を使うための力《力量》も少なく使えるものも少ない
夜の登校中……
僕達の住む世界では夜が魔法使いの学校の登校時間。
周りの生徒は箒に乗って浮遊して学校へ行く生徒が殆どで一部が箒は不使用で、浮遊しながら空中を友達と歩きながらや走りながら、飛びながら登校している。
そして残りの者が出来損ないの生徒【占い師】と呼ばれる最下層Cランクの生徒だ。
基本的に占い師はその名の通り、占う事でしか魔法を使えない。
そのため、勿論箒に乗って学校へ登校も叶わず、地に足を運び歩いて行くことしか出来ない。
徒歩登校は目立つ。徒歩登校は占い師である事の象徴と言ってもいいくらいだ。
魔法には不可能なんて存在しない。
いかにも小学生の様な、それを超す限度を過ぎた事なんて
しょっちゅう。
道を滑りやすくしたり、ゴミをばらまいたり……、
それを、かけたり、
狙われてしまえば、誰にも止めることなんて出来ない。
そんな待遇最悪な占い師のひとりであるのが、
この僕フェルエム=アーテルだ。
クラスや同級生の大半は僕の事を【フェル】と呼んでいる。
因みに僕の苗字が《アーテル》でフェルエムが名だ。
《魔法学校》の大半は学生寮が設けられている所が多い。
しかしながら、名家の優秀なお坊ちゃまやお嬢様は化学薬品の臭いが染み付いた寮には住みたくないらしく、自分の家の大きく快適な家に裕福に暮らす。
寮から魔法学校までは少々距離がある。
箒に乗って行くならば5分もかからないのだが、
僕のような歩きの場合は…………
20分~30分かかる。
お店も浮いてること世の中。
僕は地へ足をつき、手も届かない何も手にはできない。
それなのに何故……学校へ行くのか。
それは…………
カタカタカタ…………
フレイ『フェル〜今日の収穫はあったかぁ?』
フェル『フレイ……。あぁ……今日は白鷹竜の短剣が全品売れた。』
彼はフレイ=アポロン
彼は僕とは違い、優秀なAランクの魔道剣闘士だ。
身分も待遇も全てが比べるまでも無いくらいに違う。
なのにその彼が何故……、
僕に構うのか?
それは僕にもイマイチはっきりとは分からない。
ただ……、
彼は僕がCランク判定された時に全力でフォローにまわり、やり直しを求めた。
そんな心優しい性格の持ち主だってことだ。
フェル『今日は結構、物が売れたから【未確認モンスター集】と【魔術難問解読超級の下巻】を買ったんだ。』
フレイ『フェル……確か、それ…………この前も買ってなかったか?魔術難問下巻……』
フェル『あっあぁ……、そうだっけ?僕は忘れっぽいから……ありがとうフレイ。いつも助かってる』
フレイ『……やっぱり……お前はこんなC級のクラスに居るべきじゃねぇよ。先生たちの判断は間違ってる!』
フレイはいつも心配してくれる、それもフレイのいいところではあるが……、、、
フェル『フレイ……何時も言ってるけど……先生は間違ってないよ。僕の実力が足りないそれだけだ。』
フレイ『だけど・・・』
フェル『Cランクであろうと、僕はこうして好きなことが出来ている。それに……何もこの世界は魔法だけではないし……、ほら……先、売れたホワイトドラゴンの短剣も僕がホローマ洞窟に行ってからドラゴンの皮とかを加工してできた産物。』
フレイ『フェル……』
フェル『それに僕は周りと違って剣術も運動神経も並大抵なみには出来る。だから心配するなよ。』
フレイ『あっあぁ……』
フェル『ありがと、フレイ。』
〜メモ書き欄~
《夢月》と申します。読者の皆様、これから宜しくお願いします。
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