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闇空のスカイライト  作者: 日明 観影
二章 力は誰が為に
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ロアエ山 ~山頂~

 闇魔が洞窟内に入ってくることもなく、ゆっくりと休憩を取ることが出来た。

 アルバは一番遅く眠ったにも関わらず、一番早く起き、日課となっている鍛錬を始めることにした。

 二人を起こしてしまっては悪いので、洞窟の入口付近の広くなった場所で短剣を振るう。


「はっ! せや!!」


 この数日間でアルバもだいぶ戦闘に慣れてきたとはいえ、まだノールやマリアの様に上手く戦う事はできない。

 アルバは二人の戦い方を思い出し、その動きを分析しながら自分の動きに変化を加えていく。


 マリアは魔法を効率的に使いながら、相手を近づかせないように上手く距離を保つ。

 ノールはその身体能力と槍のリーチを活かして、相手を牽制しながら近づく。

 

 魔法と近接戦闘。どちらも中途半端な自分が、どうやれば上手く立ち回ることが出来るのか。

 無理な事はきっぱりと諦めて、少しづつ使える部分だけを突き詰めていく。

 

 ふと、アルバはハイザーの村で植物の闇魔と戦ったときの事を思い出した。

 あの時、アルバはマリアの魔法で弱点を露出した闇魔の事を見て、魔法で電撃を放つのではなく、魔法を武器に纏わせた。

 特に意識をしてやったことではない。無意識にそれが一番効率が良い方法だと判断したのだろう。

 トロイは、トルクに触れていなくても魔法が発動する。それに、魔法が効果を発揮するのは刀身の部分だけだ。

 つまり、普通は直ぐに放つ魔法も意識することで――“効果を発揮したまま”で近接戦闘を行う事が出来る。

 魔法で起こした事象を飛ばす事は出来ても、マリアやウルムのように遠隔で発動し維持することは出来ない彼には、うってつけのものではないか。


「『火を操るは炎精の許しなり。燃えろ』」


 短剣に纏わりつく様に意識し、魔法を行使する。

 アルバの詠唱に呼応して短剣に炎が宿る。意識した通りに刀身を包む大きさで燃える炎。

 試しに洞窟の柔らかそうな土に短剣を突き立ててみる。

 魔法の効果は失われたり、対象が変わることなく土を焼いていく。


「これは……使えそうだね。!? アチチッ!!」


 短剣の鍔の部分に触れたアルバは、その熱さに驚いて短剣を手放した。一瞬で魔法が消え、軽い音を反響させながら短剣が洞窟の床に落ちた。


「なるほど。魔法の効果自体は刀身にしか表れないけど、それに伴った事象は短剣全体に渡るわけか……」


 マリアの渾身の雷を受けても変形したり、機構が壊れたりしなかったものであるから簡単には壊れないだろうが、気を付けなければならない。

 柄に巻いていた革から変な匂いがしているのに気がつき、アルバはすぐに水を掛けて冷やした。




 鍛錬を一通り終えて広間の方にアルバが戻ると、既に二人は起きていて、食事をしているところだった。

 昨夜に作った料理を温めるだけなので簡単なものだ。


「おはよう。アルバ」


「おっ、今日も鍛錬ご苦労様。ほら、あんたの分も温めてあるから早く食べな。今日は山頂に辿り着きたいねぇ。ちゃんと食べとかないと倒れちまうよ」


「うん。しっかり食べれる時に食べなきゃね」


 二人の横に腰を下ろし、アルバは自分の分の料理を受け取った。

 

「そういえば、風精の谷への目印とかあるの? マリアが分かるから大丈夫だろうけど、一応聞いておきたいな」


「山頂に立てば、分かる」


 アルバの問いに、マリアが短く答えた。それほど分かりやすいということだろう。

 ならば、と気にしないようにして、今は目先の登山の事を考える。

 今日も外に出れば闇魔との遭遇は避けられない。

 先ほど試した戦闘方法はまだ使わないことにしようと、アルバは決めた。

 意識をし続けなければ使えないものだ。今の実力で魔法の維持と戦闘中の動きを同時に行うことは出来ないと冷静に判断した。


「さて、アルバが食べ終わったら出発だ! ちょっとあたしは外の様子を見てくるよ」


 ノールはいつものように周囲に危険がないかを調べにいった。

 彼女は休憩する前と出発の前には必ず周囲の偵察を徹底している。

 それだけ警戒心が強いということだ。彼女が育ってきた環境のおかげかもしれないが、それを任せきりにしてしまっていることにアルバは申し訳なく思っていた。

 

