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合鍵  作者: 歌月碧威
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拍手まとめ

ブログの拍手のまとめです。

☆伝わらなくていい☆


「海だけ余裕でずるい」

触れていた唇を離すと、真っ赤な顔をさせた桜音にそう言われた。

羞恥心のため潤んでいる瞳で、見つめられると正直くる。


本当はキス以上の事もしたいが、現状は触れるだけのキスでこうだ。

だから俺はあせらず、自分達のペースで行こうと思っている。


……まぁ、たまに桜音が可愛すぎて暴走しそうになる衝動に駆られるが。


それも我慢だ。桜音との同居で忍耐力は付いている。

無理やり自分の欲望にまかせ行為を行い、桜音を傷つけるのは絶対に嫌だからな。


「余裕じゃないよ」

そう言って桜音を抱き寄せると、「ほら、余裕じゃん」と頬を膨らませませた。

余裕のはずないだろ。

桜音として、そんな余裕なんてあるわけない。


今までそれなりに経験してきた。

だが、それも気持ちがこもって無い行為。

相手が桜音なら話は違ってくる。


俺だって心臓早鐘の時や、頭真っ白になる時だってあるさ。

でもそんなこと桜音は知らなくていい。

だって、なんかかっこ悪いだろ?


だから知らなくていい。

この余裕のない気持ちは伝わらなくていい。



☆みく的プチ楽しみ☆


見てる、見てる。

突き刺さる視線に対しこみ上げて来る笑いを我慢し、アタシはその子をギュッと抱きしめていた。

その視線の相手をまだ見てないが、きっと不機嫌オーラ全開なはず。


「みく~、どうしたの?急にハグしたりして」

もぞもぞと桜音が顔を出す。

お、きつく抱きしめ過ぎたか。

本人の雰囲気と同じく、ふわふわとした髪が風邪に靡く。


「ハグしたくなっちゃったから」

……というのは建前で、本音は窓から見ている王子をからかいたいから。

アタシは視線を桜音の先にある1階校舎へと移した。


そこには、在原海がいる。

案の定、鋭い視線に不機嫌オーラでこっちを見ていた。

すげぇ独占欲。アタシ、同姓なんですけど?


さっき中庭で桜音とお昼を食べていると、視線を感じた。

まぁ、視線の先は言わずと知れたあの桜音バカ。


廊下を通った時に、偶然視界に入ったのだろう。

しかし、良く桜音を見つけたな。

廊下歩いてて、中庭なんてあんま見ないのに。

もしかしてあいつ、桜音センサーでもあんの?


「みく、良い匂い」

「あ~、香水変えたんだ」

不自然なアタシの行動にも桜音は何一つ疑問に感じる事はなく、アタシを抱きしめ返す。

羨ましいだろ、在原海。


アタシはこうしてたまにあいつに対し嫌がらせというか、からかうというか、そんな行動に出る。


だって、おもしろいんだもん。あの完璧な王子様の弱点握るのって。


ただ、一つ問題がある。それは――


「みく、携帯なってるよ?」

「あ~、きたみたいだね」

ワイシャツの胸ポケットに入れていた携帯が、振動している。

こんなの誰から来たのか、みなくてもわかるっうの。

しかも内容までね。


桜音を離すと、携帯を取り出してメールを見た。

中身は案の定あいつから。

『俺の桜音に触り過ぎだ!!』

そう一行だけのメール。


「お前のじゃねぇじゃん」

私は笑うと、携帯をしまう。

さて、次はどうやってからかおうかな?




☆呼んでみたかっただけ~海×桜音ver☆


「桜音」

「ん?」

海に呼ばれて、見上げていた鮮やかに色づいた桜から隣へと視線を向けた。

キャラクターの描かれたビニールシートの上に、海は座っている。

シートの上に並べられているのは、お重箱に入ったお弁当やお菓子、それから飲み物。


今日は私達は海の実家にお花見に来ているの。


「あ、もしかして飲み物?」

海の傍にある紙コップが空だったから、私はてっきりそれかと思ったんだけど、

彼は首を振ると私を抱き寄せると、私の頬に手を添えた。


なんだろう?と見上げようとしたら、

「――どうせ名前呼んでみたかっただけとか言うんだぜ」

「うわ~。超ベタ~。っうか、あの桜音馬鹿ならやりそう」

という二つの声が聞こえてきたため、そちらの方に視線を奪われてしまった。


それは紙皿の上に重箱のお弁当をのせている日下部くんと、飲み物を飲んでいるみくの姿。


「……お前ら」

頭上から聞こえて来たその低い声に、思わず体が固まる。


「呼んでも居ないのに勝手に押し掛けて、また俺と桜音の邪魔か!?とっとと帰れ!!」

その雷のようなその海の怒鳴り声に私はたまらずに耳を塞いだけど、

日下部君とみくはまるでその言葉が聞こえなかったかのように飲み食いしていた。

この二人ってやっぱ似たもの同士かも。





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