表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
合鍵  作者: 歌月碧威
62/112

合鍵 バレンタイン企画 インパクトで勝負(後編)

「――で、桜音。俺、その……そろそろ欲しいんだが……」

「うん。ちゃんとあるよ。はい」

私はブラウンの包装紙に、ゴールドのリボンで綺麗にラッピングされている物を海に渡す。

すると海は「ありがとう」と言いながらそれを大事そうに受け取ると、目をキラキラと輝かせながらそれを見つめた。

よかった~。すごく喜んでくれているみたい。


「あ、そうだ。あのね、海ってメイドさんの格好が好きなの?それとも、ナース服とかなの?」

私のその言葉に、海は生チョコを口まで持っていったまま動きを止める。

あ、また固まっちゃった。

やっぱこうい趣味って、人に知られたくないものだったのかも。


「……桜音。いつ俺がそんな事を言った?」

「え?違うの!?だってそう聞いたよ」

「佐々木か。佐々木だろ!!こういうこと言うのは、あいつしかいない!!」

海が珍しく声を荒げて叫んだ。

すごい、海。よくわかったね。


「ほんとにあいつは、また桜音をからかって。いいか、桜音。

俺は別にコスプレとか興味ない。ただ桜音のは、ありだって思ったけど」

「そうなの?興味ないのなら、着替え……――」

「それはダメだ。まだ着替えるな」

そう言った海の目が血走っているように見えるのは、気のせいだろうか?

汚すと悪いし、この格好恥ずかしいから着替えたいんだけどな~。


「まだ良く見てないし、それに――」

「それに?」

首を傾げ海を見上げると、口角の上がった海と目があった。

あ。なんだろう。

これ、逃げた方がいいような気がする。

すぐさま逃げるため海の膝から降りようとしたんだけど、読まれていたらしく、腰に海の腕が巻きつけられ降りれない。


「桜音。メイドの仕事ってなんだ?」

メイドさんのお仕事って、紅茶持ってきたりするやつじゃないの?

うちにメイドさんいたことないから、ドラマとかの知識しかないからよくわかんないけど。


「ご主人様にお仕えするのが仕事だよな?」

「ん~、まぁそうだと思うけど……」

「そうだよな。なら、桜音。今の桜音の格好は何?」

「え、メイドさん」

それ以外何に見えるんだろう?


「良く出来ました」

海に頭を撫でられるけど、なんかいつもと違って落ち着かない。

むしろ、ちょっとした恐怖を感じる。

「しかも、今日はバレンタイン。ここに、桜音に貰ったチョコがあります。はい、桜音」

「ん」

「食べちゃ駄目だぞ」と言われ、唇にチョコを咥えさせられてしまった。


「桜音がメイドさんなら、ご主人様は俺だよな」

待って!!おかしいでしょ!?

私、メイドの格好してるけど本物のメイドさんじゃないよ!?

しゃべれないので、首を激しく横に振る。


「可愛いメイドさん。ご主人様にチョコを食べさせて」

まさか――

その予想通り、海は何の躊躇いもなく私の咥えていたチョコを食べた。

しかも、唇についたチョコなめられちゃったし。

「~~っ!?」

「うん。旨い」

いや、待って!!普通に食べてよっ!!


「せっかく桜音がそんな可愛い恰好してくれてるんだから、一緒に楽しまないとな。

桜音手作りチョコまだいっぱいあるし」

血の気の引く私とは違い、晴れ晴れとした海の笑顔。

生チョコ八個作ったから、あと七個。

これをあと七回?無理。無理すぎる。

海とは付き合ってるけど、いつまでたっても慣れない私にはハードルが高い。


そんな追い込まれた私に、良い案が浮かんだ。

そうだ。チョコ、全部食べちゃえばいいんだ。

すぐさま行動に移し、ものすごい勢いでチョコを全部平らげて問題解決!!


……なんて都合良くなるわけもなく、数分後「このままチョコを食べさせればよかった」

って思うぐらいの目にあってしまった。








これでバレンタイン企画は終了です。

本編とブログの番外編は今書いてる途中なので、

これからもお付き合いして下さるとうれしいです。

ではでは、稚拙な文でしたが読んで下さった方ありがとうございました。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