(僕は自分の出来ることで恩をかえそう)


 決意を新たに、アルバは手に持った食事を口に詰め込んだ。


 

 程なくしてノールが偵察から帰ってきて、異常は見られないことを伝える。

 荷物を持ち、洞窟の外に出る。彼らの登山二日目が始まった。



 ▲▽



 昨日よりも急勾配の道が続いた。足元も土が払われ岩が露出しているせいで滑りやすい場所も多い。

 必然的に彼らの歩みは遅くなっていく。追い打ちを掛けるように何度も襲い来る闇魔を退け続けて、体力は限界に近い。

 それでも足を動かして進んだ結果、もう峰の頂点が見え始めている。 


 しかし、山頂まであと少しというところで、アルバたちは危機的な状況に陥っていた。


「くそっ! 刃が通りゃあしないよ!」


 前方で闇魔に対峙しているノールからそんな言葉が掛かるが、アルバとマリアの前にも三匹の闇魔が道を塞ぐように佇んでいた。加勢することはできない。

 

 ノールが戦闘しているのは、体長二メートルを超える巨大な闇魔『ロックリザード』。

 その名の通り、硬質化した鱗が灰色に変色して岩の様になった獰猛なトカゲの闇魔だ。

 動きは愚鈍だが、牙を剥く瞬間は驚くべき跳躍力を見せる。

 全体を硬質化した鱗が覆っているために、槍の穂先が通らず、ノールは攻められずにいた。


「おっと! こりゃやばいねぇ!」


 大きく口を開けて飛びついてくるロックリザードの攻撃を避けつつ、ノールは後方の様子を確認する。

 アルバがマリアを護るように三匹の闇魔と対峙しているのが見える。


 

 アルバは焦っていた。闇魔にどれほどの知能があるのかは分からないが、まるで彼らを分断するようにこの敵は現れた。

 山肌を転がるように現れたこの闇魔は、二匹がまずノールに斜め後ろから突進し、道の先へ追いやった。そして、残る一匹がアルバの前に立ちはだかることで彼らを分断してみせたのだ。

 そこにタイミングを測ったかのように現れる前方のトカゲ型の闇魔。

 後方から新手が来なかったことは幸いだが、この三匹を倒さなければノールに加勢することは出来ない。

 岩肌の方からも地鳴りの様な音が聞こえる。もしかしたら新手が来ているかもしれない。しかし、視線を外すことはできない。

 

 ジリジリと距離を詰めてくるだんご虫の様な虫型の闇魔『クロウラー』。

 丸まった時の大きさは直径八十センチほどだ。突進を直に受けてしまえば軽症では済まない。

 

(どうする? 昨日のように地面を柔らかくして沈める? 無理だ。昨日は足元が土だったから直ぐに効果が出たけど、今回は岩だ。砕くにしても距離が近すぎる)


 魔法は自然界の法則に従う。岩を砕くにはそれだけの魔素とイメージ、そして時間が必要になる。

 必死に作戦を考えるが、その間にも彼らの距離は縮んできている。

 そして、三匹が一斉に身体を丸めた。


(やばい! 避けたらマリアが……!)


 アルバが反射的に防御の構えを取ろうとしたときに、背後のマリアが叫んだ。


「後ろに飛んで!」


「くっ!!」


 マリアの言葉にアルバは地面を蹴って後ろに飛び退いた。直後に岩肌の側面が小規模の爆発を起こした。

 鋭い欠片が飛び、クロウラーの身体を突き刺していく。

 先ほど聞いた地鳴りのような音はマリアが岩壁を内部から削っていた音だったのだ。

 クロウラーは突進の途中に横からの攻撃を食らって、一番近かった一匹が仰向けに倒れる。

 残る二匹は岩壁の方にいた一匹が壁になって直撃とは言えない。

 一匹は細かい傷を付けられ止まったが、もう一匹は無傷で突進してくる。


 マリアのすぐ手前まで飛び退いたアルバに迫るクロウラー。

 マリアは無理に難しいイメージの魔法を同時行使したせいで動くことができない。

 

(やるしかない!!)


 アルバは短剣を斜めに地面に接するように立て掛けて構えた。

 そこにクロウラーが突っ込んだ。短剣にクロウラーが乗り地面から浮いた瞬間に、一気に腕を押し出す。

 強い衝撃に腕の骨が軋み、短剣を支えていた左手が闇魔の回転に掠り皮膚が裂ける。

 

 それでも、――クロウラーは、“宙に浮いた”。


「ぐうぅ!! 『火を操るは炎精の許しなり。燃えろ』ぉぉ!!」


 空中で丸めた身体を開いたクロウラーを、燃える短剣で刺し貫く。刀身が深く闇魔の身体に差し込まれ、内部から焼いていった。

 そのまま貫いたクロウラーの身体を振り払いながら、前方で再度突進の体勢をとっている一匹に接近する。

 まだ短剣に纏った炎は消えていない。

 先ほどの一匹を貫いた時に、アルバはクロウラーの弱点に気づいていた。


(こいつらは、背面は硬いけど、腹部は柔らかい)


 しかし、相手はその身体を丸めて、腹部を隠すように突撃してくる。


 ならば、――“側面”の円の中心から刺し、切り払う。


 側面からなら攻撃が通ることは、マリアの魔法によって岩の矢を受けた最初の一匹が証明してくれている。

 突進してきた闇魔を左に飛んで避ける。それを追ってクロウラーは角度を変えて追ってきた。

 仲間を目の前で焼かれたことで逆上したのだろうか。しかし、アルバにとってその行動は好都合だ。

 ちょうど短剣を持った右腕の位置に、側面を曝すことになるのだから。

 短剣を回して逆手に持ち替えて腕を振るう。


「いっけぇぇぇ!!」


 渾身の力を込めて振るわれた短剣は丸まった闇魔の丸まった中心を捕らえ、硬い外皮の隙間を縫うように腹部を切り抜けて根元まで刺さる。

 そのまま丸まる為の蛇腹部分に短剣を差し入れて、切り払った。

 切断までは至らなかったが、一部を引き裂かれ焼かれたクロウラーは動かなくなった。

 

 荒い息を吐きつつ痛みに耐える。左手からは血が滴っている。しかし、休んでいる暇はない。

 

「マリアは少し休んでて!」


 アルバはマリアを気遣ってそう言い、前方で戦っているノールの元へと駆けた。

 ノールは宙に舞い、今まさに勝負を仕掛けようとしているところだった。



 ノールはまだ攻め込めずにいた。避けるだけなら簡単なことだが、この闇魔に有効打を与えることが出来ないのでは先に根負けしてしまう。

 ダメージを与えられる場所は、ある。

 小さいが顔の側面にある目。それと、攻撃をしてくる瞬間の口内だ。

 どちらも大きな効果が期待出来るが、代わりのリスクが大きすぎる。どちらも反撃されてしまえば避けることは出来ず喰らいつかれてしまうだろう。

 アルバたちの方も気になるが、今は目の前の闇魔をどうにかしなければいけない。

 

(賭けにでるしかないねぇ。最悪の場合は……、いや、弱気でどうすんだい! やるんだよ!)


 こちらから逆に距離を詰める。飛び掛ってくる瞬間の動作を見逃さないように集中する。

 ノールが狙っているのは、一撃必殺の反撃。

 食らいつこうとした瞬間に、槍を闇魔の口内から体内を一気に貫く。

 普通に横から食らいついて来たときに腕を伸ばして貫くのでは、恐らく刺さりきらない。

 

 ならば、――“空中”から全体重を掛けて貫く。

 

 そのためには、闇魔を上に向かせる必要がある。だからこその一瞬。

 飛びかかる瞬間に、反射的に自分を追わせるように飛び上がらなくては、普通に避けることと変わらない。

 ジリジリと距離を詰める。ロックリザードも目の前の獲物が近づいてくることをジッと見つめている。

 

 背後から小さな爆発の音が聞こえた瞬間。ロックリザードの足が微かに沈んだ。


(今だ!!)


 刹那にそれを読み取ってノールが宙に舞った。

 彼女の試みは成功し、獲物の突然の行動に反射的に口を開きながら闇魔が上体を反らして立ち上がった。

 空中で身体を翻して、岩壁を渾身の力で蹴り、頭を下に闇魔の口に向けて落下する。


「はあぁぁぁぁあああ!!」


 立ち並ぶ鋭い歯が下で待ち受けている。しかし、恐怖はない。ノールは槍の柄頭を押し込むように腕を伸ばして槍を口に突き入れた。

 喉の奥の肉を槍の穂先が着いた瞬間にノールは気づく。


――これでも、威力が“足りない”。


 予想以上に内部の肉も硬い。このままでは、致命的な一撃を与えるには不十分だ。

 そして、仕留めきれなければ彼女は腕を持っていかれる。


(あと少しで良いんだよ! 何か、何かこの体を後押しする力を!!)


――直後、彼女の翼に強い風が吹きつけた。


 それは、マリアが疲労から魔法の維持を途切らせてしまった一瞬の“奇跡”だった。

 風が閉じた翼に当たった瞬間に、彼女は大きくそれを押し返すように――“広げた”。


 飛ぶことは叶わない。風の加護を殆ど失ってしまった彼女の翼では軌道を変えるのが精一杯だ。

 それでも、今は充分だ。

 ノールの翼が淡い緑色の魔素を放ち、その身体を一気に押した。


「おぉぉぉりゃぁぁああ!!」


 柄頭を押さえた両手に鋭い痛みが走る、そして同時に肉を切り裂いていく感触も。

 どんどん槍がロックリザードの体内に飲み込まれるように沈んで行く。

 完全に槍が口の中に沈み、闇魔の口が閉じられて腕を挟まれる瞬間に、ノールは槍の柄を強く押しのけて、反動で横に飛び退いた。


「うっ!! いったぁ……」


 受身も取れずに肩から岩肌に落ちる。彼女が顔を上げるのと、ロックリザードが身体を震わせて倒れ伏すのは同時だった。


「ノールー!!」


 アルバが駆け寄ってきた。どうやらアルバたちもどうにか闇魔を退けたようだ、とノールは安心して笑う。

 風もあの一瞬だけで、今は収まっている。マリアも無事だ。


「大丈夫!?」


 アルバに肩を貸して貰いながら立ち上がる。

 彼の心配した声に、彼女はいつもどおりに豪快に笑いながら答えるのだ。


「はっはっは! 槍を引き抜くのが大変そうだねぇ!」


 マリアが心配そうな顔で駆けてくるのが二人の視界に映る。

 彼女に見えるように、彼らは笑い合いながら大きく手を振った。 



 ▲▽



 彼らは山頂に立った。

 たった二日の登山であり、まだ目的も達していないし、奥の峰も残っている。

 それでも、山頂に立った三人に待っていた光景は、とても雄大で、彼らに不思議な達成感を味あわせていた。


 緩やかに下っている盆地の様な地形には、今まで山道に無かった大きな大木が立ち並ぶ森林が形成されている。

 風は無風に近い。山頂付近はまったく風がない事に気がついていたが、その理由が山頂に立って初めて分かった。そして、マリアが言った理由も。

 盆地の中央。森林の中央辺りから膨大な量の風が天に向かって吹き出し、ある程度の高さで中央から別れて周りの山に吹き降りているのだ。


――それは、風の“噴水”のようでもあり、羽を広げる“巨大な透明の翼”のようでもあった。


 そして、この風が表すのは、その根元に“風精の谷”があるということ。


「ふはー! これは凄いねぇ! 谷って言うくらいだから、もっと深く降ったところにあると思ってたよ!」


「深い。ここからは見えないけど、森の中央から一気に深くなる」


「そういえば、風の精霊は風穴の中に住んでるんだったね。ということは、山の内部に“風の里”があるってことなのかな」


 風が地表の土や岩を削って作るわけではなく、風の精霊が引き起こした風によって“内部”から岩山を削り、作られた風穴。

 その規格外さに、アルバは苦笑してしまう。


「ははは……。流石は世界の風を司っている精霊だね。まさか山の地下に住んでるとは思わなかったよ……」


「そのくらいないと張合いがないってもんさ! さぁ、今日はあの森の手前で休むとしようじゃないか!」


 よほど興奮しているのか、はたまた限界を越えてしまったのか、疲れを感じさせない歩みでノールが先に進んでいく。

 

「ちょっ! 待ってよ! もしかしたら闇魔がいるかもしれないんだから、注意して行かないと!」


 アルバもその背を追いかけて走っていく。


「この盆地は、風のレミエルが居るから、闇魔は……。聞いてない」


 そして、話を聞かずに先走る仲間たちの背を困ったような顔で見つめながら、ゆっくりと歩いてマリアが追いかける。


 以前、闇魔から隠れ、逃げ、怪我をしながら、何日も掛けてこの場所にたどり着いた時には、疲労しか残っていなかった。


――でも、今回は“違う”。


 仲間を護ること。仲間に護られること。

 仲間に頼られること。仲間に頼ること。


 仲間と乗り越えた末の、この疲労感は、達成感は、――とても“気持ちが良い”。


 マリアは括っていた髪を解く。そして、次第に彼女の歩みが駆け足になる。

 マリアの大切な“仲間”が、こちらに向けて手を振っている。


 風はないが、確かに彼女の長い黒髪は楽しそうに宙を舞っていた。

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